| LASIK体験 樫原 祥行 |
「あ、テレビが見える。何で?メガネは…そうか!」 これが私のLASIK術翌日の第一声でした。 目覚めてすぐにメガネ無しでテレビがはっきりと見える。 36年間の人生で20数年間忘れていた(殆ど経験していないに等しい)感覚でした。 2000年6月5日 手術当日は来院してすぐに点眼が始まり、手術室の前で座っていましたが、メガネを外していた為ガラス越しの手術室どころか周りが余り見えていない状況で、何となく不安になります。 「樫原さん、樫原 祥行さん」看護婦さんから名前を呼ばれ、白内障用の手術室のベッドへ。「目を洗いますからね、しみますよ」 これは本当にしみました。まぶたを開けられないような感じですが、「はい上を見て、はい下。頑張ってください」そうか、やっぱりこれって手術だったんだよな…恥ずかしい話ですがこのとき改めて実感しました。 「はい、ご苦労様。たぶんこれが一番痛いと思いますよ」 「はあ…(そんなものなのかな)」 部屋から出て再び椅子へ。今度は完全に「次は僕だ、次は僕だ…」 で心臓がバクバクしています。 「樫原さん、樫原 祥行さん」来ました。少々上ずった声(?)で 「はい…」 ![]() 手術室のベッドへ横になり、目にドレープが掛けられます。 違和感があります。睫毛をテープで留められるというのはこういう感じだったんだ… 続いて開瞼器ですが、これは思った以上に不快でした。何と言うか、 今にも目尻が裂けそうな痛み、それが一瞬ではなく持続するのですから。 「うん、大丈夫大丈夫。」清水先生の声が聞こえます。 「ああ、大丈夫なんだ。」先生の声がこんなにも嬉しく聞こえるとは知りませんでした。 眼球にサクションリングが乗り、吸引が上がっていきます。 「どう?目の前真っ暗になってきた?」 「はい、暗くなってきました」本当に段々と真っ暗になっていきます。思ったほど痛みはありませんが、何となく… 「じゃ切開します」ガスタービンの音は思ったほど聞こえませんでした。 それよりもやはり角膜を何かが(ブレードなんですが)耳側から鼻側へ動いているのが分かります。 「はい。フラップ完成」で吸引が止まりました。ですが目の前は文字通り「ボヤッ」としています。そのままでフラップが捲られるとレーザーの固視灯の赤色も完全に滲んでいます。 不安になる暇もなく「レーザー照射」が始まります。「カンカンカン…」と連続音が響きますが、面白かったのが、段々と固視灯が「ハッキリ」見えてくる事です。そして照射後フラップを戻したその瞬間、「あ…」と声が出るほどハッキリと見えました。 先生には後日「でもあのときには視力0.2位なのにね」と言われましたが、あの瞬間のことはやはり忘れません。 同様に右眼も終了し「はい、終わったよ」 同時に「ふううう…」やはり緊張していたのでしょう。声が出てしまいました。 その日1日は出来るだけ目を使わずに(仕事をせずに?)すごしましたが、やはり先生から言われていたように、目を開けるのが少々辛かったのも事実です。 これは個人差もあるのでしょうが、私は「手術の後なんだ、安静にしないと!」と神経質になっていたのかもしれません。 夜になって眼を開けることは何ともなくなったのですが、やはり裸眼で焦点がいまいち合いません。「これは、何となくだけど0.6くらいかな?」などと独り言を言いながらも「早く寝よっと」で9時には寝てしまいました。 このときは正直言うと「明日が楽しみ」「どのくらい見えるのかな」が半々くらいでした。(先生済みません!) で、最初の「テレビが見える!」となる訳です。 本当に、人生観が変わりました。 メガネ無しで物が見えるって言うのはこんなに素晴らしい事なんだと実感しています。 皆が皆と言う訳ではなく、私の場合、術前の状態も良かったのでしょうし、何と言ってもこちらでやって頂けたのが最大の要因でしょうが、今では、私と同じように近視を悩みとしてお持ちの方がお一人でもこの経験を共有できればなと考えています。 6月6日 9時過ぎに術後診に伺う。 本人としては「見えている」意識はあるが、本当はどうなんだろうか?視力検査で「あれ?」という事にはならないだろうか? 何だかんだで不安が募ります。 と言うのも、目には何となく軽い異物感があるようで、瞬きすると若干違和感が残っています。 これは結局術後10日間ほど残ったように思います。今考えると、実際は多分に心理的要因が高かったのではと思います。と言うのも術後、会う人皆から「メガネがないと何となく表情が変だね」を連発された、2歳半の息子からは「メガネは?メガネは?」と聞きまくられた、という2点が本人をして「目がなんかおかしいのかな?」という意識過剰に陥らせていたのでは?と考えます。 と色々な思いとは裏腹に検査結果は「はい、1.0と1.2出てますね」 「やった!やっぱり見えているんだ。手術を受けてほんとに良かった。」と、何と単純な人間なんだろうと実感しました。 その後の診察では先生から「ああ、乱視もきれいに消えてますね」 この一言です。乱視を持っておられる方々はお分かりになると思いますが、この乱視が取れると言うのが非常に大きいんですよね。 「気分良く物が見えるため」には。 6月9日学会での仕事中にもかかわらず、朝から診察へ。 自分としてはメガネ無しの顔に慣れつつあるものの周りの評判はあいも変わらず「なんか、顔が落ち着かないね」「あ、気づかなかった」など等… 診察は無事何の問題もなく終了。 学会中、清水先生にお会いでき、「どう、調子は?」「はい、バッチリです」の後、先生に誘われるまま某器械メーカーの展示ブースへ。 「悪いけどちょっとスリット使わせてもらえる?彼、僕の患者なんだ。LASIKの術後診やるから(笑い)」 周りを業者の方に囲まれるようにしてスリットの前へ、 「うん、きれいきれい。OK。点眼はちゃんとまめにさすようにね」。 周りからは軽いどよめきが… 6月13日 この日くらいから例の違和感が薄れてきました。それとともに日中の時間経過による見え方の差も無くなりつつあります。 なかなか言葉では表現しがたいのですが、私の場合、朝起床直後から時間経過とともに焦点がハッキリしてくる印象があり、2時間程度で落ち着いていました。 それがこの頃から違和感とともに消失し、目覚めと同時に明確なヴィジョンを確保できる様になりました。 「ああ、手術直後は今から考えると、視力ではなく視質(?)みたいなものが今ほどではなかったのかな?」とも思います。 |
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