
あれやこれや
前回予定していて書きそびれたIさんとネコ話の続きです.その前にちょっとだけ.新
しい電動アシスト自転車はこっそりとグレードダウウンされて電池容量が小さくなって
いたと書きました(2010.5.30 電動なし電動自転車).確かにその通りなんですが,直
ぐに電気が無くなって単に重いだけの人力自転車になる理由は電気容量の問題で
はなく,単なる初期故障であることが分かりました.電池の品質不良.メーカーに交
換して貰いました.国産超一流メーカーの製品にも,今時そんな初歩的故障もある
んですね.
で,予定のネコ話.前回書いたように研究室の下は同じ広さの地下室(縁の下).こ
こに,どこから入り込んだか,ネコが安住の地として出産したのがネコ話のその1で
した.ところで敷地内には工場もあり,製品の袋(セメント袋のような大きな紙袋)も
パレットと呼ぶ木製の台の上に山積みされて敷地のあちこちに置かれています.毎
朝Iさんにエサを貰って満腹になったネコ達は生物で証である当然の生理現象とし
て,栄養物を吸収した後の残り物を体外に排出します.フンともいいますね.これが
野生のネコさん達にとって,広いパレットや紙袋の上に出すのが何とも心地良いらし
いのです.
ところで,研究部門における問題点や今後の方針などを話し合う“研究管理委員会”
という重要な会議が月に1回催されています.ここでしばしば,この程度の低い話題
が持ち出されていたのです.この話題は研究開発の方針を決める重要な会議には
相応しくないと思うのですが,面白い話題だとつい熱心に討議されてしまうのは人
情.“縁の下に入らないように金網を張ろう”“何とエサをやっているヤツがいるらし
い(誰だか分かっているくせに性格の悪いヤツもいるんです)”“ネコを退治しよ
う”・・・・.
そこでIさんは言いました.“お前らバカか? ネコが居るからネズミが来ないんだゾ
ウ”研究幹部による正式な会議での発言です.結局はIさんの負けでネコ退治が決
定されました.でもそこが中途半端でご都合主義というか,情けないというか,誰も
殺生はしたくない.しかもネコ.鍋島藩の例を出すまでもなく後で祟られるに決まって
います.もっとも私も退治することになったらそうすると思いますが,ネコをまとめて
川向こうに移動させるという利己的で卑怯な対策でケリを付けました.正義の決断と
は言い難いのですが,まあ川を渡ってまでして戻っては来ないだろうと.
その後,Iさんの予言通りネズミ天国になったのは言うまでもありません.何と0.1ミク
ロンのダストさえ管理しているクリーンルームにもどうした訳かネズミさん達が出没す
る有様.結局は大金を払ってネズミ退治のプロに任せ,大量虐殺を行ったという顛
末.それ以後,当研究開発本部はネズミの怨念に祟られ続けているのです.
Iさんは正しかった.そのIさん,つい先日訃報が入りました.何ともやりきれない思い
です.謹んでご冥福をお祈り申し上げます.
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