手榴弾・擲弾・爆雷等−4


★百二十瓩爆雷   ・・・NEW

 「五十瓩爆雷」と並んで、陸軍が独自に開発した対潜爆雷であり、船舶搭載のほかに特別攻撃に用いられた所謂「連絡艇」の搭載爆雷としても整備されている。

 

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百二十瓩爆雷

 


★五十瓩爆雷

 陸軍が大東亜戦争下の相次ぐ船舶喪失と海上輸送路確保を目的として、独自に開発した対潜水艦用爆雷。陸軍船舶に搭載しての対潜水艦戦闘の他にも、「三式連絡機」や「キ七十六」に搭載しての航空機による使用もされた。

 

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五十瓩爆雷

側面には、信管装定用の孔があり、深度対応と見られる「甲」・「乙」等の記述が見られる。

 


★急造擲弾筒

 本土決戦のための自活兵器であり、発煙機材である「九九式発射発炎筒」の空筒を利用して製造された手榴弾発射用の擲弾筒。

 射撃には20〜25グラムの黒色火薬を発射薬として用いて、角度の調整によって手榴弾を50〜100メートルの距離に投射できる。

 

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急造擲弾筒

 

急造擲弾筒射表

角 度 () 投擲距離()  発射薬(c)
20 50 25
25 100 25
35 82 25
40 78 25

 


★急造手榴弾その1

 「大東亜戦争」末期には、各戦場の現地軍単位で多種多様の兵器が製造されている。

 写真の手榴弾は、「九七式手榴弾」の現地軍製造モデルであり、信管のみは正規の「九七式曳火信管」を用いているが、弾体はアルミニウムの鋳造製であり、爆薬は砲弾・爆弾から抽出したものが多用されている。

 

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急造手榴弾その1

 


★急造手榴弾その2

 「大東亜戦争」末期に各戦場の現地軍単位で生産された、所謂「自活兵器」と呼ばれる急造兵器のうちの手榴弾の一例である。

 弾体は水道やガス等の鋼管を利用して、爆薬を詰めた後に筒の前後をコンクリートを充填して閉鎖したものであり、点火方法は信管ではなくいて「導火策(導火線)」による点火方式である。

 

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急造手榴弾その2

 


★急造手榴弾その3

 「大東亜戦争」末期に各戦場の現地軍単位で生産された、急造手榴弾の一例。

 弾体はアルミニウムの鋳造で作製されており、爆薬の点火に際しては弾体頭部の防湿用のテープを剥離させた後にマッチヘッド部分を摩擦点火する方式である。

 

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急造手榴弾その3


★急造爆弾(制式名称不明)

 大東亜決戦下の現地部隊で竹筒に爆薬を設置して、適宜に点火器具を装備して作製した急造兵器。

 

 

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急造爆弾(制式名称不明)

竹筒の節を抜いて爆薬を詰め、点火具として「手榴弾信管」や「導火策」等を設置したもので、写真の爆弾には頭部に点火装置として「手榴弾」が設置してあり、携帯兼投擲用の紐が取り付けられている。

 


★火炎丸

 大東亜戦争の後半に、南方戦線の現地部隊で椰子の実の殻を利用して作製した臨時の「焼夷弾」。

 通常の「対戦車攻撃」に用いる火炎瓶スタイルで点火用の布のついている「火炎丸 其ノ一」と、「特火点攻撃用」の「導火索」装備の「火炎丸 其ノ二」の2種類があり、共に「生ゴム」と「ガソリン」を混合して作製した「火炎剤」を収納している。

 

 

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火炎丸

右が「火炎丸 其ノ二」、左が「火炎丸 其ノ一」であり、「火炎丸 其ノ一」は「ロンビヤ」と呼ばれる現地製の「木栓」と同じく「タラック」と呼ばれる現地製の布を利用した「木栓」を装備しており、投擲に際しては逆にはまっていた「木栓(口栓)」を逆にして点火の後に投擲する。「火炎丸 其ノ二」は細竹に「小粒薬」を入れて作製した「雷管」を装備しており、投擲に際して導火索に点火して投擲する。

 

 

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火炎丸

「火炎丸 其ノ一」であり、点火用の布が頭部から出ているほか、携帯に便利なように紐で提手が付けられている。

 


★ガソリン瓶

 「火炎丸」ど同様に現地物資の利用で作製された「急造火炎瓶」。

 制式の「手投火炎瓶」のように正規の点火装置がなく、「ビール」・「サイダー」等の空瓶に、「生ゴム(ないしはゴムの原液)」3と「ガソリン」7の割合で混合して作製した「火炎剤」を充填し、口部分に点火用の布を通した木栓を取り付けたもので、使用時に点火布を逆に取り付けて点火の後に投擲する。

 現地資材を利用する場合は、「ロンビヤ」と呼ばれる現地製「木栓」と、同じく「タラック」と呼ばれる現地製布をゴム液に浸したものを使用する。

 

 

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ガソリン瓶

 


★梱包爆薬

 対戦車肉薄攻撃の為に昭和19年頃より工兵以外の一般部隊でも多く採用された、爆薬を用いた攻撃方法の一つで、「黄色薬」ないし「カーリット」を「布」か「土嚢袋」で梱包したものに、「雷管」・「導火索」・「一式点火管」より作成した「急造点火具」を装備した対戦車爆薬である。

 使用方法には大別して次に挙げる「手提梱包爆薬」・「木悍梱包爆薬」・「振分梱包爆薬」・「鉤付梱包爆薬」の4つのパターンが存在する。

 

・手提梱包爆薬

 10キロ前後の爆薬を土嚢袋・布等で梱包した後に、2つの「急造点火具」を設置した爆薬で、携行・攻撃用に「提手」がついている。

 点火具で点火の後に戦車の底板・砲塔基部・カタピラ部・エンジン部分等に設置する。

 

 

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手提梱包爆薬

 

 

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手提梱包爆薬應用攻撃方法

爆薬の提手に1メートル前後の重り付の紐を取り付けておき、爆薬の設置後に重りを投縄の要領で放り投げて、敵戦車の砲塔や車体側面に設置攻撃する方法。

 

★手提梱包爆薬データー

爆薬       10キロまで

点火具      急造点火具

点火具延期秒時  7秒

 

・木悍梱包爆薬

 移動中の戦車を攻撃するために、「梱包爆薬」に系2.5〜3.5センチ・全長2〜2.5メートルの木悍を付けた爆薬。攻撃動作を確実にするために「梱包爆薬」と異なり急造点火具の延期秒時が7秒から10秒に変更されている。

 攻撃に際しては、点火後に戦車に肉薄して、木悍を操作して戦車のエンジン部分に爆薬を設置する。

 また戦車以外にも航空機の翼上に設置することで、航空機攻撃にも使用が出来る。

 

 

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木悍梱包爆薬

 

★木悍梱包爆薬データー

爆薬         4〜5キロ

点火具        急造点火具

点火具延期秒時  10秒

 

・振分梱包爆薬

 1.5メートル前後「紐」と「導爆索」で「梱包爆薬」2つを連結した爆薬で、敵戦車に輪投げの要領で投擲して、車体や砲塔に振り分ける形で爆薬を設置して攻撃を行う対戦車爆薬。

 「急造点火具」は片方の爆薬にしかついておらず、残り一方の爆薬を同時に爆破させるために、「紐」よりやや長い「導爆索」が爆薬間に設置されている。

 

 

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振分梱包爆薬

 

★振分梱包爆薬データー

爆薬         2〜4キロ

点火具        急造点火具

点火具延期秒時  7秒

 

・鉤付梱包爆薬

 梱包爆薬に2つの鉤を付けたもので、対肉薄攻撃対応のために金網を張り巡らせた戦車に対する攻撃に用いる。

 

 

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鉤付梱包爆薬


★爆槍

 本土決戦用の攻撃者も決死の覚悟で敵に突進する自爆型の「対人用爆雷」であり、2メートルの竹筒の先端に「ダイナマイト」等の爆薬と「簡易信管」が装着されている。

 信管は、爆破用の「九七式雷管」をベースに、「撃針」には釘か4ミリ鉄線を利用して安全装置代わりの厚紙を装備した「簡易信管」が使用される。

 使用方法は、攻撃直前に「撃針」を「雷管」に設置して、竹槍術・銃剣術の応用で攻撃する。

 

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爆槍

 

○爆槍データー

 全 長     2メートル

 竹の内径   2.9センチ

 爆 薬     ダイナマイト・黄色薬・カーリット等

 簡易信管   九七式雷管と釘・鉄線等を応用


★投射式噴進爆雷

 本土決戦用に開発された、「和製パンツァーファースト」である。

 昭和20年4月の時点で、「弾薬」のみは開発・整備がなされたものの、発射装置の整備がなされず、「決戦機動兵団」を核とする攻勢部隊には「弾薬」のみが配備され、発射装置は各部隊の自作に任された。

 この爆雷の性能は、10センチの装甲板の貫徹を目標としたが、射程・弾道・射撃方法等は全くマニュアルに示されず、現地部隊に一任されたもので、現地部隊では竹筒の先に青竹の籠を付けて臨時の発射装置とした。

 

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投射式噴進爆雷

 

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青竹を利用した「投射式噴進爆雷発射機」作成の一例

 

○投射式噴進爆雷データー

 全  長    125センチ

 全備重量   約2キロ

 炸薬量    1000グラム

 噴進藥量   38グラム

 威  力    10センチの装甲板破壊を目標


★決戦投射器(決戦カタパルト)

 本土決戦時に、敵の上陸部隊に対して「石」・「ダイナマイト」等を投射する簡易カタパルト。「砂礫」を発射することで、「超低空」の敵機に対する対空射撃も考案された。

 当時の本土決戦部隊では、「決戦投射器」と書いて、「決戦カタパルト」と読まれた。

 実際には、「沿岸配備師団(ハリツケ師団)」の決戦兵器製造部門に当たる「自活兵器班」に略図面のみが配られ、各部隊で素材やサイズ等は創意工夫のもとに各種「カタパルト」が製造された。

 

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決戦投射器(カタパルト)

 


★竹製擲弾筒

 本土決戦時の兵器不足を補うための「自活兵器」の一つで、竹筒の擲弾筒より竹製の弾薬を発射する決戦兵器。

 筒は、全長80センチ・直径8センチの竹筒の底部を斜めに切り、モルタルセメントを詰めて底部の強度を増すとともに、点火口を設け、筒の破裂防止のために筒の外面に紐・針金を巻きつける。         

 「弾丸」は、全長35センチ・直径5センチの竹筒に炸薬100グラムと、人馬殺傷用の鉄片・石塊を詰め込み、紙・布で蓋をして、底部に「導火索(「導火線」の旧軍名称)」を挿入する。   

 発射にあたつては、筒を地面に45度の角度で設置して、15グラムの「黒色火薬」を筒の底部に設置して、「導火索」で点火して発射する。

 最大射程はおおむね60メートル前後。

 

 

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竹製擲弾筒

 

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弾丸

 

○竹製擲弾筒データー

 擲弾筒   全 長  約80センチ

         直 径  約8センチ  

         重 量  約2000〜2500グラム

 弾 丸    全 長  約35センチ

         直 径  約5センチ

         炸薬量  約100グラム

         炸薬種  黄色薬・ダイナマイト・カーリット等

         重 量  約5〜600グラム


★簡易擲弾器

 大東亜戦争末期に「一〇〇式擲弾器」の代用として、「第一陸軍技術研究所」が開発した本土決戦用の簡易擲弾器。

 「擲弾器」には、弾薬として「九九式手榴弾甲」を用いるもの2種と、「九七式手榴弾」を用いるもの1種の3種があり、「竹筒」か「木筒」を本体とした「九九式手榴弾甲用簡易擲弾器−甲」と、本体を「トタン板」・「木材」で作製した「九九式手榴弾甲用簡易擲弾器−乙」・「九七式手榴弾用簡易擲弾器」がある。

 製造は、図面のみが部隊に交付されるもので木・竹・ブリキ製の筒の本体の付根に小銃銃口部への取付用の溝を設けて、「小銃」と「擲弾器」を固定するための「止栓(「針金」・「五寸釘」・「ビス」等を利用)」を設置する。

 射撃にあたっては「木製弾」を装着した発射専用の「空砲」で行い、射撃姿勢は銃床を地面に付ける型式で射撃する。

 

 

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簡易擲弾器

上 「九九式手榴弾甲用簡易擲弾器−甲」の九九式短小銃装着状況

下 「九七式手榴弾用簡易擲弾器」の九九式短小銃装着状況

 

 

●簡易擲弾器データー

九九式手榴弾甲用簡易擲弾器−甲

  重 量   約900グラム

  全 長   359ミリ

  筒内径   45.5ミリ

  最大射程  九九式短小銃  約120メートル

          三八式歩兵銃  約110メートル

  使用弾薬  九九式手榴弾甲

 

九九式手榴弾甲用簡易擲弾器−乙

 

  重 量   約700グラム

  全 長   359ミリ

  筒内径   45.5ミリ

  最大射程  九九式短小銃  約120メートル

          三八式歩兵銃  約110メートル

  使用弾薬  九九式手榴弾甲

九七式手榴弾用簡易擲弾器

  重 量   約550グラム

  全 長   259ミリ

  筒内径   51.5ミリ

  最大射程  九九式短小銃  約105メートル

          三八式歩兵銃  約100メートル

  使用弾薬  九七式手榴弾


★ 急造擲弾銃

 

 本土決戦時に制式兵器の不足を補う目的で考案された「自活兵器」の一つで、小銃の先に取り付ける竹筒利用の「擲弾器」である。

 「擲弾器」は全長30センチ・内径4センチの竹筒の後部に、小銃装着用の孔を採孔し、筒強化のために筒の外面に針金・紐を巻きつける。弾薬は「九七式円形黄色藥(100グラム)」か「ダイナマイト(100グラム)」に、マッチ利用の摩擦式点火用である「急造点火具」と「導火索」を麻糸で取り付け、さらに「急造点火具」に紐を付ける。

 使用方法としては、小銃に着剣後に紐で「擲弾器」を縛着し、「筒」内に「木栓」と「弾薬」を挿入し、「弾薬」の「急造点火具」につながる紐を「銃剣」の「鍔」に結びつける。

 射撃は「空砲」で行い、空砲の発射ガスが「筒」内の「木栓」を押し出すことによって、「弾薬」が投射される。またこのとき「銃剣」の「鍔」と紐でつながる「急造点火具」が作動し「弾薬」に点火される。

 

 

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急造擲弾器作製の一例

 

 

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弾薬

「導火索」と「紐」の中間にあるマッチ利用の「急造点火具」は、防水と補強の為にゴム綿帯が巻かれている。

 

 

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擲弾器装着状況

空砲の発射ガスが、「筒」底部にある「木栓」を押し出し、さらに「木栓」が「弾薬」を放射する方式であり、そのとき「銃剣」の「鍔」から「急造点火具」につながる「紐」が作動して、「弾薬」が点火される。

 

 

●急造擲弾銃データー

擲弾器

  直 径  約4センチ

  全 長  約30センチ

  射 程  三八式歩兵銃 約80〜90メートル

        九九式短小銃 約70メートル

 

弾薬

  炸 薬  九七式円形黄色薬(100グラム)又はダイナマイト(100グラム)

  直 径  約2.9センチ

  全 長  約11.3センチ


★簡易投擲器

 「簡易投擲器」とは、国土決戦用に「陸軍技術本部」が戦争末期に開発を行い、昭和20年2月に制定した決戦兵器で、主に「国民義勇戦闘隊」の使用するために開発されたものである。

 「簡易投擲器」には「弓」と「弩弓」がそれぞれ「甲」と「乙」の2種類ずつある。発射する「矢」も「征矢−甲/乙」と、矢の先端に爆薬を装備した「爆矢−甲/乙」の計4種類がある。

 

★簡易投擲器弓−甲/乙

 

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★簡易投擲器弩弓−甲/乙

 

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★簡易投擲器弩弓−甲/乙と弓−甲/乙の使用弾薬について

・征矢−甲/乙

 

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・爆矢−甲/乙

 

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★試製強力弓

 前述の「簡易投擲器」をより強力にしたもので、「国民義勇軍」よりは軍の「沿岸配備師団(ハリツケ師団)」を中心に配備がなされた「弓」。「矢」の威力と射程を増大するために、「弓」が補強されている。

 使用弾薬は強大な威力と射程を生かして、狙撃用の「狙矢」のほかに、先端部分に爆薬を仕込んだ「爆矢」を用いる。また、超低空で侵入してくる敵機に対する対空射撃にも使用する。

 

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試製強力弓


★簡易擲弾銃

 本土決戦時の、「沿岸拘束部隊」や「国民義勇戦闘隊」用に開発された「簡易擲弾銃」。

 「竹筒」・「木筒」・「鋼管」等を銃身にして、「黒色火薬」ないし板バネ・竹ヒゴの弾力で「ダイナマイト」や「石」を発射する。

 

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簡易擲弾銃

 上 竹筒と鋼製の板バネを組み合わせた簡易擲弾銃で、ダイナマイトや石を発射する。

         下 木筒を銃身にした簡易擲弾銃で、黒色火薬を発射藥として、ダイナマイトや散弾・石を発射する。


★吸着梱包爆薬

 戦争末期から、国土決戦の時期において考案された挺身部隊用の航空機破壊機材である。

 「爆薬」を詰めた「ゴム製吸盤」付の「木箱」と、取外式の「柄」より構成されており、敵飛行場へ侵入した攻撃隊員が目標飛行機の翼取付基部付近へ「吸盤」を用いて設置して、航空機を爆破する機材である。

 爆薬は2キロの黄色薬であり、箱の底部には「雷管」・「導火索」・「一式点火管」で作成した延期秒時7秒の「点火具」2つが設置されており、爆薬設置後は点火具につながる紐を引き抜いて点火させた後に、「柄」を抜き取る。

  実戦では、「義烈空挺隊」が使用しているほか、「サイパン」攻撃の準備部隊にも配備されていた。なお、吸盤の吸着力増加のために攻撃時に「汗」・「唾液」等で吸盤を 湿らせる通達が出ていたと言われている。

 

 

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吸着梱包爆薬

 

○吸着梱包爆薬データー

 爆 薬  黄色薬 2キロ


★立掛梱包爆薬

  「吸着梱包爆薬」と並んで戦争末期に考案された機材で、航空機の翼取付基部付近に立掛て、航空機を爆破する機材。「吸着梱包爆薬」と酷似しているものの、「吸盤」がなくまた「柄」も回収式ではなくて使い捨てである。

 爆薬は2キロの黄色薬であり、箱の底部には「雷管」・「導火索」・「一式点火管」で作成した延期秒時7秒の「点火具」2つが設置されており、「柄」を目標の高さに応じて組み立てた後に「点火具」につながる「紐」を引き抜いて点火する。

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立掛梱包爆薬


○立掛梱包爆薬データー

 爆薬  黄色薬 2キロ


★鎖状爆薬

 吸着梱包爆薬や立て掛け梱包爆薬と同様に戦争末期に考案された航空機攻撃用の爆薬である。

 前端に1キロの砂袋を取り付けた4〜5メートルの「導爆索」に、10センチ間隔で「ダイナマイト」ないし「カーリット」と、末端に点火具を装備した機材であり、飛行場に侵入した攻撃隊員が敵飛行機の胴体や翼に投げかけて設置の後に、爆破切断する機材である。

 実際の攻撃では、「投縄」の要領で爆薬を敵機の翼や胴体に投げて絡め付けてから、延期秒時7秒の「点火具(「雷管」と「一式点火管」で作成)」を作動させて「導爆索」に点火して爆破する。

 

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鎖状爆薬


○鎖状爆薬データー

 全長  4〜5メートル

 爆薬  ダイナマイト・カーリット


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