映画の棚Topics過去の記事 2
「RED*SHADOW(赤影)」 
 コンサートの翌日、同窓会までの時間潰しに何かスカッとするようなアクションものの映画が観たいね?ってことで南君とお互いちょっと気になっていたこの映画をチョイス。アニメ以外の邦画は久々(笑)

−時に1545年、戦乱の時代。大名たちに仕える忍者たち、その集団の1つである「影一族」に幼き頃より一緒に忍術を学びし3人の若き忍者「赤影」「青影」「飛鳥」がいた。頭領である白影より一族に伝わる隕石より作られた防具を授かり、いくつかの任務をこなしていく彼ら。だが、その任務の最中「飛鳥」を失ってしまった2人は、これらの任務に迷いが生まれて・・・。−

 あぅ、痛快青春忍者映画なら最初からそういってくれぇ〜!!変に思わせぶりな予告やコピーをうたい文句にするから勘違いして観ちゃったじゃないかぁ(苦笑)
 いや、これはこれでこういう作品の作りはありだと思うのですよ。その辺は全然問題無しなんですが・・・(ただ、これで「赤影」の名を映画に冠するのは正直どうかとは思うのですが・・・若かりし頃ってことなのかもしれないけど・・・でもなぁ・・・)私がこのタイミングで観たかったのはこういうのではなくてぇ〜(笑)唯一、竹中直人(白影)のラストの演技は楽しかったです♪やっぱり上手いよね、この方は(笑)  01.08.12
「千と千尋の神隠し」 
 何のかんの言っても「宮崎・高畑作品」は全て映画館でちゃんと観ている私であります(笑)はたして今回の作品は?

−「トンネルのむこうは、不思議の町でした」
荻野千尋10才。両親の都合で他の町へと引っ越す彼女。父親の運転する車での移動中、わき道にそれたことで、山中の不思議な建物の前に辿り着く。「嫌な感じがする」そう言って嫌がる千尋を尻目に両親はその建物のトンネルらしき通路の中をどんどん進んでいってしまう。「テーマパークの跡地だな」人気のない古びた感じの町に出たのを観て父親は、仕方なくついて来た千尋に言う。
 人気のない町なかに美味しそうなニオイをさせた食べもの屋をみつける両親。「あとで、ちゃんとお金払うから大丈夫」むしゃむしゃとそれにかぶりつく2人だが、千尋はまだ嫌な感じがしてしかたがない。ふと見ると、いつの間にか両親の姿が大きな豚に!!周りには次々と異様な姿の人影がわらわらと!!恐怖と混乱で駆け回る千尋。一体ここはどこなのか!?−

 「宮崎駿版 和風不思議の国のアリス」う〜〜ん、言いえて妙、なようなちょっと違うような(笑)まぁ、でも雰囲気は伝わるかと。結論から言えばなかなか面白かったです。壮大なテーマとか、主人公にいわゆる「語らせ」ちゃうシーンも少なかったし♪いつもだったら、伏線とか設定をくどくど見せたり説明したりすることが多いのですが、本作はもうそんなのお構いなし(笑)結構その辺さらりと流していきます。(そこに主眼を置いてないからなんでしょう)
 監督のねらい通り、「千尋」は映画が進むにつれ、どんどん魅力的で生々しいキャラクターとなっていきます。また、ひとっところの状況説明?が終わるとこの異世界を楽しむ余裕も出てきて、その舞台設定の面白さや美しさに感心してみたり。 (ああいった1つの建屋の中をいろいろに動き回って観せてくれる描写は個人的に好きなんで 笑)
 多分、あの世界が面白美しく、ちょっと恐くて、そして千尋というキャラクターが魅力的に感じられたら、この作品の大部分は成功なのでしょう。最近の宮崎映画で、「もう1回くらい機会があれば観てもいいかな?」と思ったのも久々かも(←笑 誉めてるんです) 01.08.06
「DUNGEONS&DRAGON」 
 「ダンジョン&ドラゴン」。例によって予告で興味を惹かれ行ってきたのですが・・・・

−”イズメール王国”そこは魔法を使う貴族「メイジ」が平民を統治している世界。自身も魔法使いであり若き女王サヴィーナは貴族と平民の平等化を望む。しかし、王国の評議会の1人、邪悪な魔法使いプロフィオンは言葉巧みに協議会の面々を説き伏せ、サヴィーナを王位より追いやろうとする。この拮抗した状況を打破する為、両者はドラゴンの中でも最強の「伝説のレッドドラゴン」を操れるという魔法の杖「サブリール」を手にしようとする。ひょんなことから女王の為杖を探すこととなる 魔法大学の見習い魔法使い「マリーナ」、平民こそ泥の「リドリー(主人公)」と相棒「スネイルズ」、ドワーフ戦士の「エルウッド」の4人組。彼らにプロフィオンの追っ手が迫る・・・−


 原作は1974年に史上初のロールプレイングゲームとして誕生!「スター・ウォーズ」「インディー・ジョーンズ」「ドラゴンクエスト」「ファイナル・ファンタジー」「ハリー・ポッター」の基となった!!・・・らしいんですが・・・よ、予告に騙されたぁ〜〜〜(苦笑)
 いや、予告で中世風の街並みの上空を多数のドラゴンがぶんぶん飛び回ってる映像が流れて・・・「うわっ面白そう!?」と思ったんですが・・。確かにそのシーンは本編中にあったのですが、ラストの方にちょっとだけ。お目当てのドラゴンは、あとは冒頭で1匹ちょびっと出ただけ(泣)
 いや、別にドラゴンが作品の全てではないのは分かってますが、なんか展開もありきたり&舞台の世界観の広がりが全然感じられなくて(悪い意味での)箱庭的な映像世界を延々観せられても・・・ι。
 ま、まぁ、年に何本も観てればこういうこともありますって(笑)あ、あくまでも「私観」なのでその辺はご了承のほどを。  01.07.24
「クイルズ」 
 これもいつものパターンですが予告編を映画館で観て面白そう、と感じての観賞。今回ははからずして某F氏と一緒に観ることになったといういわく?付です(笑)

−「いまだかってない淫らな物語を聞かせよう。覚悟なされよ。」 マルキ・ド・サド
18世紀末のフランス。猥褻文書頒布の罪で1人の男がシャラントン精神病院に幽閉されている。その男の名はマルキ・ド・サド。その彼により綴られる文章はナポレオンの怒りをも買うが、病院内でなお彼は執筆作業を続けている。病院の責任者であるクルミエ神父は「書くこと」が彼の邪気を吐き出させる行為につながると信じその行為を認めていたからである。勿論、彼の恋する(院内の)侍女、マドレーヌの手を経てそれらの作品がいまだ世間に出版され続けている事実を知らないままに。サドの理解者としての立場をとってきた神父だが、しかしながら先の事実を新規に監督者として赴任してきたコラール博士より知らされ、裏切られたと詰め寄る。しかし、サドは言う。「私は人間すべての根源的で永遠なる真実を描いている。物を食い、排泄し、交わり、殺し、死ぬ。だが人は恋をし、街を築き、交響曲を作り、苦難に耐える、それらを描けと、小説は道徳書ではない」と。
 新任の博士は持論の拷問具を用いた荒療治でサドを矯正しようと試みてくるがサドはまるで屈しない。しかし、神父に羽ペン(クイルズ)、インクなど「書く」手段を取り上げられることにたいしては血相を変えて叫ぶ。「私は語る為に生きている!お願いだ!書かせてくれ!!」−


 マルキ・ド・サド、サディズムという言葉の起源になった彼は実在の人物。この映画はフィクションで原作としては舞台劇を基にしているのですが、サド侯爵が人生の1/3を幽閉されて執筆作業をしていたことは本当なようです。
 とにかく、面白かったです。どれくらい面白かったかと言うと、映画が終わってすぐF氏と「どこかで飯を食いながらまずは語り合おう!」と興奮気味にお互い言い合うほどです(笑)テーマが表現とは?書くことへの欲求と己にとっての意味とは?といったようなことなので、そこはそれ、お互いこういった○○な趣味を持つ者どうし、それぞれにいろいろな「思うところ、考えるところ」を持って観たというわけで。自分達はあそこまで執着し続けられるか?自分らにとっての創作活動とは?といった議論を交わす映画談議がまた楽し、恥ずかし♪。
 F氏いわく、「でもポガさん、こういう映画みるのねぇ(笑)」だからぁ〜、面白いと感じたものに対しては、貪欲だよ私は(笑) 
 あ、あとそれからサドを演じるジェフリー・ラッシュ氏の演技、存在感が本当に素晴らしかったです!!  01.06.23
「メトロポリス」 
 りんたろう監督の作品ということと、CFで観た圧倒的かつ緻密な画面に魅せられ「観たいっ」と思い行ってきました。

−メトロポリス・・・そこはテクノロジーの粋を集めて創られた巨大都市。摩天楼が建ち並び、労働の多くの部分を様々なロボットが行う、ともすればユートピアとも思われる街である。しかし、その影ではロボットに仕事を奪われた失業者が暮らすエリア(ZONE)を内包していたり、敵国の兵器開発に危機感を募らせるなどの問題も抱えていた。
 そんな大都市に1人の探偵と1人の少年がやってくる。指名手配犯ロートン博士を追ってきたのだ。その捜査の中で、少年ケンイチは記憶喪失らしい少女、ティマと出会う。彼女を助け一緒に行動するケンイチに次々と事件がおそいかかる。どうやらティマにはなにか秘密があるらしいのだが・・・−


 EDテロップのキャラデザ・総作画監督の名前を観て納得。「ああ・・名倉靖博氏だったんだ・・・」とぁにかく画面が緻密っ!!モブ(群集)シーンなんて「そこまでやるかっ!?」てくらい隅々の人間まで別な動きをそれぞれしてる。
 お話のほうは(私は語れるほど手塚作品は詳しくないですが)手塚作品の雰囲気を十分に感じさせつつ意外とシンプルな構成のものでした。音楽なんかはレトロ調ということでか、ジャズっぽいものを中心にしています。色調はわりと抑え目でこの辺りは好み(笑)
 ちょっと残念だったのは、作品の良し悪しとは関係ないんですがこの作品、高校生か大学生の頃観た方が絶対楽しめただろうな〜ってことです。理由を説明するのはちょっと難しいんですけどね・・・。多分その頃のがこの作品は自分的には”旬”だったろうなぁ〜と(笑) 01.06.01