映画「南太平洋戦線」

 

 昭和20年に封切られた、日本映画社の映画「南太平洋戦線」に見られる写真を紹介してみる。

 当映画「南太平洋戦線」は、昭和19年中庸よりニュウギニア方面の国軍部隊に従軍した日本映画社の従軍記者の撮影したフィルムを編集した戦意高揚映画である。

 もちろん内容が戦意高揚映画のために、内容も当時は実写部分のみと宣伝されているものの、実際はヤラセが多いものであるが、映像自体に資料的な価値があると思われる。

 


 

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密林中で指揮官の訓示を受ける攻撃部隊

左端の「軍刀」を背中に背負った指揮官の訓示を受ける状況で、全員が「偽装網」と「樹木」での完全偽装を行っていいる。真ん中の兵員は、識別のための白襷を右肩から左腰にかけており、「斬込隊」の出動とも見受けられる写真である。右端の兵員はスコールを想定してか「携帯天幕」を「雨衣」がわりに羽織っており、其の下に「十四年式拳銃」と見られる「斜革(スリング)」が見える。

 

 

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火砲の人力牽引状況

泥寧と化した密林を人力牽引で進む「九二式歩兵砲」。「砲手」が偽装せず、まだ装具もつけていない点から、後方地帯での移動と思われる。

 

 

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敵陣に肉薄の状況?

竹筒に爆薬を充填した「急造破壊筒」と見られる機材を転送中の状況。

 

 

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徒渉渡河を行う戦闘部隊

草で完全偽装した兵員が、沢を渡る様子である。先頭の兵員が手にしている銃は長さから見て「騎銃」と思われる。まさか「機関短銃」か?元写真自体の程度が悪いのでスキャナで拡大しても、ディテールがよくわからない点が悔やまれます。

 

 

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密林中に設置された橋

「対空偽装」もない処から、かなり安全な後方地帯か、原住民集落周辺での撮影と思われる。

 


<オマケ> 当コンテンツには、関係ありませんが・・・

 

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大映映画「肉弾挺身隊」の1シーン

昭和20年に封切りされた戦意高揚のための大映の「肉弾挺身隊」の中に見られる肉弾戦の状況。映画の中の演技とはいえ、「短剣術」の「対銃剣格闘」の應用で、敵兵の着剣銃を左手で取り押さえ、右手の「軍刀」で刺突する刹那のスチール写真です。もう少し、画像がクリアですとイイのですがね・・・

 


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