あれやこれや

2007年12月20日
オレもやるぜ!


ミジンコという生き物はご存じですよね.でも,これを飼育した方は多くはないと思い
ます.先ずはその生態から.といっても調べた訳ではなくただ飼っていただけですの
で誤りは多々あるかも知れません.なお,努力はしたのですがミジンコはどうにもな
ついてはくれませんでした.お座り,お手,玉乗り・・・何も出来ません.それに話も通
じません.念のため・・・.

小川や水田が近くにあれば今でもきっとワサワサ採れるのではないかと思います
が,今時の都会地での採集は結構難しいかも知れません.私が高校生の頃の話で
すが,総武線本八幡駅の南側は水田地帯で,水が赤く見えるほどミジンコが捕れた
のです.また,江ノ島へ注ぐ境川でも,時にボートの周りに群がっていて,大量虐殺
をやらかさないようにエンジンを掛けるのを諦めたこともありました.ガラス瓶などで
ちょこっと掬って,水道水を張った水槽に入れておくだけで数日で容器に入りきれな
いほど増えるのです.餌はパンに使うイースト菌が良いとされていますが,きな粉で
もクリープでもチーズでも何でもちょっと栄養がありそうな粉ならば何でもOK.エビオ
ス錠が良いという話もありました(しばしば登場するBさんの経験談).但し食い残し
が腐らないように,与え過ぎないことだけが唯一のコツか.

こんなコトをして何が面白いのかと思われるかも知れませんが,これがまた実に面
白い.生態を眺めていると何時まで経っても飽きることがありません.水槽に入れた
2,3日後には早くも小さい子供ミジンコがピョンピョン.一方親ミジンコはオレンジ色
の卵でまん丸に太っています.そして子供ミジンコも翌日には親ミジンコになり,・・・
数日後には水槽の中はミジンコだらけ.乾燥してご飯のふりかけにしたくなります.
残念ながら甲殻類は私の食料リストに入っていないので食べられませんが,エビの
好きな方には恰好のふりかけが出来ること請け合いです.

ところが,未だに理由は分かっていないのですが,こんなに増えるミジンコが1ヶ月
位でパタッと消えて無くなってしまうのです.循環濾過器を入れるとか,水温を一定
に保つなど熱帯魚ほどには手を掛けていないので,水質の劣化が主原因なのかも
知れませんし,世代交代の回数が決まっているからなのかも知れません.何れにし
てもオスミジンコが発生したらもうダメです.ミジンコ(普通のミジンコは100%メス・・・
だから可愛い?)の抱えている卵はオレンジ色から白の耐久卵(受精卵)に代わら
れ,既に沢山の耐久卵が水面に浮かんでいます.これらを回収して新しい水に移し
てやれば,また1から始まりですし,とっておいて後日好きな時に孵化させることも出
来ます.

不思議なのは餌のせいなのか種類が違うのか,本八幡周辺で集めたミジンコの耐
久卵は白く水に浮くのですが,別の機会には卵は黒い耐久卵だったこともあります
し,沈む耐久卵を生むミジンコもいました.この辺は調べている人がいるはずです
が,私は不勉強なので知りません.後で蘊蓄のCさんに聞いてみます.

話をちょっと戻します.耐久卵を生む前提のオスミジンコの発生は,これから滅亡す
る前触れでもあるのです.環境悪化のバロメーターなのかも知れませんね.ただ,こ
のオスミジンコを見ていると妙につまされるものがあるのです.オスミジンコの大きさ
はメスの半分以下,いや3分の1位しかないのです.どういうことか分かりますか.ミ
ジンコの推進力は手(足?)で水をかくこと.その手が短いんです.だから5回位か
かないと最愛のメスにたどり着けない.やっとたどり着いたと思ったら,“あんたなん
か嫌いよ”一かきでまたオスの5かき分.オスは振られても振られても必死に5かき
して追いすがる(カルメンのドン・ホセですね).これを見ているとついついほだされて
オスを応援したくなってしまうのです.

もてない男性諸氏に告ぐ.今年のクリスマスはミジンコと過ごそう.“ミジンコだってが
んばってるんだ.オレだって!”





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