
あれやこれや
変なタイトルですが,先日の通勤時の只の一コマです.
朝の通勤道は川沿いの犬の散歩道.毎日沢山の犬とすれ違います.放し飼いの巨
大な黒のラブラドルレトリーバーもいます.茶色だと間抜けヅラですが黒のラブはち
ょっと精悍.でも顔をよく見ると実に穏やかそうでこれは信用が出来そうです.だから
余り怖くはありません.ところで,人でも考えていることや言うことと違って衝動的に
突飛なことをやらかす人が居るものです.犬猫の場合は人よりは信用出来ますが,
それでも変わり者や精神に多少変調のある犬だって居るに違いありません.少なく
とも弟のロンや三女の桃もちょっと変わり者.まして気心の知れないよそ様の犬は
頭から信用する訳にはいきません.
さて,大型犬といってもラブラドールクラスだと,さほど怖くはないのですが,ロンを巨
大にしたようなドーベルマンや如何にもお前を噛んでやる(食べてやる?)といった
面構えのジャーマンシェパードとすれ違う時などは,つい襲われたときの逃げ方など
を考えてしまいます.でも,いつも会うシェパードやドーベルマンはそれなりのしっか
りした飼い主が手綱を付けて連れていますし,大きいと言っても多寡が知れていま
す.
今朝お会いした二人(匹)は違いました.何という犬種なのか?何せ四つ足で立って
いても頭の位置が飼い主の胸ほどもあるんですよ.背中が人の腹くらいの位置.並
みのオオカミより大きい.小型の馬クラス.二匹とも見るからに専門家のような人が
それぞれについて連れていましたが,幾ら犬と言ってもあれは猛獣です.犬なので
会話が成り立つはずですが,ロンや桃と同じ様な我が儘な性格の可能性だってあり
ます.殆ど猛獣を人里で散歩させるのはルール違反のように思いました.もちろん
私はすれ違いなどしません.通り過ぎるのをじっと待っていました.
次は帰り道.この季節の帰りは川沿いの道は暗く怖いので,交通の激しい大通りを
使います.右側が車道.信号待ちで車の長い列が出来ています.そこへ歩道の左
から私の前を横切り,更に止まっている車の間を抜けて道を横断しようと都会猫が
出てきました.車が止まっているから今が横断のチャンスと思ったのでしょう.判断
の基準が流石に都会猫.でも残念ながら視点が低い.遠くの信号が青に変わり信
号待ちの車が順次動き出したのです.このままでは動き出した車に轢かれてしまう
心配があります.私は目の前で惨劇は見たくないので慌てました.二,三歩ですが
ダッシュして猫を制止しようとしました.その判断が悪かった.相手は都会猫.私は
田舎者.どうもその猫は信号が変わったことを理解していたようなのです.そして田
舎者に襲われた危険から逃れるために,逆にダッシュしてしまいました.窮地から守
ろうとした行為がむしろ都会猫を危険にさらすことになってしまったのです.都会猫
の命は正に風前の灯火.
そんな時,現れるのが正義の味方.でもいつものヒーロー(私のこと)はうろたえるば
かりです.が,天は見捨てていなかった.丁度そこへノー天気の無謀運転自転車が
突っ込んできたのです.猫にとっては自転車を避けるなんて朝飯前.ノー天気自転
車のおかげで,田舎者に追われた都会猫は新しい危険を避けた結果本当の危機
一髪を救われたのでした.メデタシメデタシ.この猫は,交通の激しい都会でも天寿
を全うできることでしょう.
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