
あれやこれや
結婚式の披露宴には料理がつきもの.お呼ばれした時には食事を楽しみにしてい
る人も多いと聞きます.でも,言わずもがなですが私にとっては悩みの種.中でも,
佐渡(2006.5.14 佐渡の黒牛)や鳥羽(2007.9.10 鳥羽の恐怖)顔負けの巨大エビが
結婚式の定番ですよね.
その1.
後輩Sさんの結婚式.私の隣席はしばしば登場する先輩のBさんでした.Bさんは化
学分析技術,植物学への造詣の深さと並んでガッツキも売り物のひとつです.つまり
結婚式の食事は楽しみ派の見本.この時も,自然な成り行きで私の巨大エビを平ら
げてくれることになっていました.具体的には,速攻で自分の皿を空にして,私の皿
と素早く交換するのがこの日のBさんの務めだった訳です.Bさん,私に言わせれば
ガッツキというより意地汚い(←お願いしてこんな言い方はいけませんね).なぜな
ら,巨大エビの殻の中を全部食べて文字通り空殻(カラカラ)にしてしまったのです.
そんなカラカラになった皿と交換されては,私が世間からカラカラになるまでエビを食
べたと誤解されてしまいます.だから,2匹目のエビは筋肉部分以外は食べないよう
に注文を付けました.そして,見るもおぞましいのですが,内臓等の残った皿と再交
換.ウエイターさんが下げるまでの辛抱です.見栄のためには臭くてもおぞましくても
仕方がありません.問題はこの後.“モモパパが見栄っぱりなので,ミソ(内臓のこ
と?)を食いそびれた”とBさんに会う度に言われて(言いふらされて)しまいました.
食い物の恨みは怖ろしい.
その2.大学での先輩Iさんの式.Iさんは名家のお嬢さん.式場の料理長とも親しい
間柄.“来客の中に1人,特殊な食性のヤツが居るのでカクカクシカジカの料理を準
備するように”と式場に話を付けてくれていたのです.彼女とは2年間大学の研究室
で机を並べていた関係もあって,私の食性は知り抜いています.さて,席についてビ
ックリ.私の席には大きな,しかも厳かな札が立っています,“特別料理”.知らない
人は“あの人は何様なんだろうか”と思ったことでしょう.何しろ,来客それぞれにコ
ース料理が運ばれた後,私の所にだけわざわざ別の料理が運ばれて来るのです.
私の食性にあったものだけで作られたフルコース.しかも超一流式場の料理長直々
の作品.そう,正に作品.一つ一つが絶品でした.極めて限られた材料だけでこれ
程のものを作るのはこの料理長さんにとっても初めてのことだったのではないかと
思います.それだけに腕によりを掛けて.“これとこれとあれとそれを入れない
で・・・”と言っても絶対に私の食べられるものは作れません.調味料中の微量成分
でさえ問題なのですから.Iさんも実にコト細かく指示してくれたんだろうと思います.
私にとって,一生に一度の贅沢だったのかも知れません.
Iさんの結婚式には余談があるので機会があればまた触れることにします.
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