あれやこれや

2010年12月24日
次はぁ〜秋葉原の駅ですぅ〜(江ノ電10)


しばらく更新をサボっていたので,折角このページにお出でになったのに無駄足させ
てしまった方に申し訳なく思っています.毎度書く通りアクセスカウンターの増加が無
言のお叱りに思えます.このところ,公の方ではなく私の方が忙しくて・・・.

相も変わらず旧中川の朝はカモさん達が少なくて寂しい.今朝もオナガガモの小さ
い群があっただけで常連のキンクロハジロの姿は見えません.それに代わって例年
では少数派のホシハジロの小さい群を時々見ることがあります.そういえば,先日上
野不忍池でもキンクロハジロはグッと少なく,むしろホシハジロが意外に多かったの
には驚きました.さらに,千葉公園の綿打池ではキンクロハジロではなくホシハジロ
が主役になっていました.気象異常のなせる業か?

さて,たまたま江ノ電の最後尾で何気なく車掌を観察していました.特に見る物が無
かったことと,直ぐ脇でイソイソと働いている車掌が視界に入っただけで他意はあり
ません.日常,車掌のやることなんか見たことがないので,JRや他の鉄道でもそう
やっているのかも知れませんし,そうでないのかも知れませんが,感心したことがあ
ります.

車掌室のドア脇にある高さ20cmくらいの直方体の大袈裟な箱.これに数センチ程上
か下に円柱状の棒が突き出ていて,これを上下に動かすことによってドアを開閉す
る.ご存じですよね.ドアを開ける時は下に付き出た棒を上向きにポンと押します.
こうすることによって今度は上の方に数センチだけ棒が突き出ます.これをポンと押
せば今度はドアが閉じる.要はドアの開閉スイッチです.私にだってドアの開閉くらい
なら出来そうに思えます.でも,江ノ電の車掌のやっていたことはそんな生やさしい
作業ではなかったのです.流石にプロはプロです.

“次はぁ〜和田塚の駅〜,和田塚の駅に停車しますぅ〜”.そして電車は和田塚駅
(停留場といった方がイメージ通りですが)のホームに入ります.電車が停止したら,
例の棒をポン.私ならそうしますが,プロは違います.下の方(私からは見えない場
所)に置いて(ブラ下げて?)ある鍵を取り出し,開閉ボックスの穴に鍵を差し込みそ
れからポンなんです.鍵をささないと作動しないようになっているんでしょう.その差し
込むのも停止する前ではなく,ちゃんと止まってから初めて行動を起こす.だから電
車が動いている時には,例え車掌がめまいを起こそうとも電車が脱線しようとも鍵が
ささっていないのでうっかりポンということはありません.走行中にドアが開いたとし
たらそれは電気的故障なのです.

それともう一つ.駅に着いて止まってからその鍵をさす動作のまどろっこしいこと.手
探りで鍵穴を探すのです.それもどの駅でも毎回.進歩のないヤツだと思っていたら
そんなことはありません.見ないで鍵を小さな鍵穴に入れるのは大変難しい.何しろ
車掌は電車がちゃんと停止位置に止まったかな? とか撮り鉄が運行の邪魔をして
いないかな? とか色々あちこちに気を配る必要があり,目はキョロキョロ.鍵穴など
探していては仕事にならないのです.だから直ぐにドアが開かなくとも怒ってはいけ
ません.

客の乗り降りが終わってドアを閉め,それでやっと一区切り.運転手に発車OKのサ
インを送ればそれで1単位の仕事が終わりと思うのは素人.偉いのはその後.上か
らドア締めの棒をポンと押してドアを閉じたら瞬時に下側に手を移動し,不測時に供
えて何時でも開けられるよう今度は下に突き出た棒を手探りで保持しているので
す.そして走行が安定したのを見計らって鍵を抜き,ボックスの直ぐ側の台の上に
一時的に置いておきます.ピンチの時には何時でもドアを開けられる体制を整えて
おくということなんでしょうね.次の段階に入ったら,要は車内放送をする頃には私
から見えない所(物好きな客に盗られないように?)に鍵を移動します.ここまでが一
連のドア開閉操作.江ノ電の駅と駅の間はほんの僅か.あっという間に次の駅に着
いてしまいます.手を抜きたくなるのが人情というものですが,この車掌さん決して手
を抜きませんでした.ひょっとしたら,じっと観察している私のことを勤務態度をチェッ
クに来た本社のスパイかも知れないと思ったのかな.

更に感心したことがあります.この車掌さん,特殊な性格の人だったのかも知れま
せん.あるいは石部金吉さんという人かも知れません.何しろ車内アナウンスでもひ
と味違っていました.“次はぁ〜.稲村ヶ崎〜”ではなく“次はぁ〜稲村ヶ崎の駅,稲
村ヶ崎の駅でぇ〜すぅ〜”と言うのです.確かに稲村ヶ崎は地名でその地名の名をも
らった江ノ電の駅なのですから“・・・の駅”というのが正しいのかも知れません.でも
JRに乗っていて“次は〜東京の駅”というのは聞いたことがありません・・・よね.






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