
あれやこれや
昨日朝,旧中川のサクラは5分咲き.無茶苦茶な強風に良く耐えて夕方見た時にも
あまり散ってはいませんでした.この分なら今日明日には満開になると思われます.
カモメ(ユリカモメ)が本人は風上に向かって飛んでいるつもりだと思うのですが飛び
ながらバックしていました.
さて,先日の続き.またNHK/BSのオペラ放送ものです.エクサンプロヴァンス音楽
祭のニーベルンクの指輪4部作最後の“神々の黄昏”.主役の一人ジークフリートは
ベン・ヘップナー.すばらしいテノール.目を瞑って聞くとこれぞ英雄ジークフリートを
彷彿とさせてくれる立派な声.でも姿を見てはいけません.どう見ても高木ブーか小
林亜星.いくら何でも竜を打ち倒した英雄とは程遠い.オペラの場合,私は余り見掛
けにこだわらない方ですが,これほどイメージとかけ離れているとちょっと考えさせら
れます.ま,歌が立派だからいいか.
それより感心させられたのは最後.さすがの英雄ジークフリートも最後はだまし討ち
に合い弱点を突かれて往生を遂げるのですが,立派だったのは声と体格だけでは
ありませんでした.舞台中央で死体となったジークフリートはそのまま長時間じっと死
体を続けさせられます.つまり動けない.蚊に刺されてもじっと我慢.鼻が痒くともじ
っと我慢.くしゃみなんてとんでもない.それどころか,このジークフリートは呼吸の動
きを全く見せないのです.これは大変なことだと思います.実験してみると分かるの
ですが,長時間呼吸をしないことは相当に難しい.きっと独特の呼吸をしているに違
いないのですが,後ろに階段があるところに寝かされていますので水平線との比較
で腹や胸が動きが分かりやすい状態だったのです.ヘップナーの突きでた腹は階段
の水平線が絶好のゲージとなり,微動でもよく分かる状態だったのです.プロの演技
の凄さを見て本質外のところで感動してしまいました.
ちなみに3人のノルン(巫女さんのような女性)をはじめ多くの出演者達もヘップナー
とタメを張れる立派な体格でした.主人公に合わせて体格の良い人達をわざと選ん
だのか.私は劇場側が重量級オペラを希望したんだろうと踏んでいるのですが.
オペラものついでにもう一つ.やはりNHKのBSでメトロポリタン歌劇場の“オルフェウ
スとエウリディーチェ”を見ました.確かにこのバロックオペラの傑作をそれらしく演
出するのは難しいかも知れません.でも,私の見たこの作品は他のプロダクションも
含めてろくな演出がありません.隙間が多すぎるので,演出家の腕の見せ所と思う
のか,必ず何かやって折角の落ち着いた雰囲気を台無しにしてしまいます.難しくて
も真面目に作品を仕上げて貰いたいものだと思いました.私にとって最大の聴き所
“精霊の踊り”が省略(編曲?)されているのにはガッカリさせられました.但し,半ば
戦意喪失で居眠り混じりだったので聴き漏らしたのかも知れません.そうだとしたら
大変失礼な思い違い.録画してあるので,不愉快ですがもう少し目の覚めている時
にもう一度見てみます.
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