あれやこれや

2007年12月10日
不良系列(カルメン4)


不良中年の巻.
私は乗りやすい.先日のカルメンも素晴らしい演奏と演劇それに完璧な演出により
浸りきることが出来ました.そして未だ気分が高揚している帰りの電車.流石にこの
段階ではトリップから幾らか醒めて半覚酔か.初台から私と同じように半覚酔の乗
客を満載した京王新線は新宿に着きました.殆どの乗客はここで降ります.ドア付
近にいた身長190cmはあろうかと思われる超長身で細めのおじさん.ガンとして降り
ない.俺はもっと乗っていたいんだ.他人のためにわざわざ降りる必要などあるもの
か.一旦降りた方が楽なのに,それこそ必死で抵抗しているのです.この人はおそ
らくもっと前から乗っていてもっと先まで行くのでしょう.しかも,全然覚酔していな
い.普段の私ならそのおじさんを狙って力任せに押し出してやるのですが,今はトリ
ップから完全に醒めていませんので,そこまでの理性(?)が働かず,避けて通って
しまいました.通り過ぎる時にやっとヒーローの正しい務めを思い出し“変なヤツ”と
声を出したのが精一杯でした.

不良チンピラの巻.
新宿駅からガラガラの千葉行き総武各駅停車.私は一応形ばかりの列の最先端に
いました.ドアが開いてさあ乗ろうと思ったら,脇から社会の基本的ルールを知らな
い2人のお兄さんが当たり前のように割り込んで,どっかと席に腰を下ろしビールを
飲み始めました.何処にでもいる不良チンピラですね.元々足りない人が,更にアル
コールによる全覚酔.これでは文句を言っても始まりません.それに,座席はタップ
リ空いています.“あー,こんなヤツが20年位気が付かずに恥をかき続けるとさっき
のおじさんみたいになるんだなぁ”などと考えながら大目に見てやりました.

不良少年の巻.
さて,今日の最後の乗り物.我が家行きのバスを待っていました.何故か今度も列
の一番前.しかも土曜日の夜なので乗る人も僅か.おまけに始発なので,当然座席
を争う必要も全くない.バスが来てドアが開き,さあ乗ろう・・・と,横から“俺が乗るん
だ”とばかりにトッポイ感じの高校生.疲れてもいないのに如何にも疲れ切った風
に,タラタラと“世の中にいるのは俺一人だ”と言わんばかりの歩き方です.傍若無
人というか,突っ張り過ぎで滑稽というか.“あー,こんなヤツは成長しないまま10年
経つとさっきのお兄さんみたいになるんだなあ”などと考えてしまいました.あれっ.

不良中年→不要チンピラ→不良少年という絵に描いたような情けない出来損ない人
生の流れを見て,やっと帰宅寸前に現実社会に目覚めることができました.






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