あれやこれや

2007年08月14日
狂犬病ワクチンの意味


大森ノスタルジアシリーズのつもりだったのですが,昨日の最後の話題,狂犬病で
別のことを思い付いてしまいました.どの業界でも営利を目差している以上,怪しさ
100%.正義と営利のバランスで成り立っているのは経済の上に人類社会が営まれ
ている以上,仕方のないことです.ただ,正義と営利とのバランスのどちらに重きが
あるか?チェック機構の少ない分野ほど営利に傾きます.

医学分野などは医師本人だって病気になればその医学の対象になる訳ですので,
正義の部分もかなり残っているのかも知れませんが,獣医学の世界となると相手は
物言わぬ動物.しかも飼い主は目の中に入れても痛くない我が子のために出費を
いといません.私だってそうです.だからバランスは大きく営利に傾き,その出先で
ある獣医は悪徳になる・・・かも知れません.

何度か書いていますが,以前の掛かり付けの獣医は尿のpHをコントロールするた
めと称し,札付きの人工餌を買わせようとしました.尿のpHに異常があればその原
因を突き止めるのが医療というもの.それなのに,しかも桃の尿のpHを事前に測定
してあったにもかかわらず,嘘をついてまでその人工餌を売り付けようとしたのです
(2007.3.27 Struviteに騙されるな,2007.4.2 治療食に騙されるな).こうなると詐欺に
近い.リン酸塩の生成とpHとの関わりについては私の専門分野で,獣医の嘘はバレ
バレです.知識不足から来るものなら仕方のないところですが,嘘をつかれれば,そ
の1点だけで十分に悪徳と判断できます.さっさとこんな獣医とはおさらばです.

さて,ここからが今日の話題.常々,疑問に思っていたことなのですが,獣医業界の
営利寄りの姿勢に気付くまではさして考えてはいませんでした.今にしてやっと分か
ったことです.始めに書いた通り狂犬病に関連した話題です.

日本は幸いなことに島国.多くの先人の努力によって,久しく狂犬病は全く発生して
いないのだそうです.つまり撲滅されたことになっています.では何故,毎年のワク
チン接種の義務化が解除されないのか?狂犬病ウィルスの保菌者が国内にいない
のに何のためのワクチンか?勿論,業界を潤すために違いありません(と,今気付
きました).散発的にも国内で発生していた時期にはワクチンは極めて効果があっ
たものと思われます.ところが今は,ゼロ.ゼロに何を掛けてもゼロなのです.予防
の意味は全くありません.狂犬病はエボラ並みのいやそれ以上に怖ろしい病気で
す.発病後の致死率は100%.ワクチン治療(このワクチンは治療用の方です)無しで
助かった人は毎年何万人も命を失う中で,史上たった1人だそうです.だから流行り
出してからでは遅い.という議論は説得力がありそうですが詭弁です.国内で発生し
ないようにするのは防疫体制と法律の整備そして各人の意識の問題が重要.詰ま
らない好奇心からエキゾティックアニマルなどを飼わないことの方が遙かに大切なの
です.逆に言えば,一度流行したらこの程度のワクチン接種率ではでは焼け石に水
なのです.

確かに近隣諸国は狂犬病の蔓延地帯.上手の手から水が漏れて感染した動物が
入ってくることは低確率ながら必ずあるはずです.でも,その動物が元で感染が広
がる確率はずっと低い.そして我々と同居している犬がよりによって輸入直後の感
染動物に噛まれた動物に更に噛まれるなどということは確率的には極めて低く,事
実上ゼロです.それにそんな状況になれば,国民性から見ておそらくワクチン接種
率は直ちに100%となり短期日の内に再撲滅されるに違いありません.

一方ワクチン接種によるリスクはゼロではありません.ということは結論はハッキリし
ているのですが,残念ながら我々は越えられない法律の壁があるのです.ワクチン
接種のリスクの方が桃が狂犬病に感染する確率よりも遙かに大きいとは知りながら
も法律を破るわけにもいきませんので,毎年接種を受けさせていました.でも,今回
のことで業界の悪徳性に気が付いてしまった以上,来年の接種を受けさせるかどう
か考えてしまっています.私が日本脳炎の予防接種を逃げた(2006.7.5 注射は嫌い
だ)のとは訳が違います.いや・・・あまり変わらないか?





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