北海道廃線跡紀行-7 根北線


根北線跡、幾品川第一橋梁

幾品川第一橋梁。斜里から見て
左側の橋。美しいアーチ橋だ。
根北線(斜里―根室標津)
 根北線は斜里と根室標津を結ぶ計画で、昭和12年に着工され、1回の工事中断を経て、昭和32年に11月10日に斜里-越川間が開通した。開通したはいいが、当時既に沿線は過疎化していて日本一の赤字線だった。越川以遠の工事は中止され、既存の区間も昭和45年12月1日に廃止されてしまった。

 開通しなかった越川から先に幾品川第一橋梁(越川橋梁)というコンクリートのアーチ橋が、廃線から30年過ぎた今でも遺され、廃線跡巡り愛好家の間では廃線跡のメッカといっても過言でない程の人気がある場所だ。

 斜里から越川まではほとんど畑になり、遺構も僅かとなってしまった。数年前までは斜里の次の駅の以久科駅の倉庫が農家の倉庫として使われてたが、1990年代の半ばに取り壊されてしまったという。

 下越川駅のあった辺りから山林の上り坂になった。上り続けると木々の間からアーチ橋の一部が見え,、すぐに全容を目にした。幾品川第一橋梁だ。均等な何連ものアーチが左手から優美にカーブを描き、道路の手前で途切れている。近づくと見上げるほど大きく、そして壮麗だ。古代西洋の水道橋を見ているようだ。

 右側にもアーチ橋がありこちらは1連のみだった。かつて2つの橋は繋がっていたが、道路工事のため取り壊され2つに分断されてしまった。左が水道橋ならこちら側は凱旋門のようだ。こちらの柵で囲まれたアーチ橋の下には斜里町が設置した橋梁の概略が書いてある案内板が設置されている。 

 橋の大きさは長さ147m、高さは21,7mで、 鉄筋等を使ってない、日本一のコンクリート橋だ。年月を経て傷みがかなり見られるが、斜里町が管理、保存している。1998年に文化庁の有形登録文化財に登録された。
[1997, 9月訪問]
引き裂かれたアーチ橋

引き裂かれたアーチ橋。両者は元々繋がって
いた。これは根室標津側から見た風景。
凱旋門のような右側のアーチ橋

斜里から見て右側のアーチ橋.。凱旋門の
ような佇まい。数台分の駐車スペースがある。
傷みが見られる

斜里から見て右側のアーチ橋。
年月を経て、やはり傷みはひどい。


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北海道廃線跡紀行(7)根北線

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