あれやこれや

2007年09月16日
最後の一つ


最後に残った一つは誰の物? 数人で茶飲み話.卓の上には容器に入った茶菓子
が.これがまた旨い.幾ら食っても未だ欲しいほど旨い.でも,ついに最後の一つ
に・・・.こんな時,誰が最後の一つに手を出すかは見物です.勇気のある人,何も
考えない人,食欲が理性より強い人・・・.時と場合によりますが,常識人の集まりの
場合,最後の一つは誰も手を付けられずに残ることが多いのは面白い現象だと思
いませんか? 恨みを買いたくない,ガッツキだと思われたくないなどの心理が働くの
かも知れませんね.

無責任な公共の場だと少しだけ違う心理も働きます.我々の職場には小さなリフレ
ッシュエリアがあります.疲れ休めにちょっと一服.お茶でも飲みに.ついでにおつま
みも.だから,気が付いた人が時々差し入れをしてくれます.そんな場所ですので,
普段は誰も居ない(見ていない)ことも多いのです.つまり“最後の一つ”に他人の目
を気にする必要はない公共の場所なのです.ところが,そんな場所でも最後の一つ
は残り易い.さてこの心理は? 始めに書いたような見栄(人間関係)から来るもので
ないことは明らかです.こんなこと書くのは,他人を疑っているようで心苦しいのです
が,小さな根暗(ネクラ)者が意外と多い証拠なんだと思ってしまいます.つまり,後
始末をする位なら食わない方が良い.残った容器を片付けたり皿を洗ったりする“奉
仕”だけはしたくない.という,低級で根暗な利己主義に基づいている場合が多いの
ではないかと考えています.次に挙げる人は特殊な例かも知れませんが,こんな心
理も無い訳じゃないことを知ったという話.

粉末クリームが底を尽きそうになったら,僅かな残りは使い切って次の瓶を開封す
る.大抵の人はそうするでしょうし,私も今迄はそうしていました.普通のことです
ね.ところが,ここでそれをやっているのは毎回私であることにふと気が付きました.
そこで確認実験.これが性格の悪さの表れ? しばらくはクリーム瓶の底が尽きそう
な状態のまま,わざと放っておいてみました.数日後,何と古い方の瓶底に少量な
がら残ったそのままで,新たに別の瓶が開封されていたのです.どうしても後始末は
嫌だ.ということか.で,新しい瓶の中蓋をセロテープで封じて保管棚の方に戻して
おいたのですが,また棚から出して使われてしまいました.確かにプラスチックの蓋
とガラス瓶は分別し,瓶は残りのクリームを水洗してから捨てるという比較的面倒な
作業をしなくてはなりませんが,たったそれだけの作業をどうしてもしたくない.でもク
リームは欲しい.だから新しい瓶を下ろす.ゴキブリのようなヤツですね(ゴキブリに
失礼?).とうとう頭に来た私は,粉末クリームのストックを全て隠してしまいました
(実は全て私が寄付したものなので,そのくらいの権利がある).古い瓶の中身が尽
きる迄待って,新しい瓶を下ろすつもりで.さて,件のゴキブリ氏どうしたと思います.
驚くべき事に瓶のクリームの使用は止めて,来客用の小袋にパックされているもの
に手を付け出したとか.このことを知ったこちらの方を管理している人が,こちらの
方も隠してしまったそうです.

その程度のことに腹を立てるなんて大人げないようですが,陰気な面を見せつけら
れてしまうと,我慢ができないのもわぁがままおじさんです.自分で言うのもナンです
が,私は大抵のことには極めて寛大です.でもズルに関しては耐性がないのです.






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