僕は太陽の獅子

 俺は月光の虎

僕たちはいつもいっしょ

俺たちはいつまでもトモダチ

僕は自分の姿が見えないけれど

俺がお前の姿を映してやる



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 ここは薄暗い灰色の空間。壁の色は白い大理石のようなもので作られてて、
その中は機械が張り巡らされているハズだ。

「あのー、もう服着て良いですかー。」
 僕は少し離れた透明上の壁。淵のない埋め込まれた
硝子窓の向こうを見て大きめ声を出した。
まあ、集音器があるからホントはその必要ないんだけど。

「そーだぜー。いい加減風邪引いちまう。」
 相方のフェルネ。僕はフェルって呼んでいるけど、
彼が欠伸をしながら手を伸ばしている。

「バカは風邪ひかな・・・」
 ガッ

「ぃぃったあああ!!!痛いじゃないか、フェル。」
「うるせ!自業自得だろ!」

 うう。フェルに叩かれたところに手をやってみると
大きなタンコブが出来ていた。

「傷のせいでココだけタテガミ生えなくなったらどうするんだよぉ。」
 瞳に涙を溜め、叩かれた場所を押えながらフェルに詰め寄ったけど
明後日のほうを見て口笛なんか吹いてる。

「お前女っぽいからどうせ生えねえよ。」
 はにかんだ顔ですらすらと暴言を吐くフェル。
そ、そりゃあ未だにタテガミの片鱗すら生える様子もないし、
友だちなんかごにょごにょの毛生えた、って自慢してるけど
自分の股見ても昔と変わらない、柔らかく流れた毛並みだし・・・。

「あ、御免御免。悪いけど、もう少しデータを取らせてくれないかな。」
 ガラス窓の向こうに居る狼種人研究員の人の影が動くと
研究室内に設置されたスピーカーから声が聞こえてきた。

「へいへい、りょーかいしましたぁ」
 ヒドイ事を言ったフェルにもっと詰め寄ろうかと思っていたのに
手をぱたぱたと振って再び試験法円の内に逃げられちゃった。

「お前も早く来いよ。直ぐ終わらせよーぜー。」
 縞々の尻尾を立てて笑顔で手招きをするフェルの顔を見て
僕はやれやれという気分になった。本当にこういう日常とは離れた体験
が好きなんだなあ、と思ってさ。尻尾立ってるし。

「分ったよ。」
 少しひんやりとする大理石みたいな床をぺたぺたと走りながら
後頭部のタンコブを撫でる僕。



・・・タテガミ。ちゃんと生えるよね・・・。