｛メイドさんで巡る陸軍の世界｝

飛行機と遊ぼう−小銃編

　歩兵部隊にとっての「航空機」の存在は、まさに脅威といえるものです。

　通常、「歩兵部隊」は「防空部隊」の護衛をうけて戦闘行動を行いますが、状況によっては（意味深・・・冷汗）手持ちの「小銃」・「軽機関銃」のみで、襲来する敵機と果敢に渡り合うことがあります。

　当コムテムツでは、昭和１０年陸軍歩兵学校発行の「歩兵対空行動」と、昭和１４年の「諸兵射撃教範」に掲載されている、「小銃」による対空戦闘を紹介いたします。

１．対空射撃−逆射

　高い角度の航空機に対して行う射撃方法で、身体を地面に横ばいにさせていることで安定した射撃が可能です。←当たればですが・・・

２．対空射撃−膝射

　射撃角度が大きくないときに行う対空射撃方法で、「膝射」のため「逆射」に比べて射撃の安定性と命中率は落ちます。

　射撃角度が更に小さいときは、右足踵と臀部を重ねてすわり、射撃を行う。

３．対空射撃−照準方法

　対空射撃には敵機の速度に応じて、発射した銃弾が飛んでいる敵機に命中するように射撃がなされなければなりません。つまり、敵機の未来の位置（「未来位置」）に射撃を行うのです。

　そのために下の図のように、時速３００キロで飛行する敵機に対しては、「表尺」の「遊標」の約１倍のリードをとって、「リードをとった位置」と「照星」と「敵機」を照準して対空射撃を行います。

三八式歩兵銃表尺

　昭和１５年に制定された「九九式小銃」には、当初より対空戦闘を考慮して、最大時速３００キロの敵機に対応できるように、「表尺」に対空戦闘用の「対空表尺」が設置されています。

九九式短小銃対空表尺

　九九式小銃の「対空表尺」を展開した状況で、「遊表」の基部が１００メートル、次の「２」と刻印されている個所が２００メートル、「３」の刻印の個所が３００メートルの速度に対応する。

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