比島ラウエル大統領付親衛隊


 
 1943年10月14日の「フィリッピン」独立と共に軍は、「ホセ・ピ・ラウエル大統領」政権のもとに米軍の反攻に備えて親日の「ベニグノ・ラモス」を党首とする「ガナップ党員」を核にした、治安維持を主任務とした戦闘補助部隊の編成に努めていた。

 米軍の反攻が近づき逐次、治安の悪化する戦況の中で編成された治安部隊は「ガナップ党員」のアルファベトの頭文字の「G」の徽章を胸に付け、通称「フィリッピン・ガード」・「ガナップ・ガード」の名称で呼ばれた。この「フィリッピン・ガード」は「比島決戦」が終了し、「ラウエル大統領」の一行が1945年3月に日本に亡命した後も、在比の残存陸海軍部隊と共に終戦まで遊撃戦を展開した。

 この「フィリッピン・ガード」のうち、優秀な人材が以下3枚の写真に挙げられる大統領直轄の「ラウエル大統領附親衛隊」として編成された。

 

*「ラウエル大統領附親衛隊」について、詳細な情報をお持ちの方は、御教示の程御願い致します。


 

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親衛隊に敬礼するラウエル大統領

1944年10月14日の独立記念日式典と、それに続く「親衛隊閲兵式」の時の写真で、右腰に護身用の32口径の「コルト自動拳銃」を付けている。

 

 

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親衛隊を閲兵するラウエル大統領−1

「ブラウニング自動小銃(BAR)」を手にとり、兵に語りかけている大統領。訓練は基本動作は米軍式、戦闘動作は国軍方式を採用し、装備は在比米軍からの鹵獲品を流用している。

左にいる兵は自衛用に45口径「コルト自動拳銃」を、腰の米式ホルスターに納めている。

 

 

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親衛隊を閲兵するラウエル大統領−2

「フィリッピン国旗」と「ガナップ党旗」を奉じた「旗衛隊」を閲兵する大統領。「旗衛隊」は「米国スプリングフィールド一九〇八年式小銃」を装備している。

写真右側には「旗衛隊」の指揮官と思われる男が「米国コルト一九一七年式回転拳銃」を持っている。大統領の後方には、「防暑帽」姿の「大統領警護官」が見える。

 


2663.1.14写真追加

 

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親衛隊を閲兵するラウエル大統領

昭和19年3月に撮影された「大統領付親衛隊」を観閲する「ラウエル大統領」の姿であり、まだ米軍の本格的反抗の兆候が無いために大統領は「戦闘帽」ではなく「ギャリソンキャップ」を被っており、また腰に拳銃を付けていない点が、上記3葉の写真と比較して興味深い。大統領の左後ろには各々制帽と防暑帽を被った2名の側衛警護の将校がいる。「親衛隊員」は米式の軍衣と軍靴・脚胖に白色の防暑帽と布製の弾帯を装備しており、小銃は「米国スプリングフィールド一九〇八年式小銃」を装備している。

 


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