第一回  月に恋して太陽を愛する


ようやく始まったこのコンテンツ。
記念すべき第一回目は、一部で妙な(?)反響があった、
「月に恋して太陽を愛する」です。
まず始めに、一つ質問があります。
あなたは、「恋」と「愛」の違いについて考えたことがあるでしょうか?
この違いについては、個人の価値観の差から、いろんな説があるかと思いますが、
私の意見としては、こうです。
1.「恋する」というのは、一方的なものであり、「愛する」というのは、一方と双方の場合がある。
2.「恋」は一般的に言う恋愛感情のものであるが、「愛」はもっと普遍的にも使われる。
3.「恋」は短い期間であれば、存在しない時期があるが、「愛」は常に存在する。
こんなことを思っていたある日、ふと「月」と「太陽」について考えました。
幼稚園の頃は、月といえば黄色、太陽といえば赤もしくはオレンジでした。
そして、「空に浮かぶもの(それらしい単語で言えば『天体』)」として、ほぼ同種の存在でした。
ところが、高校生くらいになると、月が必ずしも黄色ではなく、太陽も赤くはないことに気付きます。
それと同時に、月と太陽が同種のものとは思えなくなってきたのです。
色に関することは、近日公開予定の用語集の「寒月」の項に詳しく書くとして、
ここでは「同種ではない」ことに論点を絞ります。
太陽。
この星が存在しなければ、この地球に生命は誕生しなかったでしょう。
太陽がもたらす様々な恩恵が、世界各地に太陽信仰を作り出しました。
赤道周辺には、その影響が強すぎるために「太陽は悪魔だ」とする人々もいるそうですが、
多くの人は太陽にマイナスイメージは持っていないかと思われます。
月。
夜空に美しく輝く月は、鑑賞の対象にはなりましたが、
人々に与える恩恵という点では、太陽には遠く及ばず、
信仰があったとしても、太陽以上のものではなかったのではないかと思われます。
さて、この「月と太陽の関係」が、先程述べた「恋と愛の関係」に似ているとは思えないでしょうか?
太陽からは多くの恩恵を受け、人々は信仰をもって、それに感謝する。
また、その恩恵なくして、人は生きられない。
一方、月のほうは、さしたる恩恵を受けるわけではないが、人々はその美しさに憧れる。
つまり、これが「月に恋して太陽を愛する」ということなのではないかと思い至ったのです。
第一回はこれで終わりです。
いかがだったでしょうか?
感想お待ちしてます。

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