
あれやこれや
昨日,新国立劇場のカルメン公演を観劇してきました.配役はがらりと変わりました
が,前回(2007.12.3 今だ! ゴホンゴホン)と同じプロダクション.それだけに前回気
が付かなかったことなど色々面白いことも分かりました.でも,拙ページでカルメン関
係を書くのはこれで何と21回目.まあ上演回数も多いし魅力的な歌手もこのような
超有名演目に集中するので仕方のない現象なのでしょう.意識的にコントロールしな
ければ偏るのはやむを得ない.よって,今回は気が付いたことを列挙するにとどめ
ます.
1.カルメンがやけに色っぽい.前回のモンティエルもなかなかのものでしたが,今
回のシャベスは遙かにコケティッシュ.しかも見ている方が心配になる(期待する?)
衣装ばかり目立ちました.でも大丈夫.期待は見事に裏切られました.
2.渋さで勝負のエスカミーリョ.前回は若いスマートな色男.歌いながらテーブルの
上から飛び降りる元気の良さでしたが,今回は渋い中年の魅力? テーブルからは
椅子を階段代わりに一歩一歩降りてきました.熟年の慎重さが光りました.ホセとの
決闘場面でも疲れないよう省エネ運転でした.それで良いのです.戦闘のテクニック
など観客は見たくありません.剣術が見たければ剣道日本選手権やオリンピックを
見るべきです.鍛え抜かれた精鋭達の剣技の神髄が見られます.
3.相変わらず子供達は上手い.前回は杉並児童合唱団,今回はNHK東京児童合
唱団.どちらも素晴らしく統制の取れた演技と合唱でした.世界の何処に出しても恥
ずかしくない.それに,実に可愛い.
4.マヌエリータのキズについて.些細なしかし重要な物語の発端,カルメンとの喧嘩
でマヌエリータは切りキズを負うのですが,大きな×印を書くのがお約束(2008.1.3
必要な×印).でも,前回の演出で期待の×印は見られませんでした(2007.12.4 わぁ
がままものの見処).拙ページを演出家の鵜山さんは見たに違いありません.今回
はこれがマヌエリータとハッキリと分かるような動きをしてくれましたし,頬には目立
つキズ.が,残念なことに×ではなく二本線.キズはクロスしていなければいけませ
ん.並行ではイカンのです.それと私はマヌエリータのキズばかり双眼鏡で見ていた
ので気が付きませんでしたが,カルメンにもキズが付いていたとか.モモママに聞い
ただけですので確認していませんが,ストーリー上,それは変だと思います.もともと
クロスのキズも変ですが,そこは芝居ですものね.ナイフを使った喧嘩でつけられた
キズなら一本線のハズですよね.まあいいや.
5.ホセは居なかった.“ホラあそこにホセが見てるよ”とか何とかの台詞の時,観客
である私は釣られてホセを探したのですが,ウォーリーと同じように見つけられなか
ったことを書きました(2007.12.12 ホセを探せ).見つけられなかったのは私の罪では
ないことが分かりました.卑怯なことにその場面にホセは居なかったのです.ウォー
リーが居ないのにウォーリーを探せという本を出版したら詐欺ですが,芝居では何も
そこにいる必要はありません.台詞を素直に信じて探した私が愚かでした.
6.ろうそくの火は本物らしい.シャンデリアのようなパスティア酒場の明かり.前回
は奇麗だなとは思っていたのですが,それ以上よく見ませんでした.実はちゃんと炎
が燃えていました.
7.相変わらずどーしようもない客がいた.今回は暖かい季節だけあってゴホンゴホ
ンは少なかったのですが,歌が無い時はしゃべっても良いと思っているらしくオーケ
ストラが演奏していても平気で隣の客と話しでいる人がいました.今度見つけたら殴
ってやるぞ.でも,それまでに別の誰かに殴られているに違いありません.それにし
ても今回の観客はマナーが悪い.音合わせが始まったらピタッと私語は止めるべき
なのに,指揮者が現れて拍手が始まるまでは幼稚園の遠足のようでした.
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