あれやこれや

2007年11月23日
淡桃色のビラ


先日,今年初めてのカモが来たと思ったら,昨日はかなりの数がいました.先ずは
キンクロハジロが数羽.20羽を超えるオナガガモ.そして10羽程のホシハジロ.ホシ
ハジロは盛んに潜って餌をあさっていました.これから半年は,電車で動かないヤツ
が居て不愉快になっても(2007.11.21 あれやこれや5)その後のカモさん達との出会
いがあるので通勤が楽しみになります.

今日の本題は私事で,いつもにも増して詰まらないのでそのつもりで.前に街頭で
のビラ配りは迷惑だと書いたことがあります(2007.11.10 謎の白装束軍団).まあ,こ
れは誰しも同じコト.でも,京成千葉駅のホームから街頭でビラ配りを見ていると,
気の毒になってしまいます.だって殆どの人は逃げるように避けているんです.ただ
のビラなんか貰う人は10人に1人もいません.ティシュならもう少し多くて5人に1人.
中には,もっとくれと要求する人もいますし,ストックしてある箱の方からカバンに詰
め込んでいる心優しい人(関西系?)もいて,幾分は捌けやすいか.まあ,何れにし
ても配っている人は早く全部処分してしまいたい.

こんな光景を見ているので,私はただのビラならなるべく貰ってあげることにしていま
す.アルバイトならその人が早く解放されるかも知れませんしね.但し,政治がらみ
とボランティアはお断りです.それと,ティシュ付きの場合は逆にまず貰わない.如何
にも実用品で釣ろうなどという魂胆が気に入らないことと,見栄っ張りの私としては,
“ティシュが欲しくて手を出した”と思われることは沽券に関わる.まして“ストップポイ
捨て”ボランティアなんかからは絶対に受け取るものか(2007.11.10 謎の白装束軍
団).

この日は,ただのビラ配りのお姉さんが駅前に.当然のごとく通る人は誰も貰ってあ
げない.でも私は別.きれいなお姉さんならなおさら黙って見ていられません.実は
この件はもう少し補足が必要.このお姉さん,多分近くの飲み屋さんの,お姉さんで
はなくておネエさんなのだと思います.“忙しくなる前に宣伝のビラを配って来い”とか
何とか店長に言われて配っているのでしょう.つまり仕事の一環.なぜならこのおネ
エさん,遠目に美しく,近目にはちとケバい.でも,おネエさんがただのビラを配って
いて誰も貰ってあげないということだけは紛れもない事実なのです.そして私は見栄
っ張りではありますがなんと言ってもヒーローでもあるのです(2006.4.1 腰痛).仕事
で苦労をしている人を見て無視はできません.黙って見過ごすなんてヒーローには
似つかわしくありません.勇気を振り絞って・・・.このヒーロー,女性恐怖症なのでビ
ラを受け取るだけでも勇気が必要なのです.

ところでこのおネエさんの作業.義務でやらされているだけなので心がこもっていな
い.人が通る度に,機械的にビラを出したり引っ込めたりを繰り返すだけ.だって,
誰も手を出しませんものね.そこへ通りがかったのが我らがヒーロー.折角ヒーロー
が手を出してビラを受け取ろうとしているのに機械的な動きの中でお姉さんビラを持
った手を引っ込めてしまいました.“あれっ”と私はお姉さんをちょっと見ました.その
時のお姉さんの正に喜色.今も目に残っています.貰ってくれる人がいた.多寡がビ
ラですが余程嬉しかったのでしょう.でも,私は手を引っ込められてしまったので
少々慌てました.が,お姉さんは更に慌てて,再度ビラを私の方に.つまり,互いの
機械的動きに小さな齟齬が生じたのです.そして,ヒーローがつかんだモノはビラで
はなくおネエさんの美しい手だったという訳です.“アッ”お互い恥ずかしそうに顔を
見合わせただけの些細な出来事でしたが,女性恐怖症のヒーローにとっては忘れる
ことの出来ないビラにまつわるごくごく淡いピンク色の思い出でした.






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