豪華寝台特急トワイライトエクスプレス・リフレッシュ車両展示会


 JR西日本、日本の鉄道が誇る豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」は1989年の運行開始以来、豪華な車両と、日常を忘れのんびり贅沢な時間を過ごせる事で依然と高い人気を保っている。私が2000年夏に乗った時も期待に違わぬ素晴らしい旅だった。だが、登場から10年以上過ぎ、設備が古び陳腐化していたという事も否めなかった。

 2001年の11月にトワイライトエクスプレスがリニューアルされ、西日本地区を2泊3日程度掛けて一周し、各地の観光地に寄るクルージング列車として、月数回運行されるというニュースを聞いた。夜行列車に関し、近年は暗い話題が多かったが、突如として飛び込んだ驚くべき、そして明るいニュースだった。このニュースを聞いて札幌-大阪間の方はどうなるかと思ったが、このニュースの中では特に触れられていなく断言はできないが、トワイライトエクスプレス専用の3編成をやり繰りして、クルージング列車と本職の札幌-大阪間の運行を行うのだろう。

 そして、遂に1編成目のリニューアルが完了し、2001年12月29日に京都駅と大阪駅で記念の展示会が行われるとの事だった。どのような姿に変貌を遂げたか、とても興味があり、有効期間中の青春18きっぷを手に京都まで足を伸ばした。

豪華寝台特急トワイライトエクスプレス、エンブレム

車体に描かれたエンブレムと窓の下のラインも小リニューアル。

 京都で新快速から降り、トワイライトエクスプレスが展示されている7番線に向うと、もう既に人でいっぱいで、入り口の1号車からは順番待ちの人々で長蛇の列が出来ていた。鉄道ファンはもとより、年末年始の休日を楽しむ親子連れなどもかなり多い。相変わらすトワイライトエクスプレスに関心が高く、憧れているのだ。

 車体は化粧直ししたかのように、塗装し直され、つやつやと輝いている。深い日本海の海の色を表す深緑色の車体は以前と同じで、変化が無いように見える。だけど、細かい所を見ると”トワイライト”を現す窓の下に伸びる黄色の線は、細い白線で縁取られて、天使をかたどったトワイライトエクスプレスのエンブレムの輪郭が黄色になり、やや雰囲気が変わった。

トワイライトエクスプレス,リフレッシュ車両展示会入場票

無料で配られた入場票

 10分位待ってようやく、入り口になっている一号車の扉が近付いた。係員が記念切符のようなものを配っていて、まだ私は貰ってなかったから、お願いして受け取った。それは「トワイライトエクスプレス リフレッシュ車両展示記念 入場票」と書かれていてる記念切符のようなもので、リニューアル車両の車内などの写真も掲載されていた。ただで車内を見せてもらった上に、こんなお土産をもらえるなんて、嬉しいサービスだ。

 トワイライトエクスプレスの中でも特に憧れの的となっている最後部の展望スイートを含む1号車は残念ながら非公開になっている。こんなに大勢の見学者が居たら、人の流れが滞り、何かと支障が出てくるのだろうから仕方が無い。

トワイライトエクスプレス・2人用A個室寝台「スイート」(2号車)

トワイライトエクスプレスの
2人用A個室「スイート」(写真は2号車の方)。
1編成に2室しかなく、プラチナチケット
と化している。

 2号車に進むと、もちろん新車のようにピカピカだ。廊下には汚れ防止の紙が敷かれていて、どうなっているか窺い知る事は出来ない。

 2号車まん中に位置する、編成中2室しかない2人用A個室スイートの扉が開いていて、中には入れないが様子を見る事が出来た。広々とし、溜息が出そうな程の豪華で高級感のある室内は、まさにスイートの名に恥じない。展望は1号車最後部のスイートには劣る感はあるが、窓は大きく展望はかなり良さそうだ。ゆったりとしたベットや大型のソファーなどの設備は、もちろん1号車のスイートには劣らない。スイートの次に豪華な1人用A個室のロイヤルの布団は他の寝台と同じ白いシーツに包まれた毛布だが、スイートはホテルのような掛け布団なのはさすがだ。
部屋番号を示す札も洒落ている

部屋番号表示の札も変わっていた。
 廊下の壁には濃い色の木目調の化粧板が使われ、落ち着きのある重厚な雰囲気を醸し出している。不粋な車両間の連結部は見えないように覆われていて、細部に至までの配慮を感じる。

 部屋番号を示す札はあのエンブレムが描かれた洒落たものになっていた。

 人々が列をなして見学していて、窓から外を見るとまだ列が続いてる。流れが滞るので、じっくりと車内を見学したり写真を撮れないのはしょうがない。
トワイライトエクスプレス・1人用A個室寝台「ロイヤル」

1人用A個室寝台「ロイヤル」
 2号車のロイヤル車内。トワイライトエクスプレスのロイヤルには2回乗車した事がある。以前はオフホワイトの明るい色の壁で、ベットとソファーのモケットの色がピンクで、どちらかと言うと女性好みの洒落たデザインだった。

 リフレッシュ車では壁は木目調の化粧板で、モケットは紺色になり、洒落ているが、より重厚感が増した室内となった。部屋の構造こそは変わってないが、雰囲気は180度変わった。
トワイライトエクスプレス・食堂車「ダイナープレヤデス」

食堂車「ダイナープレヤデス」
 3号車の食堂車「ダイナープレヤデス」はきれいに改装され、カーテンがさっぱりしたのとテーブル上のライトが変わったなどに気付いた以外は、たぶんそれほど大きな変化は無かったと思う。パブタイム、ランチタイム、朝食でも利用できるが、やっぱりフルコースのデイナーを列車に揺られながら味わいたい。

 次の車両の4号車はサロンカー「サロン・デュ・ノール」。全席が日本海側に向いていて、窓が天井に達しそうな程大きく、日本海や北海道の展望が堪能できる。壁や内装は木目調で、ソファーのモケットは模様が入った淡い色に変わっていた。外からの光が差し込み開放感溢れるが、高級感も両立させた素晴らしい展望車だ。車端部には自動販売機とシャワー室がある。

 個室でプライバシーが保てるとは言え、ほとんどの時間を個室内で過ごすとしたら気詰なので、気軽に足を運んで気分転換できるスペースがあるのはありがたい。
トワイライトエクスプレス・2人用B個室「ツイン}
2人用B個室寝台「ツイン」
 そして次はB個室の5号車で、1人用で2人での利用もできる「シングツイン」、2人用「ツイン」の部屋が並ぶ。ここでも、木目調の化粧板に、ソファーベットが茶色と重厚的に仕上げ、高級感が増している。特にツインの方は、A個室のツインデラックスのようにも見える。

 B個室の車両が続いた後は「Bコンパ―ト」の車両だ。従来の開放型B寝台に扉を付け一応個室だが、切符はばら売りで他人と相部屋になるのは従来のB寝台と同じだ。もちろん4人で同じ部屋の切符を取れば、個室同様に他人に気兼ねなくプライバシーが保てる空間になる。こちらも他と同じく壁が木目調の化粧板になっていて、ベットのモケットは渋い緑色に変わっている。だけどこれだけの変化で見違えるほど豪華に見えるものだ。
豪華寝台特急トワイライトエクスプレスの専用機関車

トワイライトエクスプレス専用の
電気機関車機EF81。
 全ての部屋を見終え、外に出た。大津方にはトワイライト塗装の専用機EF81が連結され、多くの人がピンク色のトワイライトエクスプレスのヘッドマークをつけた機関車を撮影していた。鉄道ファンと思しき人達が運転室の横に群がっていて、何をしてるのかと覗いたら、運転士がスイッチなどを動かし、運転室の説明をしていたのだった。

 最後に室内を見学できなかった1号車を責めて外から見ようと最後尾に回った。やはり関心は高く、人だかりが出来ていて、入れ替わり立ち代りガラス窓に顔をくっ付けるようにし熱心に室内を覗いている。目の前に置かれた液晶テレビの裏側には「2001年製」のシールが貼られていた。

 この編成は早速、明日12月30日から運用に入り、残りの2編成も2002年11月までに改装される。多くの人々が鉄道旅行の楽しさを体験した豪華寝台特急トワイライトエクスプレスの今後益々の活躍の期待が持てそうだ。

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豪華寝台特急トワイライトエクスプレス・リフレッシュ車両展示会

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