深名線〜記憶の中の旅路〜

1990年代・冬


 何年に乗車したかは覚えていない。
 名寄16時00分発の発、深川行きの列車に乗った時のもの。ネガの直前のコマでは、旭川駅に停車している特急「オホーツク」や、名寄駅に停車する急行「宗谷」や快速「なよろ」が写されていたので、わざわざ、旭川方面から名寄に回り、深名線に乗りに行ったようだ。

深名線、北母子里−湖畔間の車窓(1)

深名線、北母子里−湖畔間の車窓(2)

北母子里-湖畔間の車窓。




 人里離れた雪原が続き、空はほんのりと茜色を帯びつつあった。勾配が続き、エンジンを喘ぐようににうならせ、レールを這い上がるように進む様は、この区間では相変わらず印象的だ。この、北母子里-湖畔間にあった、白樺駅と蕗の台駅は1990年の3月に廃止となってしまった。
湖畔駅駅名標

湖畔駅駅名標。




 そして、湖畔駅に到着。名前から想像できる通り、朱鞠内湖への最寄り駅だ。だが、こんな冬に、超有名観光地でもない朱鞠内湖観光に、湖畔駅を使う人は皆無だろう。いや、夏でさえ、観光に湖畔駅を使う人はほとんど居ないであろう。
朱鞠内駅ホーム

朱鞠内駅ホーム。




 17:05分、朱鞠内駅に到着。ここで、名寄行きの列車と交換するために、7分の停車時間があるので、列車の外に出る。駅や車内は地元の乗客はほどんど居なく、相変わらずレールファンの姿が目立つ。
除雪車両

朱鞠内駅構内に停車する除雪車両。




 構内には、除雪車両が停車していた。深名線沿線は豪雪、寒冷地帯で、沿線の母子里では、マイナス-41.2度と日本最寒を記録した程だ。そんな地域を走る深名線に、除雪車両は必須だ。
朱鞠内駅駅舎

朱鞠内駅駅舎。




 朱鞠内駅駅舎前景。雪深いと言っても、さすがに主要駅の一つであり、駅周りの除雪は行き届いている。駅舎はやや味気ないが、古いゆえに渋みを漂わせ、木の駅名看板がいい味を出している。
鷹泊駅駅舎

鷹泊駅。

多度志駅駅舎

多度志駅。


 朱鞠内を出ると、程なくして、夜を迎え、夜の雪原をディーゼルエンジンを唸らせながらゆっくりと走る。
 一つ一つの駅に丁寧に停車していくが、駅には人影もほどんど無く…。

 18:58分、終点の深川に到着。

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