Junk Food Paradise 「秋ってのは、どうしてこう、罪作りなんやろうなぁ…」 呆けた面でそんなことを呟く友人の傍らで、火村英生は相変わらずな渋い表情で推理作家(成り立てほやほや…)の有栖川有栖を横目でちらりと一瞥する。 「栗に松茸…あぁ…っ!どないしよ〜っっ!」 「……って、お前、なに悩んでんだよ?」 「なにって、見て判らんのか!?おれは今、今夜のメニューを決めてんのやっ!」 今夜のメニューを決めてるって…コンビニでか? 云わずもがな…なその一言を、火村は敢えて口にするかしまいかと、些か考えたのだが……。 「栗ってのは、この栗御飯の入った弁当で…松茸ってのは?…ああ、これか。松茸入りの茶碗蒸。豪勢に全部まとめて買っちまえばいいじゃねぇか」 揶揄を込めて云った一言であったが、そんな微妙な火村の嫌味も、コンビニの食料品を物色する有栖には馬に念仏であった。 「そんな贅沢覚えてしまったら、明日からのおれの食生活は悲惨なもんになってしまうやないかっ!人間、贅沢を覚えたら下には落ちられへんっていうし…。あぁ…どないしよ。なぁ、火村…おれ、どうしたらええと思う?栗ご飯選んだんやったら、松茸入り茶碗蒸はあきらめた方がええと思うねん。松茸入り茶碗蒸選んでしまったら、こののり弁当に格下げした方が帳尻あうかなぁ…なんて考えてんねんけど…」 「580円の弁当と、150円の茶碗蒸を買って贅沢とか云えるあたりが、君の倹しい生活を垣間見るようで涙を誘うのは確かだが…」 そこで火村は言葉を切り、深く深呼吸をした。そうやって、馬鹿馬鹿しいことで真剣に悩んでいる有栖に、これ以上腹を立てないようにと努めているのだ。 「……だがな、有栖。俺が云いたいのはそう云うことじゃねぇんだよ。お前は何時も何時も、こんなもんばっかり食って生活してるのか?」 「……こんなものってのは、どんなもんなんや?」 何も判っちゃいない有栖は、相変わらずのマヌケ面でそんな質問で切り返してくる。 「つまり、来る日も来る日もコンビニ弁当で腹を膨らませてるのかって訊いてるんだよ」 「まさかぁ〜!」 その一言で多少はほっとしたのも束の間……。 「そんな贅沢、しょっちゅうなわけないやないか〜!弁当は週に多くて3日ってところや。残りの4日は、レトルトかカップ麺に決まってるやないか〜!」 当たり前のように…そして恐ろしく朗らかに微笑いながらそう云った有栖に、火村はブチ切れる寸前であった。 「そんな粗末な食生活ばかり続けてるから、お前の小説は栄養過多の栄養失調で脳味噌に充分な栄養が回らずに与太話になるんだよっ!」 思わずそう叫んでしまった途端、それまでは夢見るように瞳を輝かせて弁当の陳列棚に心を奪われっぱなしだった有栖の形相が一転した。 「……な、なんやねん、それ……。ちょっとひどくないか?幾ら火村でも、そりゃちょっとひどいやろうっ!」 「ひどいのはお前の食生活だっ!」 「アホっ!リーズナブルな上にお手頃価格。おまけに美味しいときた日には、コンビニ弁当サマサマやないかっ!それのどこがひどいっちゅーねんっ!」 「身体に良くないつってんだよっ!」 「ええも悪いもあらへんっ!君は食わず嫌いやから判ってへんのや。コンビニで買える食品ってのは大したもんなんやで?今時期なんか、ポテチかて限定品やねんからっ!これがまた美味いのなんのって…。あ、そうや。夜食にアラポテトも買うて帰えろ〜っと」 「コラ待て、バカ有栖っ!」 有栖が折角籠に詰め込んだスナック菓子を、火村はその瞬間に棚へと戻した。 「人の食生活に口出しすなっ!ほっといてくれっ。あ、そうや、火村知ってるか?今、冷凍の焼きそばとかあんねんで?あれ、スゲーんやでっ、水いらないし電子レンジでチンするだけやもんっ!」 そう云いながら、有栖はめげずに冷凍コーナーへ走り、件のチンするだけの焼きそばを籠の中に放り込む。 「だからやめろって云ってるだろうっ!」 判っている。こんなのは、いたちごっこだ。今の有栖に、添加物がどうとか栄養のバランスがどうとか云っても埒があかない。 判っちゃいるが…止めずにはいられないのが火村の心情であったのだが……。 「大体お前、俺の煙草を買うのにちょっと付き合って此処まできただけだろう!?だったら大人しく俺が煙草買うまで待てってっ!」 「え〜っ!折角コンビニまでやってきたんやから、買い物させてぇな〜」 「食料品の買い物なら明日、近所のスーパーでまともな物を仕入れろっ!」 「コンビニ食品の何処があかんねんっ!」 「兎に角俺の云う事をきいてりゃいいんだっ!」 「なにそれっ!めっちゃ横暴っ!ひどいぞ、火村っ!」 「ひどいのはお前の頭の中身だ!」 「おれの人生やっ!おれは食いたいもん食って早死にするならそれでもええねんっ!君かて、明日にでも肺ガンになってもおかしないほど煙草喫ってるやないかっ!なんならあれか?君は、おれが煙草やめれつったら、やめられるんか?」 折角人が心配してやってるのに……。 「大阪人の慎ましやかな心情なんか、君に判るはずもない!」 火村も有栖も、自分たち以外には全く眼中に入らない様で、何かしらの目的をもってこのコンビニへ足を運んだ店内の人々や、店員たちが、彼らの訳のわからない喧嘩を遠巻きに見ているのにも気づいていないようだった。 「もういいっ!お前みたいな判らずやの面倒なんか見てやるもんかっ!これっきりだ、金輪際お前の世話などしてやらねぇからなっ!」 「なんやねん、それっ!おれはこんなささやかな贅沢も望んだらあかん人間なんかっ!?」 「煩いっ!」 「煩いってなんやっ!人の話を聴けっつーにっ!…つーか、火村が云うてるのは〃絶交〃ってことなんか?」 「ああそうだっ!じゃあなっ!」 大の大人が何を言い争っているのか、とにかくふたりともひどく険悪なムードであることだけは確かだった。 そしてコンビニで喧嘩を繰り広げた片割れの男は、さっさともうひとりを残して出て行ってしまった。 だいたい、いい年の大人の男たちが〃絶交〃とは何事なのだろう……。 その場に居合わせた店内の店員や客たちはみな、同じことを思ったに違いない。 自然、店内にいた人間の視線は、取り残されてしまった男に集中してしまった。 「……ったく、あのいけずがっ!おれは食いたいもんは食うんや。人生なんて一度きりやねんから。細かいことをうだうだと考えながら行動するなんて勿体無い。だいたい、あいつはカルシウム不足やねん」 そんなことをブツブツと呟きながら、彼は手にした店内のお買い物カゴにカルシウム入りのウェハースを放り込み、 「きっとビタミンも不足がちなんや。何時もあんなに煙草を吸うから。だからあいつの肌はガサガサしてるにきまってる」 そう云った先で、彼はビタミンC入りの飴をカゴに放り込み、更に 「食わな損や。そうや、そうに決まってる。…あ、これ新発売かな?あっ、これもっ!ええ〜っと…これも食ったことないなぁ…。それからこれとそれとあれと…」 などとブツブツ呟きながら、彼はさまざまなカップ麺、レトルト食品、スナック菓子、チョコレート類等々を手当たり次第にカゴの中に放り込んでいった。 ウキウキしながら結局は店内のお買い物カゴを二つもいっぱいにして、それらを抱えてレジの前にやってきた彼を、誰もが好奇の目で見つめていたことを、勿論、当の本人である彼だけは気づいていなかった。 「お会計は、……14637円です」 学生アルバイトらしい若いニーチャンはなるべく表情を変えずに彼にそう告げる。 尻のポケットに押し込んでいたクシャクシャの一万円札二枚を差し出され受け取り、その皺を伸ばしながらレジに収め、おつりを渡しながら、コンビニでこんなに沢山買い物するのなら、いっそスーパーなどへ行って買った方がずっと経済的だろうに…などと思っているアルバイト君の心の声など、当然、目の前の彼には聞こえるはずも無い。 コンビニの買い物袋に三つ分の商品を持って、彼がこの店を出るその瞬間まで、彼の背中を誰もが追っていたことを、勿論、彼だけは気づいていなかった。 夕陽ケ丘にある有栖のマンションからあのコンビニまでは歩いて三分といったところだろう。その短い距離を、有栖は右手にひとつ、左手に二つのビニールを抱えて歩く。 そもそも喧嘩の原因は、火村が、有栖が買おうとするものに一々文句を云ったからだ。 有栖にしてみれば、火村の言い分は意味が判らない。便利で美味しくてお手軽で、何が不都合だというのだろう。便利な現代社会に馴染めない不器用な男め……。 食べたいものは食べたいと思っている有栖に、火村の言葉など通用するはずは無い。もう随分長いこと一人暮らしを続けていて、それでも有栖は自炊のクセはついていなくて、何時もこんな食生活なのだから仕方がない。火村は片付けは、とにかく出来ないだらしの無い男だが、何故か料理だけはまめにしてる。そんな男と一緒にされては困るのだ。こういう便利な食材に頼らなければ餓死してしまう。 そんなわけで、ふたりは人目も憚らずに喧嘩を始めて、そして火村は出て行ってしまった。 食品添加物がなんだとか、塩分がどうのとか、栄養がなんたらとか、そんなことを言い続けていた火村など無視して、有栖がカゴにあれもこれもとジャンクな食材を次から次へと放り込むのに呆れ、そして火村は出て行った。なんて大人気ない男なんだろ。もう少し冷静に話が出来るやつだと思ってたのに……。 そんなことをうだうだ考えながら夜道を歩く有栖はそれでもほんの少しだけ後悔した。バカ買いしてしまったありとあらゆる食材が重過ぎて、白いビニール袋が掌にぐいぐいと食い込む…。重い…手が痛い……。 こうなることが判っていたから、京都からやってきた火村が煙草を買いに行くと云った時に便乗して自分もついて来たのだ。勿論、あの男に荷物持ちを手伝わせる為に。 その役目を放棄して(と、有栖は勝手に思い込んでいるだけだが)出て行った火村を恨みながら歩く有栖のそんな気持ちが逆恨みだというのも、勿論本人は気づいている。…気づいているが、気づかないふりをした。 癪だから。自分が悪いなんて、認めるものか。 聴き様によっては、さももっともらしいことを云う火村だが、しかし彼の食生活だって有栖と大差無いのは知っている。ふたりの母校である大学で教鞭を執るあの男が、自分の食生活に気を配れるほど優雅で穏やかな人生を歩んでないのは百も承知だ。 そのくせ、有栖には色々と文句を云うのだ。それが気に入らない。 自分のことを気にかけてくれているのは判るのだが……素直になれないのだ。 「……それにしても…ほんまに帰ってしもうたんかなぁ…」 コンビニで買い物をしていた間は良かった。こうやって、高々三分の道のりの我が家に近づくに連れて、大人気なかった自分の言動に、幾らかは反省し始めてしまった有栖である。 「……いやでも…おれ、絶対に自分からは謝らへんしっ!」 コンビニの買い物袋を両手に吊るしながら、有栖はとぼとぼと歩き、独白した。 当たり前だが、マンションの駐車場に火村のベンツは無かった。忽然と消えていた。本当に、京都へ帰ってしまったらしい……。 「ちくしょう……」 食ってやる…食って食って食い散らかしてやる! あの男が食うなと云ったジャンクフードを、有栖は部屋に帰ってから狂ったように食いまくってやった。殆ど腹いせのように……。 † 翌日の夕方のことである。訪問客の予定など無かった有栖の部屋のインターホンを鳴らす者が現れた。 「―――よう」 火村だった。昨夜、怒って帰ってしまった男だ。何故か、その両手に大量の荷物を持っていた。 「……なんやねん」 何処か具合の悪そうな有栖の様子に、火村は僅かに眉間に皺を寄せた。 「どうしたんだ?調子悪いのか?」 昨夜、火村との喧嘩が原因で自棄食いし、そのしっぺ返しで胃が痛い…などとは死んでも云えない有栖だった。 「……うん…まぁ…ちょっと」 曖昧に答えながら、有栖は部屋の奥へと歩いていった。ふらふらとした足元が危なっかしい。 有栖について部屋に上がり込んだ火村は、そのキッチンの惨状に眼を剥いた。 「……………………」 一瞬、言葉も消え失せた。レトルトやら袋菓子やらカップ麺やらアイスやら飲料水の空のペットボトルやら…食い散らかした残骸がキッチンだけでなく、リビングの床にも散乱しているではないか。 「……み、皆までいうな…。反省してんのや、これでも……」 胃を押さえながら、有栖は悔しそうにそう呟いた。 「たった一日で?……これだけ食ったっていうのか?」 「せやから、なんも聞かんといてくれ!」 叫んだ途端、有栖はうぅ…と低く唸り、胃を押さえて蹲った。 「そりゃ、腹も壊すぜ……」 呆れながら呟き、胃痛に呻いている有栖の貌をマジマジと覗き込んでやった。 「あ〜あ。吹き出物まで出てきてやがる」 「み、見んな〜!」 高カロリーなものばかりの暴飲暴食が祟り、朝眼が覚めたらぶつぶつと顔のあちこちに出て来てしまった吹き出物を隠すように、有栖は貌を覆った。 「……腹減った……」 「はぁ?」 苦しそうに呟く有栖の言葉が信じられず、火村は一瞬、間抜け面を曝してしまった。 「……昨日の夜から食べ続けてたけど…それから今日はまだ、なんも食ってへんのやもん。けど…腹減ってても、怖くてもう、何も食えん……」 何処まで意地汚い奴なんだ……。 呆れと共に溜息をつき…しかし火村は有栖に云った。 「消化の良い物を作ってやるから、少し待ってろ」 「武士に情けは無用……」 「……とかくだらねぇこと云ってる余裕があるなら、この食い散らかしたゴミを拾って歩け」 云い様、火村は有栖にゴミ袋を投げつけた。 恨めしそうにカーペットの上で蹲ったまま、有栖は男を睨みつけてやったが…結局、素直に従うことにした。 「おおっ!これは、卵のおかゆか!?」 暫く待って出来上がった料理を前に、有栖は大仰なくらいに驚いてみせた。 「米から炊いたから美味いぞ」 「一度炊いた飯から作るのと違うんか?」 「らしいな。面倒でもおかゆは、米から炊いた方が栄養価も高いし消化も良いらしい」 「ふ〜ん。それにしてもおかゆなんて何年振りやろう。頂きます!」 火村とは違い猫舌ではない有栖は、湯気の立つおかゆをガツガツと食べ始めた。 「美味い!君、将来良い奥さんになれるで」 「……お前は、うだつの上がらねぇグウタラ亭主決定だな」 火村の揶揄などちっとも気に留める余裕すら無いようで、有栖はひたすら食べていた。 「昨日のことだがな……」 そんな有栖を呆れながら見つめていた火村だったが、ぽつりと云いかけた。 「あれは、俺が悪かった」 「……へぇ?」 殆ど犬食い状態で茶碗の中身をかっ込んでいた有栖は、ひどく不思議そうな顔で火村を見た。 「そもそも、お前を相手にあんな説教を垂れた俺が愚かだったんだってことに、漸く気づいたよ」 ―――――ちょい待ちっ! 胸の裡で叫ぶが、そんな有栖の心の叫びなど聴こえない火村は、構わず喋り続ける。 「人並みの常識すら知らねぇアリス相手に。俺としたことが……この通り、謝るよ」 「ちょ…ちょっと待ちいや、火村……?」 キッチンのテーブル越しに向い側に座っている男は、深々と頭を下げた。 「俺の、認識不足だったな。理解しているようで、まだまだだった。お前って、学習能力ねぇもんな。こうやって、ジャンクフード食い散らかして体調崩したって、きっと一週間もしないうちに又買ってきて同じこと繰り返すような奴だよ。そんな奴相手に俺が向きになってもなぁ……。ホント、俺が悪かった」 「つーか、ちょっと待て、火村!」 我慢しきれずに、有栖は叫んだ。 「そんな理由で君に謝られたかて、なんかおれ、ムッチャ気分悪いわっ。なんやの、それ?おれってそんな阿呆か?そんなノータリンなんか?」 「……おや、自覚も無かったか」 当たり前のようにサラリと云われてしまった……。 「なんにしろ、俺が悪かったよ、アリス」 温厚な口調で、何処か嗤いながらそんなことを云われると……もう、こっちは怒るのも恥ずかしいではないか……。情けない。謝られて情けなくなるなんて、生まれて初めてだ。 どういうこと?それって、どういう意味なわけ?ノータリンなおれ相手に人並みな常識を持ってきてもダメだった。そんな要求をした火村が馬鹿だったって?情けない……。情けなさ過ぎる……! いっそ、怒りも一気にしぼんでいった。空気の抜けた風船宜しく、有栖は意気消沈して思わず脱力してしまった。 「……てぇわけで。これ、俺からの謝罪の品々」 そう云って、火村は持参した荷物を有栖の前で広げた。 「……これ、なに?」 「お前が好きな〃チン〃するだけで食える食料アレコレ」 フリージングパックに詰められた食料品は、どう見ても手作りのものだった。 「……これ、どうしたんや?」 「俺が、作って持ってきてやったんだ」 「君が……?」 「ああ」 満足気に笑いながら、火村は頷く。 「ざっと二週間分くらいは用意してきてやったぜ。電子レンジで解凍するだけでOKだから簡単だろう?」 「……おれ、この年になってまで、君にそこまで心配されなあかんくらいひどいんか……?」 「こういうのを食い続ければ、学習能力の無いお前でも、何時かジャンクフードなんて食えたもんじゃないって覚えるさ。先ずはその粗末な舌を肥えさせてだなぁ……」 薀蓄を語り出した火村の言葉も、殆ど聴いてはいなかった。 ただ有栖は決心したのだ。 もっと…もっと大人になろう。もっと立派になろう。もっと、しっかりしよう……! 心配されながらも、どこかできっと馬鹿にされているのだろうということを、漸く知った有栖だった。 「なぁ火村……これ、嫌がらせとかそういうの?」 「おっ、今日は察しが良いな、アリス」 にこにこと不気味に嗤う男を目の前にして、有栖は誓った。 せめて、火村に馬鹿にされない食生活…いや、生活環境を目指そう。 「……ご親切におおきに……」 情けなさ一杯で、有栖はフリージングされた火村の手作り料理を冷蔵庫に仕舞い込んだ。 「あ、アリス。それだけじゃ野菜不足になるから、野菜だけはこまめに自分で買って摂取しろよ」 「――――どうも…重ね重ねご丁寧に……」 優しい友人の嫌がらせを、有栖は涙を流しながら感謝した。 【END】 -Up- 2002.03.23 7:45am |