格納庫

   2025.03.09(雨にも負けず)

   先日、久しぶりに良い映画を観ることができた。
   大正から昭和の初期にかけて素晴らしい作品を残した不遇の詩人「宮澤賢治」の父を描いた「銀河鉄道の父」だ。
   主演の賢治の父を演じた「役所広司」と助演で賢治を演じた「菅田将暉」、お二人の演技は凄かった。

   最愛の長男長女を当時不治の病とされていた結核で亡くす事になる父の悲しみ、怒り、絶望が齢76歳のオレの胸に突き刺さる。
   そして父は賢治が息を引き取る間際、枕元で大声で朗々と「雨にも負けず」を唱える。涙が止まらん…。

   オレは宮澤賢治の詩「雨にも負けず」を小学5年生の頃国語で習った記憶がある。
   その頃のオレはとんでもない悪ガキだったがこの詩を聞いた時何故か涙が出たのを覚えている。


   「雨にも負けず」 宮澤賢治


     雨にも負けず 風にも負けず

     雪にも夏の暑さにも負けぬ

     丈夫なからだを持ち
    
     欲は無く 決して瞋からず 何時も静かに笑っている

     一日に玄米四合と 味噌と少しの野菜を食べ

     あらゆる事を自分を勘定に入れずに

     良く見聞きし判り そして忘れず

     野原の松の林の影の 小さな萱葺きの小屋に居て

     東に病気の子供あれば 行って看病してやり

     西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を背負い

     南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくても良いと言い

     北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろと言い

     日照りのときは涙を流し

     寒さの夏はオロオロ歩き

     皆にデクノボーと呼ばれ

     誉められもせず苦にもされず

     そういう者に 私はなりたい