あれやこれや

2007年08月01日
やはり傑作ラドン


昨日ラドンのことを書いている内に“空の大怪獣ラドン”を見たくなってしまい,CS放
送からコピーしてあったDVDを見てしまいました.やはり傑作は傑作.見る度に発見
するものがあります.1956年のこの作品の中に既に地球温暖化の話が出てくるので
す.環境破壊や化石燃料の無節操な大量消費を意識していた訳ではないでしょう
が,当時話題になっていたのかも知れません.

     
           空の大怪獣ラドン(字体が美しい)


主人公の1人である学者の助手が,ラドン被害者の遺留品のフィルムに写った三角
形の影と足の先から直ちにプテラノドンの絵を見つけ“これだ,これに間違いない”と
叫びます.絵と偶然写された写真がピッタリと一致することも,直ちにプテラノドンの
絵を見つけるところもスゴイのですが,主人公の学者が“そう決めつけるのは早計だ
よ”と言ってたしなめるところは特に流石だと思いました.更にこの学者は,光学顕
微鏡を覗きながら“電子顕微鏡による卵殻の構造は・・・”等としゃべります.電子顕
微鏡が使われ出したのが1950年代でこの映画が1956年であることを考えると,この
映画の作者の並々ならぬセンスを感じます.光学顕微鏡を使ったのは今から見ると
微笑ましいご愛敬ですが,その他にも,電子計算機で曲率計算を行い卵の大きさを
推定するなど,素晴らしい発想が随所に出てきます.

        
          プテラノドンと同定(さすがは科学者)


最後にラドン退治をする訳ですが,荒唐無稽のスペシウム光線などを使わないとこ
ろが良い.阿蘇山にミサイルを撃ち込んで噴火を促すのです.しかも,環境破壊を
懸念する地震学者と人々の安全という実利との相克なども絡めて,今に繋がる数々
の課題を提出しているのです.前作ゴジラに二番煎じ的な意味で斬新さでは及ばな
いにしても内容の深さの点では製作者側の進歩,成長は著しいものがあります.と
いうか,ゴジラとラドン以外の全てのSF巨大生物映画は駄作と言っても良いほどこ
の2作は抜きん出てはいます.

      
         涙を誘うラドンの最後(何れもCS放送より)


私はこの2作品を楽しめたこの時代の子供で良かった.スピルバーグ糞喰らえ.あ
っ,はしたないことを.







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