映画の棚Topics過去の記事 1
「ショコラ」 
 TVの紹介で観た時から気になってた作品。ヨーロッパの小さな村を舞台にしたものに比較的魅かれる傾向が強いのですが、更にチョコレートを絡めてくるとは・・・さてどんなお話やら♪

−北風の吹く冬のある礼拝の日、フランスのとある小さな村に母親と娘とおぼしき2人連れが大きな鞄やらを持ってやって来る。その”新しい村人”は協会のそばの空き店舗を借り受け、(今まで物静かだった)村に不似合いともいえる艶やかなチョコレート・ショップを開く。村の指導者レノ伯爵は、礼拝にも来ず、カトリックの断食期間に店を開き人々にチョコをすすめるこの女主人ヴィアンヌに敵意を抱き村人にチョコを購入しないようにと説く。
 しかしその人その人の好みを当てて、様々なチョコをすすめるヴィアンヌと彼女の作る魔法のかかった(?)チョコの魅力に村人は少しづつ彼女の店を訪れるようになる。彼女のチョコをキッカケに夫婦間、未亡人への老紳士の恋など様々な問題が解決の糸口をみるようになる。
 そんなヴィアンヌの存在が面白くないレノ伯爵のもとに、更に彼を不機嫌にさせる「ジプシーの一行が河つたいにこの村にやってきた。」という報告が・・・−


 いやぁ〜なかなかツボでした(笑)よく「この映画を観るとチョコが食べたくなる、帰りに買って帰ってしまう♪」みたいな話を聞くんですが、チョコ好き(はいはい大人の男ですってば 苦笑)な私ながら別にそこまでは影響受けなかったんですが・・。お話に強く惹かれました。チョコを(正確にはヴィアンヌを)キッカケに人々が様々な悩みや問題から開放されていく。その過程が「あくまでチョコはキッカケであって解決の為の行動は、みんな自らが起こしていること」その辺りの描写がいいなぁ・・・と。ヴィアンヌもとても魅力的に描かれていて人々を励ます強い存在のようでありながら後半にみせる弱さや悩みなど人間的で感情移入させられます。
 あと、要所要所の美しい描写。特に冒頭の村を上空から映すアングルや北風の中を赤いコート(マント?)に身を包んだ母娘が行くシーンの鮮烈さは頭に残ってはなれない。あのギターベースの音楽もいいなぁ〜サントラ探そうかなぁ(笑)パンフも700円とちょっとお高いけどなかなか凝っててよく出来ています。   01.05.19
「チキンラン」 
 「ウォレスとグルミット」でおなじみニック・パーク監督による初の長編劇場用作品。あのクレイアニメが85分も堪能できる??

−英国の片田舎にあるトゥイーディー養鶏所。今夜も自由を求め雌鳥のジンジャーは皆を引き連れ脱走を計る。その度に強欲女主人ミセス・トゥイーディーの(尻に敷かれている)夫ミスター・トゥイーディーにつかまり柵の中に逆戻り、を繰り返していた。卵を産みつづけなければここでは死が待っている!
 そんなおり、突然空を横切り(?)サーカス団から逃げてきたという雄鶏ロッキーが現れる。「空飛ぶにわとり!?なら私たちも!?」いきり立つジンジャー。ロッキーの指導のもと飛行特訓を開始するみんな。しかし強欲女主人は卵より手っ取り早くお金になる大型のチキンパイ製造マシンを購入したのだ!!もう時間が無い!!しかし皆が一向に飛べるようになる気配が無いのに焦るジンジャー。様子がおかしいロッキー。果たしてこの大脱出計画の行方は?−


 相変わらず芸の細かいクレイアニメが堪能できます。小道具やセットの造詣の凝ってること!!この辺りはいつもながら私のツボを突いてきます(笑)またいろんな映画のパロディなんかも織り込まれてて、知らなくても楽しめますが知ってると思わずニヤリ。
 ただ、正直少々物足りなさを感じてしまったのも事実でして・・・。毒っ気が少ないというか・・・今ひとつ、惹かれてやまない、のめり込める強力なキャラクターがいなかったというか・・・。とはいえ、全体的によく出来ているのでアードマン・アニメーションズの作品を未見の方には間違いなくオススメです。              01.05.11
「グリーンフィンガーズ」 
 GW突入初日の今日、ぴあで紹介を読んだ時から気になっていたこの映画を観てきました。

−イギリス、コッッウォルズにある保安体制の緩い開放的な刑務所、エッジフィールド更正刑務所。ここでひとりの男、コリンがひとりの老人と出会う。心を閉ざしがちな彼は、老人が余命幾ばくもない体だと知ったことより少しづつ心を開いていく。そんな老人からもらったニオイスミレの花の種、その花が見事に咲いたことに感動するコリン。そのことがきっかけとなり、他の囚人をも巻き込みつつ「植物を育てる」ことの喜びを知っていくコリン。また、その才能を見出され遂には英国で由緒正しいガーデニング・コンテスト「ハンプトン・コートパレス・フラワーショウ」への出場が所長より提案されるが・・・−


 実話を元にしているこの映画、なんか「大人のための童話」といった感じで観ていてとても心が和みました。「命を奪うことの意味を知っているのは俺だけだ。誰か俺の命を奪ってくれとも思っていた。・・・だが、命を与え育てることを知った・・・・・俺は庭師だ!」釈放か否かの審査会の席でのコリンの言葉。過去に人を殺めてしまい、心を閉ざしていた彼が、園芸や老人の囚人ファーガス、他の囚人ガーデニング仲間、ガーデニング専門女史の(才能がない・・と語る)娘であるプリムローズとの触れ合いで自分の人生と存在の意義を見出していくあたりは共感する部分が多く胸に沁みました。
 それとコッッウォルズの美しい風景!!私、ちょっと前に行った英国旅行からかなり英国づいてるのですが・・・・実はこのコッツウォルズ、その旅行の際、時間の都合で泣く泣く削った所なんです・・・。あああ、やっぱり行きたいよ〜〜〜!!(笑 いつか行ってやるっ)  01.04.28
「ハロー・ヘミングウェイ」 
 本日、定時で無理やり速攻で上がり「ハロー・ヘミングウェイ」を観に行って来ました。


−文豪ヘミングウェイ邸の隣に住むバハナの女学生ラリータ。文学、哲学の道を志す成績優秀な彼女はアメリカ留学の奨励金を申し込む。しかし、その制度にはアメリカ国籍の有力な保証人が必要だった・・・。また、おりしも政権打倒、学生運動がキューバに広まりつつあり、そんな中貧しい境遇のラリータは・・・−


 久々に入りました、東映のパラス3!!あの視聴覚室のようなフロア(笑)(座席数48!!)前ふりで文学少女のほんわかハートフル物かなと思って行ったのですが上に書いた通り、結構シビアな内容でした。古本屋の主人(いいキャラです、お店の感じも)を通じ、「老人と海」と出会った彼女。その後は少女の境遇と「老人と海」の主人公、漁師サンチャゴとが交錯しながら物語は流れていきます。留学への夢、ボーイフレンドとのすれ違いと学生運動、自分の生い立ちからくる留学への障害・・・etc.そんなことが、淡々と冷静に映されていきます。親身に思ってくれる人、わかってくれない人、無関心な人、傍観者。それぞれがそれぞれに居る当たり前の人生。いいことも悪いことも、上手くいくときも、そうはいかない結果となってしまうときも、それはそれぞれの人生。どう生きていくかもやっぱりそれぞれ。
 最後のシーンのラリータと検査官の女性とのやりとりと、能天気に館の上から手を振るヘミングウェイが妙に心に残ってます。 01.04.25
「アンブレイカブル」 
 先日、「アンブレイカブル」を観てきました。予告観て「面白そう」と思ったのですがちょ〜っと私の考えてたのと掘り下げる方向が違ってました。う〜ん、あれはあれでいいのかもしれませんが私的には少々消化不良です。
 今度は脳の中(精神世界に)入っていくという題材ゆえ「ザ・セル」がちょっと観たいな〜という気になってるんですが果たして?(笑)あと「ショコラ」とか「チキンラン」とか「グリーンフィンガーズ」、「ハロー・ヘミングウェイ」、「星降る夜のリストランテ」「山の郵便配達」とか・・。さてさて、いくつ観れるかな?              01.04.18