
あれやこれや
昨日の続き.○○○タイマーの買い替えモード発動,第2例です.その前にちょっと
S社製品の悪口を.
今からおよそ45年前,やっとテープレコーダーが民生用に普及し始めた頃,子供に
は贅沢なオモチャですが,私も駄々をこねて買って貰いました.コロムビアの製品で
す.真空管式のオープンリール.カセットなんてまだ世の中に無い時代です.散々使
い倒し分解して結局はヘッドがすり減ってまともな音が出なくなるまで酷使しました.
始動,停止などの操作はレバーをガチャンガチャンと力尽くで動かすものです.ゴツ
くはあってもボロボロになるまで故障もなく完動した良い機械でした.その後,友人
が○○○マチックというエレガントなテープレコーダーを買いました.S社製です.何
がエレガントかって,当時レバー式が標準だったのに押しボタンで操作出来,録音
の音量調整は自動.この最先端技術とアイデア,技術力の高さが今,愛用のノイズ
キャンセルヘッドフォンまで受け継がれ(2007.01.09 ノイズキャンセルヘッドフォン),
昔も今もこれこそがS社の真骨頂です.この点は大いに認めますが後がいけない.
そのエレガントなテープレコーダーは1年もちませんでした.他に何台か同形機を知
っていますが,その殆どはボタン部分に故障を抱えていました.そしてアイデアは良
いが機械部品は壊れ易いという伝統も今に繋がっているのです.これが○○○タイ
マーという有りもしない風説の元になったのでしょう.ただ単に壊れ易いだけです.新
品の内は機械的には何とかもちますが1年くらいで部品が劣化して壊れるというだ
け.アイデアやエレクトロニクスには強いのですが,機械工学に弱いというだけの話
だと思います.詐欺師呼ばわりは気の毒というものです.嫌なら買わなければいい
のです.
大先輩のIさん.彼はおおらかな人でしかもお金持ち.何の躊躇もなく(に違い有りま
せん)大画面の液晶テレビが通常の民生品として売り出された頃,早速手に入れま
した.60万円もするS社品です.勿論タイマーの噂などご存じ有りません.別のS社製
品と比べた結果こちらの方が断然奇麗だったんだそうです.“あ〜あ,別のS社製品
の方を買えば良かったのに〜”とその時,わたしは本気で思いました.でもそんなこ
と買ったばかりで得意になっている人に言えませんよね.で,例によって保証期間を
過ぎた後,予定通り(?)故障.画面がまともに出なくなってしまいました.ただし,こ
れほどの高級品にタイマーを仕込むなんて絶対に考えられません.民生品として安
く上げるために部品をケチるなどの努力はしたでしょうが(実はそれが問題なんです
が),S社にとってもおそらく純粋な予期しない故障だったのだと思います.そこまで
は仕方がありません.問題は修理費用.お金持ちだから幾らでも出すと思われた
か,パネル交換が必要なので40万円(20万円だったかも知れませんが,似たような
ものです)だとか.確かに60万円のテレビなので,当時の液晶の価格はそんなもの
かも知れれませんが,修理費用だけで今なら新品が何台も買えてしまいます.それ
より常識的に言ってもパネルの故障なんて考えられません.症状から推定できるの
は接続部あたりの接触不良程度,悪くても制御用のICか基盤の交換位のものでしょ
う.流石におおらかで温厚なIさんでも技術者.足元を見てふっかけてきたことは直ち
に分かります.○○○タイマーなど聞いたこともない善意のIさんはカンカンに営業担
当者を怒鳴りつけたそうです.“そんなんじゃオタクの製品は誰も買わないよ”と.そ
うしたら,驚くべき事に“それでは幾らなら修理に応じますか”と尋ねられたんだそう
です.Iさんもふっかけたつもりで5万円と言ったら,S社の返事は“では5万円にしま
す”と.どう思いますか.私は5万円でも高いと思います.が,それよりこのいい加減
なS社の姿勢.営業担当者と機械技術者(居ないに違いない)は相当に低レベルな
のでしょう.Iさん,後で奥さんに叱られたそうです“どうして1万円と言わなかった
の”.それは奥さんが正しい.
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