あれやこれや

2007年07月24日
ペーパーキャップテン誕生(ボート最終回?)


2007.7.13係留地の続きです.係留の様子を前から見た図を再掲します.この右端
の松の木がTV映画“俺たちの朝”で主人公同士が語り合った背景の有名な松の木
です.

下手な図ですがイメージ分かりますか? 水位の上下に連動するボートの動きを斜
めの丸太が緩衝します.“ここにハマる”と書いてあるところが蝶番のような役目をす
るわけです.でも蝶番として機能するのは端の丸太の重みで所定の位置にある時だ
け.だから,丸太が浮いてしまうほど水位が上がると,つまり台風などで斜面まで川
の水面が高くなるともういけません.そんなことは滅多にないのですが,台風が来る
と聞くともう心配で心配で・・・.4本以上のロープで留めてあるので船が流されること
は滅多にないはずですが,丘に打ち上げられる怖れは十分にあるのです.そして水
が引いた後斜面を転げ落ちたら.まあ,瞬間的に水が引くことはあり得ませんからこ
ろころと転げ落ちることはないでしょうが.もう一つ心配の種は上流から流されてき
た船がぶつかってロープを切るなどの連鎖反応.でも,こちらは不可抗力の意味も
あるので運を天に任せる他はありません.現実にはこの被害は多いそうです.

                      
                  前から見た図(再掲)


さて,昔の台風の被害と違って,最近の台風での死者の中には,こう言っては不謹
慎と叱られるかも知れませんが自殺に近いのではないかと思ってしまうこともありま
す.台風が近づいているのに釣り船や岸壁で釣りを止めない.事情はあるのでしょう
が,冬山登山で落ちる人と同じで傍迷惑としか言いようがありません.もう一つ.何
故か川の増水を確かめに行って滑り落ちたという話がやたらと多いのはどうしたこと
なのでしょう.確かに,鉄橋を渡る電車の窓から台風後の水位の上がった川を眺め
て“わっすごいなぁ”と思うことはありますし,そういった日頃見られないものを眺めて
みたいという好奇心は本能の一種かも知れません.・・・と,増水した川に落ちるの
は他人事だと思っていたのですが,境川に係留してからは台風の度に見に行きまし
た.何ができるという訳ではありません.“ああ未だ繋がっているなぁ”ということを確
認するだけです.フェンスを越えて側まで見に行くなんてことは絶対しませんでした
よ.

あの時も,いつも通りに“今回の台風でも大丈夫そうだな”と安心してその日の“増水
見物”を完了したはずだったのですが,台風後の翌週,後始末に行ってビックリ.ボ
ートが斜面に打ち上げられていたのです.こうなると陸(おか)に上がったカッパどこ
ろではありません.何しろ何トンもあるのです.それに下手に押して転がり落ちたら
目も当てられません.中に入ることも重心が移動して落ちるかも知れませんのでで
きません.できることは落ちない(にくい)様にロープを張り直してそっとしておくだけ.

真の解決の手段はクレーン船で釣り上げる位しかなさそうですが,簡単にできること
ではありません.困った.もしも子供が遊び場として潜り込んだ時に転がり落ちでも
したら責任問題だってあります.自力で解決できない以上きれいさっぱり廃棄するし
か.でも引き取り手は?

結局,父の会社の釣り部の人にお願いして引き取ってもらえることになりました.で
もどうやって?まあいいか.あの危険な状態から始末できれば.

その後,1週間も経たないうちにその場所から無くなっていました.釣り部ではしばし
ば大島辺りまで出掛けて大活躍していたそうです.どうも人海戦術で降ろしたとか聞
いていますが,それにしても大仕事だったのではないでしょうか.

今,私はペーパー船長です.免許は未だに持っていますが,もう2度とあんな危険な
世界に足を踏み入れることはないでしょう.





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