格納庫
                                               
  2025.03.15
(賢治のふるさと岩手県花巻市)

    私は若い頃、宮澤賢治のふるさと花巻市に一年間ほど出張で住んで居た事がある。
       5年前にはバイクで東北北陸をツーリングした折に花巻の下宿跡を尋ねてみた。
       其処は昔、市街地に隣接する小船渡という地区で住宅や農地が混在している区域であった。

       当時私は、花巻商業高校の寄宿舎になっている木造二階建てのアパートの一階に下宿をしていた。
       そこは広い敷地の農家の一角で数棟の建物に結構な数の高校生たちが寄宿舎生活を送っていた。
       毎日の食事は母屋の大きな食堂で学生達と一緒に食べる。

       私も二十歳を迎えたころで、半年を過ぎる頃には学生達と友達のように親しくなっていた。
       寄宿舎には女子学生もいて、もちろん男女別々の棟に別れてはいたが私はどういう訳か女子棟の一階に入居させられた。
       その私の部屋の真上には2人の女子高生が住んで居て、この二人とは特別に親しくなっていった。

       寄宿舎にはお風呂がなくて、歩いて10分ほどの市内の銭湯に毎日3人で通ったものだ、多分用心棒として…。^^;
       休日には近くを流れる北上川の岸辺(イギリス海岸・宮澤賢治命名)で良く彼女と散歩をした楽しい思い出がある。

       当時のイギリス海岸は葦やススキが生えるだけの広くて綺麗な岸辺だったが、今は散策路やベンチ・花壇などが整備された
     河川公園となっている。周りも昔は畑や田んぼばかりだったのに今では住宅がビッシリ張り付く宅地となっていた。
       昔を思い出して何となく寂しい気持ちになったが、如何せんこれは仕方のないことである。

       私が若くして、多感な頃の一時期を過ごした懐かしい東北の岩手、青森、福島県、その中でも特に花巻は第二のふるさと、
     何時までも心に残る懐かしい思い出の場所である。