Mini鉄道旅行記集(1)


敷地外からJR北海道・苗穂工場を見る

謎の183系気動車??色(JR北海道苗穂工場)

珍車?!183系気動車スーパ白鳥色??

 ネットサーフィンをしていると、JR北海道の苗穂工場に変な車両が留置されているという情報をキャッチした。それは183系気動車の運転台付近が緑に塗り分けられた怪しげな車両で、どうも2002年12月から八戸−函館で運転される新型特急車両の塗装を、試験的に183系気動車に施しているらしいとの事だった。

 2002年3月の北海道18きっぷ旅行の時、苗穂工場横を列車で通過する時に見てみると、例の怪しげな車両は確かに居た。改めて見てみようと、その日の昼に苗穂駅に降り立った。ホームからやや離れた所で、他の車両群に混じりながら佇む見慣れない塗装の車両は怪しげで、異彩を放っているかのようだ。車体のベースとなっている色は、現在の183系気動車0番台と同じ薄紫色だが、運転席と車端部辺りが濃いめの黄緑色で、薄紫色と黄緑色の境目には青いラインが入っている。この塗装の車両が営業運転されたとは聞いていないが、実際に営業運転に使われたら面白かっただろう。

JR北海道苗穂工場構内

苗穂工場で体を休める車両達。国鉄色に塗装
された711系電車(左奥、小さいですが…)や
廃車になったアルファコンチネンタルエクスプレス
も見える。
 折角だからもう少し苗穂工場の様子を見ようと、ホームから見えるレールを跨いでいる歩道橋まで歩いた。

 歩道橋の上からは、道内で活躍する様々な車両が留置されているのがやや遠くの方に望める。札沼線(学園都市線)用の気動車が多く、711系電車、54系気動車なども見える。そして何故か何年も前に廃車となった筈のジョイフルトレイン、アルファコンチネンタルエクスプレスの姿も見える。静態保存をしているのか、何かに使うアテがあるのか知らないが、色褪せた金色の車体がどこか哀れだ。

急行宗谷の400系&183系気動車

急行宗谷で使われた車両達。
 そしてそれら車両群から離れた所には、2000年3月まで札幌-稚内間の急行宗谷で使われていた2両の車両がぽつんと放置されている。1両がキハ400、もう1両は増結用に急行宗谷カラーに塗り替えられた183系気動車だ。これらの車両は特急スーパー宗谷が登場するまで、札幌-稚内間の主力だったが、今は行き場を無くしてしまったかのように寂しく佇んでいる。轍(わだち)の跡が雪上に無いので、こうして何日も同じ場所に置かれ、処遇を待っているのだろう。

 苗穂工場は年に1日、10月に一般公開されていて、より詳しく見学されたい方には、もちろんこちらの方がお勧めだ。また、工場内には様々な鉄道関連の資料が展示されている「北海道鉄道技術館」があり、第1、第3土曜日の13:30〜16:00には一般公開されている。
(工場一般公開と鉄道技術館の開館日時については、当サイト外で再度ご確認下さい。)
[2002,3月訪問] 
〜追記〜〜〜〜
 留置されていたアルファコンチネンタルエクスプレス(アルコン)ですが、JR北海道が先頭車をオークションで売却する事になり、一旦はある人が落札しました。しかし、この人が辞退したため、2番目の値段を付けた千歳市の牧場経営者の手に渡る事になりました。
 この牧場経営者の方、竹田さんは、一家で仕事中にアルコンが颯爽と走るのをよく目にし、家族の話題になる事も多かったそうです。(今まで見たことも無い金色の特急列車はきらびやかに映り、日々額に汗し働く家族の方々のささやかな憧れとなったのでしょう。)しかし、1994年にアルコンは引退してしまいました。
 竹田さんはアルコンの売却を知り、責めて車両を牧場に置きたいと願い、オークションに参加しました。だけど、付けた値段は2番目で惜しくも敗北。その時、竹田さんは落胆し涙を流しながら悔しがったそうです。しかし、落札者が辞退するというどんでん返しがあり、幸運にもアルコンを所有できて、家族で大喜びしているとの事。そして、2002年11月30日、ついに竹田牧場にアルコンがやってきました!内装を改修して、今後は子供向け体験農場の施設として利用するそうです。
 単なる廃車体としてではなく、真にアルコンを欲している人の手に渡り本当に良かったと思います。殺伐とした暗いニュースが多い世の中ですが、こんな心暖まるニュースを聞くと、私まで嬉しく暖かな気持ちになります。
〜〜〜〜〜〜〜

特急つばめのビュッフェでランチタイム

 特急つばめは博多(一部門司港)-西鹿児島間を結び、九州特急網の一端を担っている。車両は斬新なデザインやグレードの高いアコモデーションを誇る787系で運行されている。

 特急つばめの中で特筆すべきサービスの1つはビュッフェだろう。787系が投入された1992年、既に食堂車、ビュッフェのようなサービスはかなり衰退していて、東海道・山陽新幹線、一部の寝台特急などに残っているのみだった。そんな中でのビュッフェの導入は、つばめレディの導入と共に、特急つばめに賭けるJR九州の意気込みを感じたものだった。

 だが、その787系特急つばめのビュッフェが消え行こうとしている。2004年春開業予定の九州新幹線、新八代-西鹿児島(改称予定)間が開業をすると、今の特急つばめは新八代で新幹線に連絡する特急としての役割を担う事になる。そのため乗車時間が大幅に短くなり、収益が落ちると予測され、ビュッフェは不用と判断された。そしてビュッフェのスペースは着席定員増のために、座席に改造される事になった。座席化改造された車両は、早速、2002年7月から投入され、今後徐々投入が進むと、反比例して特急つばめのビュッフェは無くなっていく。

 九州新幹線の開業まで、九州に来る事は無いかもしれないと思うと、この素晴らしいサービスを少しでも堪能したいと思った。2002年7月に青春18きっぷで九州を中心に西日本地区に行く事していて、その時に特急料金と運賃が別払いになり短区間しか乗れないが、特急つばめのビュッフェに乗っておこうと思った。昼食ついでにと、12時5分に出るつばめ11号を選んだ。

 博多駅8番ホームに上がると、既につばめ11号は入線していた。ちゃんとビュッフェが連結されている事を確認すると、ホームの券売機で久留米までの自由席特急券を買った。(乗車券は後に車掌さんから購入)

 もちろん自由席に向ったのではなく、大きく「BUFFET」と書かれた4号車から車内に入り、コンパートメント席を抜けるとビュッフェに至った。真中にカウンターがあり、窓際に立食用の小さなテーブルがいくつも並ぶ。天井の卵型のドームは特に印象的だ。登場から10年過ぎているが、メタリック調を基調とした室内は未だに未来的な感じがする空間で、さすがJR九州のスターたる数々の特急列車のデザインを手掛けた水戸岡氏のデザインだ。
特急つばめのビュッフェ

特急つばめビュッフェ車内。
 出発前だが、ビュッフェは営業してて、時折お客さんがカウンターにやってきては何かを買っている。私もメニューを見せてもらい、焼ラーメンなる物とコーラを注文し、出来上がるのを待った。この2点で確か550円程度だったので、割と良心的な値段なのではないだろうか?以前に特急つばめを利用した時は「楽飯(チャオファン)」という中華弁当があったのだが、販売中止になったのか、メニューの中には見当たらなかった。

 焼ラーメンが出来上がった時、既に列車が動いていた。コーラと共に受け取ると、窓際の小さなテーブルに載せた。中はどうなっているんだろうと開けてみると、塩やきそばと言えそうな、野菜と共に炒められた無色の緬が入っていた。味の方は塩味が効いていて美味しかった。調理済みのものをレンジで暖めただけのものなのかもしれないが、流れる車窓と、ジョイント音に身を任せながら車内で温かいものが食べられるのはやはり嬉しい。

 ちょうど昼食時だが、ビュッフェには時々お客さんが何かを買いに来る程度で、私みたいにビュッフェのお食事メニューを買う人は非常に少ない。車内販売で事足りているのか、何かを買って乗る人が多いのか…? 

 ビュッフェ担当のつばめレディーも手持ち無沙汰なのか、一眼レフを手にしている私に「いいカメラですね」と話し掛け、お客さんが途切れる合間に「つばめのビュッフェが無くなるのは残念ですね」などと雑談が続く。雑談の最中に、アイスクリームを買いに来た親子に釣られるように、私もなんとなくアイスクリームを買ってしまう。

 30分とは短いもので、鳥栖を過ぎ、少しすると久留米到着前のアナウンスが始まった。ここで事件発生!何とアイスクリームがカチンコチンで融けないのだ。到着が近いにも関わらず、食欲に負けてアイスクリームに手が伸びてしまった私の自業自得で、「すみません」と謝るつばめレディの方にばつが悪い思いだ。 しょうがないので、久留米で下車して、久大本線乗車の待ち時間の間に食べるしかない。

 ビュッフェから出ようとすると「ありがとうございました」とつばめレディの爽やかな挨拶に送られ、私もお礼と返す。たった30分の時間だったが、このつばめレディの方のお陰で楽しい時を過す事が出来た。

 久留米駅に降り立ち、ベンチに座ると、早速、アイスクリームを突付き始めた。外は暑く、アイスクリームは直に食べやすい硬さになった。

[2002,7月乗車]

特急つばめのビュッフェは2003年2月で全廃となりました。
特急つばめ、ビュッフェでのランチ

今日の昼食は焼きラーメンとコーラ。
流れる車窓を背景に…

特急つばめの車窓の一場面。
フィルムのコマのような景色が広がる。

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