小銃

 


★試製自動小銃・・・NEW

 昭和七年より「陸軍技術本部」が、「小倉工廠」と「東京瓦斯電気工業」と「日本特殊製鋼」に試作させた自動小銃であり、昭和九年十月の時点で、「小倉工廠」製の「自動小銃甲」・「東京瓦斯電気工業」製の「自動小銃乙」・「日本特殊製鋼」製の「自動小銃丙」の3種類が完成して各種試験に供されている。

 後の審議で「自動小銃甲」と「自動小銃丙」が採用寸前となったものの、折から勃発した「支那事変」による大兵力の動員と、その兵員に配備するための既存の単発小銃の生産の為に、配備が見送られる結果となっている。

 

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試製自動小銃

写真は「試製自動小銃甲」である。

○試製自動小銃データー

 

口 径

全 長

全備重量

初 速

最大射程

最大照尺

装弾様式

装弾数

発射方式

発射速度

自動様式

キロ

米/秒

メートル

メートル

 

 

分/発

 

試製 

6.5

1160

4.3

750

3500

1100

円形固定弾倉式

10

単発

 

約30

反動利用式

6.5

1070

−−−

740

試製 乙

6.5

1160

4.3

750

3500

1100

箱型弾倉

単発

 

約30

ガス反動併用式

6.5

1060

−−−

740

10

ペターゼン

7.7

1117

4.0

820

2500

1000

挿弾匡式

10

単発

 

25から50

反動利用銃身固定式

7.7

1068

3.85

820

 


★試製狙撃銃(制式名称不明)

 滿洲事変での敵側からの狙撃の戦訓と、極東ソ連軍の増強に伴う装備の向上の中で「赤軍狙撃兵」の「狙撃眼鏡付小銃」の情報入手にあいなって、「三八式歩兵銃」に臨時に「狙撃眼鏡」を装備した「試製狙撃銃」。

 「三八式歩兵銃」をベースにかなりの種類が試作され、「陸軍戸山学校」や「陸軍歩兵学校−教導聯隊狙撃班」等に配備されて、各種の射撃試験や戦術研究に用いられた。

 

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試製狙撃銃(制式名称不明)

「三八式歩兵銃」に「狙撃眼鏡」を取り付けたもので、射撃動作の邪魔にならないように槓捍が下方へ屈曲している。

 


★九七式狙撃銃

 「三八式歩兵銃」を基幹とした国軍初の制式狙撃銃で、倍率2.5倍の「狙撃眼鏡」を装備している。

 「三八式歩兵銃」との相違点は「狙撃眼鏡」の装着によって槓捍操作が滞らないように、槓捍が水平ではなく、モーゼル小銃の様に下方へ40度の角度で屈曲している点と、射撃の安定のために「短脚」が付随していることである。 

 使用弾薬は命中精度の向上のために、「十一年式軽機関銃」・「九六式軽機関銃」に用いられる減装の軽機関銃用実包を使用する。

 

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九七式狙撃銃

 

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九七式狙撃銃

 


★試製七.七粍歩兵銃

 「九九式小銃」・「九九式短小銃」の制定にあたって試作された、口径7.7ミリの試製歩兵銃。

 1939年の第2回審査では、「名古屋工廠」製の「第一案試製歩兵銃」と、「小倉工廠」製の「第二案試製歩兵銃」が残り、この両者の利点を生かして「九九式小銃」が制定された。

 

 

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名古屋工廠製−第一案試製歩兵銃

既存の「三八式歩兵銃」の口径を7.7ミリに改良したほか、槓捍を下へ湾曲させている。また、「下帯」に「短脚」が付随している。

 

 

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小倉工廠製−第二案試製歩兵銃

三八式歩兵銃よりも「銃床」と「各部部品」の工作工程の省略と、部品統一を行い、戦時生産能力を向上させるために試作されてモデル。第一案試製歩兵銃と同様に「下帯」に「短脚」が付随している。

 


★試製七.七粍騎銃

 口径7.7ミリの新歩兵銃の制定に併せて、1939年に従来の「三八式騎銃」・「四四式騎銃」の口径を、従来の6.5ミリから7.7ミリに変更した騎銃。

 「三八式騎銃」が母体の「第一案試製騎銃」と、「四四式騎銃」が母体の「第二案試製騎銃」の2種類がある。

 支那事変の長期化により、試作のみで終わる。

 

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試製七.七粍騎銃

上から「第一案試製騎銃」・「第二案試製騎銃」・「三八式歩兵銃」

 


★九九式小銃/短小銃

目下、制作中

 

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★九九式小銃−戦時型(大東亜決戦銃)

 逼迫した大東亜戦争下での膨大な小銃の需要に答えるために、昭和18年末より「九九式短小銃」を可能な限り省略化した戦時生産モデルが出現する。

 戦時型の計画は、「陸軍第一技術研究所−第一課(銃器班)」の「龍見南海雄大佐」(「銅金義一大佐」の後任)が行ったと言われる。

 省略個所は以下の通り。

  ・「さく杖」の簡略化     ・「高射表尺」の省略     ・「脚」の省略  

 

 昭和19年に入ると、さらに省略を行った九九式短小銃が出現する。これは「機関部」・「槓捍」・「安全子」等の部品の精度の徹底した簡略化が図られたほか、以下の部分が省略された。

  ・「照星被」の省略      ・「さく杖」の省略       ・「木被」の省略

  ・「照門」の固定化      ・「床尾板」の木製化

 

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九九式短小銃−戦時型 昭和18〜19年製造モデル


★三八式歩兵銃−制式改正脚付

 「九九式短小銃」の制定に相成って、従来の国軍機関小銃である「三八式歩兵銃」にも、同様の「単脚」をつけた物が製造された。おそらくは昭和15〜17年の間に生産された「三八式歩兵銃」がこのタイプのものと推測されるものの詳細は不明。

 詳細は、目下調査中。情報をお持ちの方は是非ともお知らせ下さい。

 

 

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三八式歩兵銃−制式改正脚付

 


★四式自動小銃(陸軍−中央工業株式会社モデル)

 「四式自動小銃」は、大東亜戦争下の熾烈な戦闘に対応する自動小銃の必要性を痛感した日本海軍が、米軍より捕獲した「M1ガランド自動小銃」を模倣して作成した自動小銃である。

 当初の設計は海軍の「館山砲術学校−研究部」が担当したものの、戦況の逼迫により陸軍でも開発がなされ、昭和20年初頭より「中央工業株式会社」で試作と小規模の製造が行われた。用途としては連射特性を生かしての、「挺身・奇襲部隊(通称「挺奇隊」)」用である。

 連発機構は米国のフルコピーであるが、「銃床」・「表尺」等は国軍形式を踏襲している。使用弾薬は口径7.7ミリの「九九式銃実包」10発を機関部の固定式弾倉に上から装填する。

 

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四式自動小銃機関部

 

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四式自動小銃表尺部分  最大有効射程は1500メートル

 

*「四式自動小銃」の図面は師匠である高橋昇先生より御提供頂きました。

 

○四式自動小銃データー

  口径    7.7ミリ

  重量    4070グラム                 海軍モデルは4079グラム

  全長    1073ミリ (着剣時 1456ミリ)     海軍モデルは1076ミリ

  装弾数   10発

 


   ★制式名称不明小銃(制式名称不明) NEW 

 

 「九九式短小銃」の「銃床下部」に「九九式軽機関銃」の「弾倉」取り付けて30連発に改造したされた小銃。

 写真は、終戦時に米軍が撮影したものであり、開発意図等は不明。「欧州大戦」での仏軍使用の「塹壕小銃」を踏襲して、国土決戦用に考えられたものであろうか?

 

 

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制式名称不明小銃

 


★簡易小銃

 本土決戦での、本土防衛部隊用に装備するため昭和19年後半より緊急開発がなされた単発式の簡易小銃で、「九九式小銃」用の口径7.7ミリの「九九式銃実包」を使用する。

 この「簡易小銃」の配備対象は、国民ではなくあくまでも陸軍部隊であるために使用弾薬には、「九九式銃実包」が使用されている。作動法式は従来の国軍の小銃と同一の槓捍式(ボルトアクション)であり、弾薬を一発ずつ装填して発射する。

 この小銃の具体的な配備部隊は、本土決戦時の沿岸防備を対象とする「第三次兵備」の対象部隊(「拘束師団」−通称「ハリツケ師団」)がメインであり、計画では九州の防衛部隊に昭和20年9〜11月頃、関東の防衛部隊に昭和21年2〜4月頃に配備完了の予定であった。

 

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○簡易小銃データー

  口径  7.7ミリ

  重量  不明

  射程  不明


★国民簡易小銃

 上記の「簡易小銃」と違い、完全に国民に配備する目的で作成された単発小銃で、使用弾薬は口径8ミリの軍制式の「拳銃実包」を使用する。

 実際の配備は「国民義勇戦闘隊」よりは、「在郷軍人」を核に編成された「特設地区警備隊(通称−「地警」)」等に重点配備がなされたものと思われる。

 

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○国民簡易小銃データー

  口径  8ミリ

  重量  不明


★国民簡易小銃

 本土決戦用の単発火縄銃であり、撃発は「火縄」ないし「簡易雷管(猟銃や拳銃の雷管を応用)」によるもので、銃身にはライフリングもない。

 使用弾薬は発射薬である「黒色火薬」と、弾丸は配備された時点で銃身の口径に適合するように適宜創作する。

 設計は「陸軍第1技術研究所」が昭和19年後半より突貫で実施したものであるが、実際の製造は町工場等での委託生産である。

 

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○国民簡易小銃データー

  口径  不明

  重量  不明

  射程  不明


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