院長のコラム
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2014年09月16日
2014年9月11日(木)〜 9月14日(日)
場所:東京フォーラム

参加者:日本口腔インプラント学会会員、歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士

2014年9月11日(木)、第44回日本口腔インプラント学会学術大会で、有楽町にある東京フォーラムにて、ケースプレゼンテーション発表を行いました。
私にとって今回の経験は大変有意義なものとなりました。留守を守ってくれたスタッフをはじめ、たくさんの方々に大変お世話になりました。心から感謝したいと思います。
タイトルとして、「下顎左側遊離端欠損に対してインプラント補綴治療を行った一症例」です。発表の内容は以下に述べます。



T緒言:
下顎片側遊離端欠損症例の補綴治療には可撤性部分床義歯による治療が選択
されることが多い.しかし,可撤性義歯の不便さ,装着の違和感などから未装
着となることが多い.そこで,今回下顎片側遊離端欠損症例の患者に,インプ
ラント補綴治療を行うことで口腔機能を回復し,良好に経過した症例を経験し
たので報告する.

U症例の概要:
患者の年齢性別: 55歳・男性
主訴: 左下567欠損部に装着した可撤性部分床義歯の不適合による咀嚼障害
現病歴:
2006年ころに,他院で左下57残根上の可撤性部分床義歯を装着したが,
違和感が強く,義歯の使用を自意で中断した.
しかし,咀嚼しづらいため2007年3月当院を受診した.
既往歴: 特記事項なし 
現症:
全身所見: 特記事項なし
口腔外所見: 顎関節に異常なし.開口障害なし
口腔内所見: 両側に下顎隆起が認められる.咬合状態に異常なし
口腔衛生状態は良好.
諸検査結果: 残存歯の歯周組織の状態は,歯周組織検査の結果,歯周ポケ
ットの深さが2〜3mmで,出血もなく,良好な状態であった.
左下567欠損部の歯槽堤に異常な吸収もなく,粘膜は健康色
を呈していた.
診断名: 左下567欠損による咀嚼機能障害

V結果:
治療方針・治療計画: 左下57抜歯.左下567インプラント治療
インフォームドコンセントの内容:
欠損部の治療に対し,インプラント治療と他の可撤性義歯などの治療法の
利点,欠点等を十分に説明し,患者はインプラント治療を選択することに
理解・納得・同意した. 
治療内容・治療手順・使用材料など:
  2007年3月左下57抜歯.
2008年3月にアストラテック社製インプラント,直径5.0mm長さ11.0mm
を左下5欠損部に1本,直径4.5mm長さ11.0mmを左下67欠損部に2本埋入し
た.
埋入から約6カ月の経過観察後,2008年9月に暫間被覆冠を装着した.
咬合の安定を確認した後,2008年11月陶材焼付鋳造冠の上部構造を仮着
用セメントにて装着し,パラファンクションを予防するため,ナイトガード
を装着した.

W考察および結論:
術後経過・メインテナンスの状況・インプラントの状態:
装着後5年4カ月が経過したが,インプラント周囲に骨吸収像は認められず,
経過良好で機能的および審美的にも満足が得られている.
現在まで継続的にナイトガードを使用し, 3カ月ごとのメインテナンスを
行っている.
考察:
遊離端欠損症例に対する治療としては,インプラント治療または可撤性義
歯がある.これまでの報告でインプラント治療の方が,鉤歯や隣在歯への負
担や違和感が少なく,残存歯の保護にも有用であるとされている.
本症例における主訴は,義歯の不適合による違和感であり,これを改善す
るためにインプラント治療が選択され,患者の満足感が得られた.
結論:
   遊離端欠損症例に対する咬合回復の方法として,インプラント治療は有用
であると考えられた.
X参考文献:
 公益社団法人日本口腔インプラント学会編. 口腔インプラント治療指針2012,
東京:医歯薬出版,2012

2014年06月04日
2014年6月号なんぽろ広報 
加藤歯科 院長 加藤久尚 「口腔ケアで誤嚥性肺炎を予防しましょう」
長年通院してきた患者さんの中にはお身体の具合が悪くなるなどの理由から、訪問診療を依頼される方も多くなってきました。訪問診療で気付くことは、患者さんの口腔衛生状態が低下し、歯周病などの口腔感染症が多くみられ、さらに飲み込みに問題があるために「誤嚥性肺炎」を繰り返す患者さんが多いことです。

「口は病気の入り口、魂の出口」という言葉があります。お口はすべての臓器の入り口であり、お口が汚れているとあらゆる病気に結びつく事は容易に想像出来ると思います。その病気の代表的なものに「肺炎」があります。日本人の死亡原因として、「がん」「心疾患」に次いで3番目に多いのが「肺炎」です。とくに、高齢者では食べ物や口の中の細菌などが誤って肺に入って発症する「誤嚥性肺炎」が多く見られます。

高齢者に「誤嚥性肺炎」が多いのは、加齢と共に物を飲み込む嚥下機能が低下するためです。通常、歯でかみ砕かれた食べ物は、舌の動きによって口の奥に運ばれます。飲み込む瞬間は、食べ物が誤って気管に入らないように、無意識に呼吸を止めています。けれども、この呼吸のコントロールがうまくいかなくなると、吸い込みながら食べてしまうようになって誤嚥が起こります。

「誤嚥性肺炎」を防ぐポイントは2つあります。
1,お口のケアの専門家である歯科衛生士が、週1回のペースで、お口を清潔にする
2,お口や舌の体操などの口腔リハビリによって嚥下機能を維持させ、低下を防ぐ
ことです。
1と2は「口腔ケア」と呼ばれ、歯科衛生士が担当します。しっかりと口腔ケアを行い、「誤嚥性肺炎」を防ぐお手伝いができれば、これほどうれしいことはありません。
2013年07月03日
2013年6月19日(水)11:00〜11:30 
場所:南幌町立南幌小学校 コンピューター室
参加者:教育委員会および保健福祉課の行政関係者、南幌小学校養護教諭

南幌町の児童生徒の虫歯の状況を把握するため、南幌町では2005年から小学校、2006年から中学校の学校検診結果のデータをとりまとめてきました。昨年2012年までの結果を教育委員会、保健福祉課の行政関係者や南幌小学校養護教諭に南幌小学校の学校歯科医である私(加藤)から講話という形式で30分ほどお話をさせていただきました。

講和の内容は、以下の通りです。
1、口の中の環境と全身との関連 
2、う蝕(虫歯)の成り立ちと予防の重要性 
3、学校歯科検診結果 
4、フッ化物洗口とう蝕(虫歯)予防の事例

歯と全身の健康は密接な関係があり、QOLを維持するためにもお口の健康を守る事は大切です。虫歯は誰にでもある病気のように感じている方も多いかもしれませんが、ワシントン大学元教授 のロイ・ページ先生は「虫歯はまれな病気で、もっとも簡単に防ぐ事ができる病気である」と述べています。予防によって虫歯は十分に防ぐ事ができる病気なのです。
永久歯の虫歯は、小中学校時代にできやすいので、この時期に虫歯をつくらないように予防する事が最も重要になります。
最近のデータでは12歳児(中学校1年生)の平均虫歯数を比較すると、南幌町は全国平均より2倍くらい虫歯の数があります。それに伴い南幌町では、2011年7月より、フッ化物洗口をいちい保育園では週5回、みどり野幼稚園では週2回実施しています。また2013年2月より小学校と中学校では週1回実施しております。
フッ化物洗口によって虫歯を40〜60%減少させる事が研究でわかっております。近い将来に南幌町の幼児、児童、生徒の虫歯がほとんどなくなるかもしれません。成人した時点で丈夫な歯でしっかり噛めることは、その後の人生でいつまでも元気で快適な生活をすることができます。そのような児童、生徒が1人でも多くなることを願っております。虫歯のほとんどない時代がいつか来ることが私の生涯目標でもあります。
2013年06月06日
2013年6月2日(日) 10:00〜16:30
場所:TKP札幌ビジネスセンター 赤レンガ前

アストラテックインプラントシステム オッセオスピードTX発売 札幌ミーティングに参加しました。当院ではアストラテックインプラントを採用しています。数あるメーカーの中でもアストラテックインプラントのメリットは、埋入後の骨の喪失がとても少ない点です。大手他メーカーのインプンラントが平均1.5mm骨が痩せてしまうところ、アストラテックインプラントは平均0.3mmと、無視できる骨の喪失で済むところです。インプラント周囲の骨が痩せる=インプラントがダメになるリスクが高くなるという事ですから、これは非常に大事なことなのです。またアストラテックインプラントは多くの臨床データを持っていることも他のメーカーより優れた点です。
オッセオスピードTXは、オッセオインテグレーション(骨とインプラントとの結合)が短期間になり、また強くなるので患者さんにとって大変利益になると考えられます。

講師と本日の内容を以下に挙げます。
・東北大学教授 高橋哲先生 
「オッセオスピードインプラントの特徴と新製品TXインプラントの更なる可能性」
・NTデンタルクリニック院長 佃宣和先生
「歯周病患者へのインプラント治療」
・北山デンタルクリニック 北山康則先生
「無歯顎患者に対するインプラント」
・松本デンタルオフィス院長 松本和久先生
「審美領域におけるインプラント」

当院でインプラントの担当をして下さっている佃先生の講演風景です。
2013年06月06日
2013年6月1日(土)17:00〜21:00
場所:北海道歯科医師会館


日本歯科大学准教授である高橋誠治先生をインストラクターに、AHA(アメリカ心臓協会)救急救命プロバイダーの更新講習会に参加しました。早いもので2008年にプロバイダーを取得してから3回目の更新になりました。有効期限の2年はあっという間に訪れるものです。救急救命は日常よく遭遇する事態ではないですが、突然必要になるかもしれませんので、歯科医師は繰り返し復習することで身につける必要があります。今回も私は大切な患者さんの命を守るため、知識と技術を学んできました。この研修会は心臓マッサージのトレーニングで浅い腕立て伏せ360回、人工呼吸のトレーニングを行うなど大変体力を使いますが、ロングブレスダイエットの効果があったのか2kgも体重が減少していて得した気分になりました。

救急救命プロバイダーの更新講習会の内容は以下の内容でした。
1、心臓マッサージ 
2、呼吸確認と人工呼吸 
3、CRP(心肺蘇生:心臓マッサージと人工呼吸の組み合わせ) 
4、AEDの使用について 
5、重度の気道異物(窒息)について
2013年06月04日
2013年6月号なんぽろ広報 
「たかがメンテナンス、されどメンテナンス」
誰もが自分の歯で一生を過ごしたいと思いつつ、現実的には入れ歯になるのは仕方がない、とあきらめている人が多いかもしれません。歯を失う原因のほとんどはむし歯と歯周病ですが、これらの2つの病気は定期的なメンテナンスによってほぼ確実に予防できます。つまり、自分の歯を一生保つことができるのです。

メンテナンスとは、歯科医師や歯科衛生士がそれぞれの患者さんに合わせたメニューに沿って、検診やむし歯と歯周病に対するクリーニングなどの予防処置を行うことです。人それぞれの病気の罹りやすさによりますが、概ね3〜6ヶ月に1度、メンテナンスを受けることが重要です。しかし、長いお付き合いになりますので、効果が見えないと続ける事が難しいかもしれません。

1人当たりの1年間に失った歯の数について、国のデータと加藤歯科でのデータを図に示します。60歳以上の人についてですが、症状のある時だけ歯科医院を受診している人は、全国平均で1年に約1本ずつ歯を失っているのに対し、定期的にメンテナンスを受けている人は全国平均で0.14本、加藤歯科の233名のデータでも0.03本とほぼゼロに近い値になっていました。今回、図には示しておりませんが、60歳以上の人ばかりではなく、20〜60歳でもメンテナンスを受けるかどうかで、1人当たりの1年間に失った歯の数に明らかな差がありました。

メンテナンスを10年、20年と続けるかどうかにより、お煎餅をバリバリと食べられるだけの歯を保てるのか、入れ歯になるかの分かれ道となります。できるだけ早いうちから定期的メンテナンスに通う事により、質の高い生活を送れる人が1人でも多くなることを願っております。

2013年04月17日
2013年4月10日(水)14:00〜18:30
場所:加藤歯科ミーティングルーム


先日加藤歯科に、アイルランド・コーク大学 博士課程在籍中の西真紀子先生を講師としてお招きしました。私自身が2007年9月にスウェーデンのマルメ大学へ行き、世界最先端の予防歯科の研修を受けた際にも、西先生には現地で大変お世話になりました。西先生はお忙しい中、現在 NPO法人「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」の理事長も務められ、啓蒙活動をされています。さらに2013年4月に発売になった世界一やさしい歯周病の本である「あの人のお口がにおったのはナゼ?」を監修されました。

今回、西先生に加藤歯科の患者さんの4712名のデータを分析していただきました。特にメンテナンス患者さんのデータ分析に力を入れていただきました。何かお口にトラブルがなくても定期的にメンテナンスのために通院している患者さんは、何かトラブルが起こってから通院する患者さんに比べて、虫歯の発生や歯牙喪失歯数(歯を失う本数)が少ないことが加藤歯科のデータでも明らかになりました。このことに関しては6月号の南幌町の広報でも取り上げる予定です。
研修会のあとは炭火やき「地鶏亭」で懇親会を行いました。ブリとタコのしゃぶしゃぶとカニ、シャケ、イクラの海鮮丼は絶品で参加者全員大満足でした。
2012年12月17日
2012年12月6日(木)17:30〜18:30
南幌町地域保健医療福祉総合対策協議会 
場所:南幌町保健福祉総合センターあいくる
参加者合計 30名
(保健医療福祉関係者、行政関係者、南幌町事務局)

南幌町の児童生徒の歯科検診結果について 南幌小学校の学校歯科医である私(加藤)が講話というかたちで20分ほどお話をさせていただきました。

講演内容は、以下の通りです。
1、口の中の環境と全身との関連 
2、う蝕(虫歯)の成り立ちと予防の重要性 
3、学校歯科検診結果 
4、フッ化物洗口とう蝕(虫歯)予防の事例

歯と全身の健康は密接な関係があり、QOLを維持するためにもお口の健康を守る事は大切です。虫歯は誰にでもある病気のように感じている方も多いかもしれませんが、ワシントン大学元教授 のロイ・ページ先生は「虫歯はまれな病気で、もっとも簡単に防ぐ事ができる病気である」とおっしゃています。予防すれば虫歯は十分に防ぐ事ができる病気なのです。
永久歯の虫歯ができやすい時期は、小中学校時代に集中するため、この時期に虫歯をつくらないように予防する事が最も重要になります。
北海道は12歳児(中学校1年生)の平均虫歯数が多く、全国ワースト3位です。成人が歯を失い始める年齢も、全国平均より10〜15歳早くなっていることから、学校等におけるフッ化物洗口の普及を含めた北海道・口腔の健康づくり8020推進条例が制定されました。
それに伴い南幌町では、2011年7月より、フッ化物洗口をいちい保育園では週5回、みどり野幼稚園では週2回実施しています。また2013年2月より小学校と中学校では週1回実施予定です。
12歳児(中学校1年生)の平均虫歯数を比較すると、南幌町は全国平均より現在2くらい虫歯の数があります。
フッ化物洗口の効果は虫歯を40〜60%減少させる事が研究でわかっております。近い将来に南幌町の幼児、児童、生徒の虫歯がほとんどなくなり、丈夫な歯でしっかり噛め、生涯元気に生活できるようになればこれほどうれしい事はありません。そのような時代がいつか来ることを願っております。
2012年12月11日
2012年11月13日(火)18:15〜19:45
ケアネットワーク そらねっと口腔ケア講演会」 
場所:南幌町保健福祉総合センターあいくる



参加者合計32名
:保健師6名、ケアマネージャー9名、ヘルパー1名、
介護福祉士12名、看護師1名、相談員1名、作業療法士1名、
言語聴覚士1名

4町(栗山町、由仁町、長沼町、南幌町)の介護に携わるさまざまな職種の方たちが研修する集まりである「そらねっと」さんから依頼を受け、 院長の私加藤と当院歯科衛生士の吉澤が口腔ケアの重要性について、講演会60分と実習30分を担当させていただきました。
当日は南幌町内の他にも栗山町・由仁町・長沼町などから多数の参加者にお越しいただき、大変熱心に聴いていただきました。

講演内容は、以下の通りです。
1.口腔ケアとは
2.口の中の環境と全身の関連
3.さまざまな研究データ
4.介護ケアや支援に携わる職種の方に望むこと
@ お口の中を見てほしい
A訪問歯科診療のことを知ってほしい
B過大な期待はしないで、まずトライ
5.口腔ケア、口腔機能向上
6.摂食嚥下障害
7.最近の歯科トピックス
8.まとめ

配布資料
1、歯科訪問診療における一部負担金の目安
2、ビスホスホネート系薬剤一欄表
3、ほっぺを キタエよう
4、つばをたくさん だそう

口腔ケア手順の実習
麻痺している側の汚れの体験をしてもらったり、参加者同士ペアになり相互に口腔ケアを行いました。
参加した方からは、時間が足りなくなるほど熱心な質問がでるなど大きな反響がありました。また実習では口腔ケアをいつもしている方が口腔ケアされる側にまわることで、普段の口腔ケアは思ったより力を入れすぎていたとの感想を頂き、日々の仕事に役立てていただける時間となったようです。加藤歯科としては、介護に携わるさまざまな職種の方たちが研修する集まりである「そらねっと」の皆さんにとって、少しでもお役にたてたことをうれしく思います。
この講演会を機会に4町の地域医療連携がすすんでいくことを願っております。

2012年10月05日
2012年10月2日(火)「フッ化物洗口小中学校保護者説明会」
場所:あいくる


平成21年(2009年)6月、道議会にて「北海道・口腔の健康づくり8020推進条例」が制定され、条例により学校におけるフッ化物洗口の普及が定められました。それに伴い南幌町でも平成23年(2011年)7月より保育所幼稚園でのフッ化物洗口が始まっており、南幌小学校、南幌中学校でも今年度中のフッ化物洗口開始を目指しています。この日は「あいくる」で小中学校の児童生徒を持つ保護者に対して説明会が行われました。
出席は南幌中学校校長、南幌小学校教員と保護者12名でした。説明者は南幌小学校学校歯科医である私(加藤久尚)と岩見沢保健所歯科医師 秋野憲一先生と教育委員会でありました。加藤、秋野先生、教育委員会がそれぞれ順番に10分、20分、10分の計40分間の説明を行い、質疑応答を受けました。
私は自作資料を用いて、虫歯の成り立ちと虫歯予防の重要性、つまり 虫歯の治療は永久に保たれるものではなくいずれ再治療が待っていること、虫歯リスクは乳幼児期から成人するまでが高いこと、低年齢での虫歯を防ぐことが肝要であること等について説明をし、さらに南幌町内の小学校・中学校のデータを示して、この地域においてはフッ化物洗口が特に必要であるという内容のお話をしました。続いて岩見沢保健所秋野憲一先生からはフッ化物洗口の安全性についてのお話がありました。最後に教育委員会からはフッ化物洗口の手順、実施スケジュールについての説明がありました。
続いて質疑応答があり終了しました。

質疑応答については以下の内容でした

質問1:フッ化物洗口は口内炎などがあってもしみないか?

回答1:秋野先生
   問題ありません

質問・要望2:中学校3年生はフッ化物洗口しないとのことですが、部活や塾などで歯科医院に行く暇がないため、ぜひスケジュールを前倒しして中学校3年生もフッ化物洗口してほしいです。
    
回答2:教育委員会
2月実施のスケジュールで動いていますので、中3の実施はむずかしいです。

質問3:フッ化物洗口する前に歯磨きしなくても効果はあるか?

回答3:秋野先生
効果は認められています

質問4:フッ化物洗口を家庭でも実施したいが、可能か?

回答4:秋野先生
   保険外診療(自費)になりますが、歯科医院で処方してもらえます。
2012年07月12日
南幌小学校教職員フッ化物洗口推進事業説明会   場所:南幌町立小学校(畑島俊治校長:13学級児童生徒数370名)


平成21年(2009年)6月、道議会にて「北海道・口腔の健康づくり8020推進条例」が制定され、条例により学校におけるフッ化物洗口の普及が定められました。それに伴い南幌町でも平成23年(2011年)7月より保育所幼稚園でのフッ化物洗口が始まっており、南幌小学校、南幌中学校でも今年度中のフッ化物洗口開始を目指しています。この日は南幌小学校で教職員対象の説明会が行われました。
出席は校長、養護教員を含めた教職員19名と教育委員会から数名、岩見沢保健所秋野憲一先生、学校歯科医である私(加藤久尚)でありました。秋野先生、加藤、教育委員会がそれぞれ順番に25分、25分、10分の計60分間の説明を行い、質疑応答を受けました。
私は自作資料を用いて、虫歯の成り立ち、むし歯の治療は永久に保たれるものではなくいずれ再治療が待っていること、カリエスリスクは乳幼児期から成人するまでが高いこと、低年齢でのむし歯を防ぐことが肝要であること等について説明をし、さらに南幌町内の幼稚園・小学校・中学校のデータを示して、この地域においてはフッ化物洗口が特に必要であるという内容のお話をしました。また教育委員会からは手順(案)、実施スケジュール、父母説明会(夏休み明け)についての提案がありました。
続いての質疑応答は予定時間の1時間を大幅に超過して終了となりました。

質疑応答については以下の内容でした。

質問1:なぜ集団なのか?
個々の体調に合わせた1対1の医療行為が理想では?
南幌町の規模で何故もっと一人一人に出来ないのか? 
子供の身体の事を学校だけに任せるのはいかがなものか?
回答1:秋野先生
条例制定の際にもまさに学校に任せることの是非について議論が重ねられましたが、結局、これまでのやりかたでは成果が得られなかったことから、他の県に倣い学校で行った方がよいという結論に達しました。むし歯のみならず様々な病気が家庭環境に左右されており、子どもたちの健康を地域全体で守ってあげるべきであるということは時代の流れであると考えます。
回答1:学校歯科医 加藤
国を挙げて個人個人の予防対策をとっているスウェーデン方式を真似ることができれば良いのですが、現在の日本ではできません。家庭に任せると経済状況や歯科IQに左右され、健康脱落者が出てしまいます。そこで次にすぐれたアイルランド方式、つまりフッ化物洗口を実施したほうがよいという考えになりました。


質問・要望2:以前に比べるとむし歯が非常に少ないのに何故南幌で?
    保護者に対する情報は一方的にならず、反対意見も紹介してほしい。
回答2:秋野先生
医学的に誤った情報はネット上に残りますが、私からは紹介できません。
加藤先生のデータにもありましたが、中2以降はすごくむし歯が増えているので、フッ化物洗は大事であります。


質問3:「少量でも誤飲するとよくないのでは?」
回答3:秋野先生
米国では水道水に入っているくらいなので心配はありません。ハンバーガー1コにも0.2mgのフッ化物は含まれているので、少量の誤飲が良くないとなると、ダブルバーガーは食べられないことになり、魚を食べるともっと大量に身体に入ることになります。たまたま体調不良が起きた場合は、申し訳ありませんがしかるべき対処をしていただきたい。


質問4:フッ化物洗口の後で体調不良が起きた場合の連絡体制はどうなるのか
問題が生じたときにフッ化物に対する不安を払しょくできる体制をつくるべきでは?
回答4:教育委員会
フッ化物洗口が原因で体調不良が起きることは考えられませんが、フッ化物に対する不安を払しょくできる体制を検討します。


質問5:インターネットでWHOは6歳未満に禁忌と書いてあるが?
なぜ4歳からなのか?
フッ素入り歯磨き剤に警告文があるが? →
回答5:秋野先生
それらは赤ちゃんのいたずらに対してです。
2012年06月28日
めぐみ学園研修会

平成24年(2012年)6月23日(土) 南幌町の知的障がい施設めぐみ学園にて歯科衛生士の吉澤と職員研修会の講師を務めさせていただきました。
研修会では以下の内容について1時間ほどお話させていただきました。
@「加藤歯科の平成15年10月からのめぐみ学園での訪問口腔ケアの取り組みと成果(肺炎の極端な減少)」、
A「リスクに応じた定期的なクリーニングの重要性」、
B 「園生の介助ブラシのやり方」
めぐみ学園職員のみなさんは、日頃より園生のお口の健康管理に協力的で、研修会でも熱心に話をお聞きいただきました。
めぐみ学園の園生の口腔ケアを加藤歯科がお手伝いさせていただいてから、8年半になります。その間に職員の方々のご協力のもと、口腔清掃状態の改善や、肺炎発症率の極端な減少など、園生の健康増進に成果を残すことができました。しかしこの8年の間に園生の高齢化が進んでおり、これまで以上に高いレベルでの口腔ケアが求められることを実感しております。加藤歯科では、今後も職員のみなさんの技術力の向上はもとより、園生に自立した口腔清掃を出来るように支援したいと考えています。

研修会後、歯ブラシについてのご質問をいただいたり、介助ブラシの力加減(150グラム)を体験していただき、更に高いレベルの口腔ケアについて関心を寄せていただけました。今後も機会があれば、またお話させていただきたいと思います。
2011年05月25日
「口腔外科とはどんな治療をするの?」

2009年06月11日
「ヒューストン研修で思いを強くしたこと」




昨年4月、高度再生療法やインプラント治療の研修を受けるため、ブッシュ元大統領の歯科主治医でアメリカ歯周病学会の元会長マクガイア先生のいるアメリカテキサス州ヒューストンへ行って来ました。

マクガイア先生のオフィスは患者さんのプライバシーを配慮した「個室」で構成され、無駄のないレイアウトのゆとりのある空間で、それぞれの個室は趣の違う心を癒す暖色系の絵画が飾られ、おもてなしの雰囲気に満ち溢れていました。

診療見学をして強く感じたことは、マクガイア先生が歯周病専門医として歯科医療に対して真摯な態度で臨んでおり、高度な歯科医療技術はもちろん、手術中の厳しい場面でも笑顔を忘れずに患者さんやスタッフを気遣う医療人としての人間性でした。

日本の保険制度では治療の選択肢が限られ、患者さんに対してベストな治療ができない場合があります。残念ですがマクガイア先生のオフィスで行われている治療をそのまま実践できないのです、しかし保険の範囲でよりベストに近い治療を行うには様々な最先端技術を獲得する事が必要です。

アメリカでは治療を行う前の検査と治療後の継続的なメンテナンスを徹底して行い治療結果を最大限維持します。私もメンテナンスには一生懸命取り組んで来ましたが、アメリカでは日本以上に治療後のメンテナンスが徹底されており、これを欠くと歯牙の喪失を早めることを様々なデータで再確認して来ました。
メンテナンスの主役は歯科衛生士ですが、マクガイア先生のオフィスでいきいきと働いていた姿は一年経った今も忘れません。

歯科医療の目標は「人々が生涯にわたって口腔の健康を通じて全身の健康を維持し、健全な機能を全うする」事です。これを実現するには高度な治療技術とメンテナンスの両方が欠かせないことを、自分の目で確かめ実際に肌で感じ、よりいっそう患者さんの口腔内の健康増進に貢献したいという想いを強めてヒューストンをあとにしたことが、今、私の大きな財産となっています。
2008年04月24日
「スウェーデンの歯科事情」
昨年の9月にスウェーデンのマルメ大学へ世界最先端の予防歯科を研修しに行ってきました。医療と福祉の国スウェーデンの診療システムや歯科医療哲学を知り、今後の私の臨床を見直す機会にするのが研修の目的でした。
歯科医療先進国であるスウェーデンでは20歳時のDMFT(虫歯経験歯数)が平均3本と日本の平均10本と比べると格段に少なく優れた予防歯科医療が国ぐるみで実施されています。虫歯はきちんと詰めて治療したとしても、予防せずに放置しているとまた詰めた周りから虫歯になってしまいます。このように再治療を繰り返していると、自分の歯がどんどん薄く小さくなり平均3〜5回くらいの治療のやり直しで歯を抜くことになってしまいます。つまり歯を治療することだけではなく歯を虫歯から守ること(予防歯科)が歯科医院の大きな仕事なのです。
スウェーデンで予防歯科について学習した事は以下の通りです。
1、歯が崩出した時から定期的なメンテナンスを受けていると、虫歯や歯周病になることの方が少ない。
2、唾液検査を受ける事で個々のリスクを把握し、患者さんに応じた虫歯予防対策を立てている。ある教授は「唾液検査をしないで治療をする事はレントゲン写真を撮影しないで治療するようなものである」と話していた。
3、小学校の教室に虫歯になりやすさを唾液検査の結果から判定するパソコンのソフトが備えられており、いつでも検索して自分の虫歯の危険度を判定できる。
4、スウェーデンでは国の政策で19歳以下の人までは徹底した予防プログラムを無料で受けることができる。しかし20歳以降に虫歯をつくることは自己責任とみなされ保険外治療になるため虫歯予防への国民意識が非常に高い。
5、メンテナンスは衛生士がほとんど担当し、何か異常があったときのみ歯科医師が担当している。
スウェーデンでは、社会全体が健康維持の重要性を認識し、国を挙げて取り組んでいる様子がうかがえました。日本ではまだまだ治療中心で、虫歯になる前の予防のために歯科医院へ通院するという習慣は確立されていません。加藤歯科はこれまでも予防歯科について取り組んできましたが、よりいっそう患者さんの口腔内の健康増進に貢献したいという思いを強めて帰ってきました。
近い将来、わが国でも予防歯科への理解が高まり、日本人の多くが虫歯や歯周病がない口腔を持つようになると、より生活の質も高まり理想的だと思います。
2007年03月26日
「アメリカと日本の歯科事情」



 昨年の4月に10日ほどボストン大学歯学部へ インプラント学や補綴学などの研修のため行ってきました。日本各地から総勢31名が参加しました。ボストンといえば、ポスティングシステムを利用して、松坂大輔投手がレッドソックスへ移籍したことで最近話題になっていますが、近郊にはハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などがあり、学術都市としても有名です。大学での講義のほか、市内にある大・中・小規模の歯科医院や米国でも最も歴史があるフォーサイス衛生士学校などを見学する機会に恵まれ、短期間とはいえ内容の濃い研修会でありました。

アメリカと日本ではかなり歯科事情が違っています。わかりやすい例をいくつかお話したいと思います。
1、アメリカでは医療保険が無いので、歯科治療費が日本の5〜20倍くらい高く、気軽に治療を受けられません。あるアメリカ人に「宝くじが当たれば何に使いますか」と聞くと「@家A車B歯科治療」という答えが返ってきて驚いてしまいました。逆に治療するために非常に高いお金がかかるので、不安のある歯は簡単に抜歯されてしまうのは欠点といえます。
2、治療にコストがかかるので、歯が悪くならないように予防が発達して定期的に歯科衛生士によるクリーニングを受ける方が(年収の違いにもよりますが)、50パーセントぐらいいます。日本の2パーセントと比べると大変な違いです。当然クリーニングの結果口腔内の健康が保たれ歯が長く残ることが多くなっているのは優れた習慣だと思います。
3、「歯科治療はアメリカで学び、予防はスウェーデンで学ぶ」と歯科医師の間では言われることがあります。確かにアメリカでは教育が素晴らしく、大変わかりやすく教えていただきました。学生が一定の期間で一人前にならなければ教員が解雇されるぐらい結果が求められるのだそうです。これも日本にはない習慣です。
4、最近は特に歯科学も大変複雑多岐に渡るようになってきており、1人の歯科医師が全分野を学ぶには無理があります。アメリカでは歯科医院の形態が数名の歯科医師で構成され、それぞれ専門で活躍しており、日本の歯科医院の構造とはかなり違いが認められます。

加藤歯科も歯科医師4名がますます得意分野を生かして患者さんの幅広いニーズに応えられる様に努力していきたいと思います。



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