東京国立博物館 ほしいものカタログ


京都と奈良の国立博物館には行ったことがあるのに、自宅から一時間もかからない東京の国立博物館には行ったことがないというのはいったいどういうことなんでしょうか。


そんなわけで、ということもないけれど、今日はなんだか朝から元気だったから、ふと思いついたことを行動に移してみまして、梅雨の晴れ間の暑い々々真昼にやってきました東京国立博物館。でもほかにも用事があったから、制限時間は2時間として、とりあえず今日は本館を制覇しようかねと、ロビーからものすごく幅のある大階段を上がって展示室を1番から順に日本の美術史の展開を観覧して……、2階だけで3時間かかってしまいました。
たしかにずいぶんたくさんの人が通り過ぎていった気がするけれど、それは周りの人々のペースが速すぎるのか、私のペースが遅すぎるのか。でも解説があったら読まずにはいられないし。


土器の模様や大型の埴輪を見入ったり、仏像の金箔の残り具合を気にしてみたり、奈良国立博物館ではまった紺紙に金字で書かれた経に見入ったり(これだけでもオオッと思うのだけれど、色とりどりの紙に金字銀字などで書かれた経がそろっていると壮観です。奈良の展示で強烈に印象が焼き付いている品の一つ)。

刀剣はもちろん長刀や槍の切っ先の鋭さにドキドキしたり。

書の手跡を個人的な好みで判断してみたり。私の趣味は歌合切(うたあわせぎれ)の伝藤原為氏(ふじわらのためうじ)筆のもの。縦長な書体が優雅で好きです。




途中には休憩室もあるのですが、そこの意匠がまたステキ。特に重厚感のあるカーテンレールがステキすぎ。使われていないのがもったいない。それから以前はきっと耳に当てる部分と話す部分とが分かれていてそれぞれラッパ型になっている旧型の電話器が設置してあったのだろう構内電話の木枠が歴史を感じさせます。今おいてあるダイヤル式の黒電話も十分旧型の電話器ですが。


レプリカでいいからうちにも掛け軸が欲しいなぁと思ったり、レプリカでいいから扇形の向かい鉢が欲しいなぁと思ったり、ついでに透文皿(すかしもんざら)も欲しくなったり。無印良品あたりで、白地の扇形の向かい鉢、柄なしのシンプルな透文皿、なんてどうでしょう。


レプリカでいいからうちにも原寸大の屏風欲しいなぁと思ったり。不意の来客から散らかったスペースを隠すついたてとして、現代でも使えると思うんですけどどうでしょう。


レプリカでいいからうちにも蒔絵やら螺鈿細工やらを施した……硯箱もいいけど携帯用箪笥がよかったな。

こちらは両方とも香道のためのお道具セット。右のなんてかわいい工具セットみたいですが、香木を切ったり削ったりするんでしょうよ、きっと。箱はもちろん道具にも見事な蒔絵や螺鈿細工が施されています。

蒔絵は道具類だけではなく、仏像にも施されたりしています。着物の襞のところに、よくもまぁ施したものだと、いい意味であきれずにはいられません。職人魂っていうんでしょうか、よくやるよねぇ。


仏像の後ろのシルエットもステキ。

旧江戸城写真帖も展示されていました。もちろんフラッシュはたかずに(というか全ての写真にフラッシュは使ってない)、オートフォーカスの光も当てないようにして、撮りました。プリントは、鶏卵紙、と紹介されていました。つまり印画紙に卵白を使った加工が施された(アルビューメンペーパー)、アルビューメンプリント。

『牙彫(げちょう)髑髏置物』です。象牙彫刻です。第二回内国勧業博覧会で名誉賞牌を受賞、だそうです。工芸の腕を競って作られた一品、なのだと思います。



躍動感溢るゝ馬の彫刻。失礼ながら下から覗き込んでみてもみごとです。ついでに保存記録の為の票が貼られていたりするところも興味津々。

などといろいろ夢想しているから時間がかかってしまうんだろうなぁ……。最初に書いたとおり2階だけで3時間、翌日1階を見るのに2時間半。どの日も最後は疲れてほとんど駆け足状態で展示を通り過ぎました。京都に行ったときも奈良に行ったときも、最後は駆け足で見ていたから、まぁしょうがないといっちゃしょうがないが、でも東京はすぐ近くだから何度でも気軽に行けるし、まあいいか。ただ建物の数も多いから、とりあえず展示換えは考慮に入れずに、何回行けば一通り見て回れるんだろう。会館から閉館までいればいいんだろうけど、絶対途中で体力の限界が来ると思うし。博物館を出てから何度足がつりそうになったか。(2006年6月29日)

