No。013
真のモバイラーのために
2000.1.21
昨晩の日経夕刊によると、アメリカの半導体ベンチャー企業「トランスメタ」が、新型MPUを開発したらしい。
インテルの最新MPUと比べて、電力消費がかなり小さいようで、ノート型パソコンの電池寿命を、一気に「1日持つ」ようにしたとのこと。
これは画期的なことだと思う。
手前味噌ではあるが、私は日本でも相当進んだモバイラーだと思っている。
単に、モバイルPCを持っているというだけではなく、実際の使いこなし具合の意味で、である。
このサイトの制作〜管理は、すべて右の「富士通ビブロ」で行っている。
このビブロに、セイコーエプソンの「PCカード型PHS」(下の写真)を差し込み、ネット接続も行っている。
携帯電話のケーブルを、いちいち接続してやる手間がはぶけて、大変重宝である。
もちろん本業である調査の企画書・調査票、ちょっとしたレポートなども、すべてこれでやっている。長時間の文書作成は、さすがに疲れるが、1時間程度で完成するものなら、何の問題もない(ペンタッチのおかげ)。
さらに、私の第2の本業ともいえる「ギャンブル関係」のパソコン投票ソフト・予想ソフトが入っている。ちなみに投票ソフトは・・・
- PAT95(JRA:中央競馬)
- SPAT4(南関東競馬:地方競馬)
- PIST(競輪)
- PIT(競艇)
であり、本当に1年間365日、何かしらのギャンブルをすることが可能である。
デイ・トレーダーがアメリカで現れているが、そんなのはアマイ。私は、デイ・ギャンブラーである。本気で毎日やっていたら、とても金が追いつかないが。
私がこのビブロを買ったのは、なるべく会社にいないようにするためといってもよいくらいである。
どうして私が会社にいたくないのか、ということは置いておくとして、それを実現するためには、何が最大の障壁となっていたかというと、もちろん「バッテリー寿命」なのである。
せっかく、日常的に、「ちょっとそこら辺で仕事をする」ことを想定して買ったのに、使える時間が1時間も持たないようでは、全く意味がない。
メーカーが公表するPCのバッテリー寿命をみると、大半が2時間程度である。これらは、だいたい「本当に使うと公表値の半分」がいいところである。
1時間しか使えないということを具体的に示すと、「喫茶店でちょっと休憩したときに使ったらもうオワリ」という感覚である。これでは、「モバイルで仕事をする」というためには、全く役立たない。
常に、バッテリー切れを気にしながら仕事をするのでは、とても集中などできないものである。
この「ビブロ」を買うことに決めたのは、市販のノートPCで、内蔵バッテリーの寿命が最も長いことであった(もうひとつがペンタッチでマウスがいらないということもあったが・・・)。
この機種の少し前の、同じビブロを買ったが、バッテリーは1時間持たずになくなり、「モバイル」にはほど遠かった。
今の機種は、メーカー公表値で最長4時間、私が使っていても、実感値として「2時間半」は確実にいける。
使うソフトの重さやメールを使ったりで変わってくるが、2時間半なら何とかなるものである。
東京から大阪に出張するとして、新幹線の中で仕事をするのにちょうどよい「持ち具合」だと思う(まだ実際にやったことはないが)。
しかし、それでも全然足りない。もっともっと長時間使えるようにしてくれないとダメである。
他のノートPCは、家の中で、近くにコンセントがあるところで使うのに重宝というだけで、本質的なモバイルはもともと意識していないのだろう。
だいたい、通常持ち歩くにも、1.5sを超えると、非常に重たく感じる。3sを超える「iBook」なんて、もってのほかである。
名ばかりのモバイルである。
最近は、「日経モバイル」や「モバイルPC」など、モバイル専門雑誌も増えているが、現実的にモバイルをしているのは、iモードをはじめとする携帯電話や、PDA機器くらいであり、ノートPCで本当にモバイルしている人は、ほとんど見たことがない。
たまに、ゼロックスの保守の人が、連絡用に使っているのを見るくらいか。
実際にモバイルとして使われていないのは、一にも二にも、「バッテリーが持たないから」だろう。
これが、冒頭のMPUによって、実際に「1日使える」ようにしてくれるのであれば、日本のパソコン環境も、一気に変わってくると思う。
何しろ、コンセントのことをあまり気にしなくてよくなる。
仕事などで毎日持ち歩くにしても、泊まりの出張でもなければ、電源ケーブルは持ち歩く必要はない。
家で使う場合も、どこかのコンセントに差しっぱなしにしておいて、仕事などで使うときは、自分の好きなところに持っていって使う。そんな使い方ができると思う
確かに、今でも家庭内で、コンセントにつないでやることはできるが、家庭にあるコンセントの位置は、肝心なところにないものである。電源ケーブルがじゃまくさくてしょうがない。
パソコン環境が充実してくると、電源ケーブルだけでなく、SCSIやら、最近ではUSBやら、さまざまなケーブル関係がぐちゃぐちゃになることも問題である。
iMacのコンセプトが受けたのも、その辺が「すっきりしている」こともあったと思う。
このバッテリー問題は、パソコンを使うイメージも変えると思う。
おそらく需要が、デスクトップからノートに変わり、それまでの、「デスクでかしこまって使うイメージ」から、(本当に)「フリーに使うイメージ」が出てくると思う。
それこそ、メーカーのパンフレットによくあるように、「学生がキャンパスの芝生の上で、PCを操作している」ということも、ぐっと現実味を帯びてくる(今のでは、絶対に無理だ)。
となると、私も、会社のデスクは取っ払ってもらい、本当に自分のやりたい場所で仕事ができるようになる。
「今日は天気がいいから、日比谷公園で企画書でも書くか」ということもできる。
「いやいや思い切って、江ノ島に行って、海でも眺めながらやれば、いい企画書ができそうだ」ということも考えられる。
連絡は、携帯か、メールで送ってくれれば十分だ。
早ければ、今年半ばにも、このMPUを搭載したノートPCがお目見えするとのことだが、私は、本当に首を長くして待ちたい。
※でも、「じゃ、パソコンはあげるから、明日から会社来ないで、適当に仕事やっといてね」って、先に会社から言われたら、ヤダな。
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