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あれやこれや
世の中には色々な病気があります．きっと痴漢も病気の一種なんでしょう．それも，
これほど気の毒な病気はない．大学教授ともあろう者が社会的地位を棒に振ってま
でやってしまうほどなのですから余程重篤になる病気に違いありません．もっとも，
病気といっても誰も同情してくれません．今の社会では病人と言うより犯罪者という
扱いになっていますので仕方がありませんよね．
痴漢の話など女性の居るところでは滅多に出ない話題ですが，何故かこの話題が
大好きなのは大学の先輩Iさん（2007.10.11 結婚式の食事）．“痴漢話が好きなのは
自分がそれ程魅力的なことを主張しているんだ”という説もありますが，Iさんはわざ
わざ自分から言わなくても誰もが認める，十分に魅力的な人なので，必ずしもこの
説は正しいとは言えません．つまり，Iさんは痴漢話が根っから好きなのです．こちら
の話し声がやっと聞こえる位の所に彼女が居る時にわざと痴漢話をすると決まって
やって来て体験談を披露してくれます．動機が不純(？)ですが，これが面白くて，私
が所属していた大学の研究室は週に１回は痴漢話になりました．おかげで様々なテ
クニックを身につけ・・・ウソです．
私は至って健全というか女性恐怖症なので，痴漢どころか女性からは逃げ回る方．
だからこそ他人と接触する危険のない早朝の電車で通勤しています．でも，ほんの
短い期間ですが，超満員の京成成田線で通っていた時期があったのです．この電
車の混雑は半端じゃありません（何時かこの混雑振りも書きたいと思います）．この
期間だけは私でも痴漢を・・・目撃したことがあるのです．でも，身動きも出来ないほ
どの混雑にどうやって痴漢作業をするの？ 先ずはある日の女子高生の会話から．
“私ね，おんぶの痴漢に遭っちゃった”，“あっ，知ってる，知ってる．私も遭ったこと
あるよ．でもベタッと来るだけで何もしないのよね”．実は，私もその痴漢を毎日のよ
うに見ているので会話に加わりたかったのですが，変な人と間違えられたくなかった
から自重しました．当たり前か．
“ホラ，あの自転車の人，注目だよ．あれが有名なおんぶの痴漢”，これは私と未来
のモモママとの勝田台駅へ向かうバスからの景色を見ての会話．そして，勝田台
駅．大勢の通勤客が長い列を作って電車が来るのを待っています．件のおじさん，
列から外れて今日のターゲットを物色中．それを我々が観察していたという訳です．
電車のドアが開き，客の流れは車内へ．その（中のターゲットの）速度に合わせて列
横からおじさんも入っていきました．ああやってターゲットを決めるのか．実はあれほ
ど混む電車では自由に位置取りも出来ないはずなのに，毎日女性の真後ろにくっつ
いているのが不思議だったのです．なるほど，一つ技を学びました．その日もしっか
りとあるチャーミングな女性の後ろにピタッと．実は書いている私だって気持ちが悪
いのですが，その後が面白いので我慢して下さい．
次の停車駅は八千代台という沿線では乗降客の最も多い駅．ドドッと降りてドドッと
乗ってくる．件のおじさん，流石に何時までもくっついても居られません．今日は目が
４つあるのでしっかりと顛末を観察しました．何と激流のような人の流れの中を正に
抜き手を切って泳ぎ切ったのです．次のターゲットに．それにしても恐ろしい執念．
毎日こんなコトを繰り返す彼氏はおそらく警察も注目していたはずですが，いつまで
経っても逮捕されたという話は聞きません．この日は，八千代台までの間，我々もそ
のおじさんの直ぐ後ろで単にくっついているだけなのか，積極的に何かやっているの
か観察していたのですが，結局女学生の言う通り何もしていないようでした．だから
犯罪は構成しない？ 強いてあげれば列を乱した？ 人波を泳いだ？ でも，その程
度で犯罪と言われれば，列を守らないのが標準の関西人は皆逮捕です．今日も，あ
のおじさんは人混みの中で抜き手を切っていたに違いありません．
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