格納庫
2024.09.03(日本刀の未来)
先日の産経新聞の朝刊で「日本刀は文化・精神の背骨」という記事を目にした。
これは日本刀研究家として世界的に知名度の高いポール・マーティンさん(英国生まれ)と論説委員との対話を中心に構成されていた。
日本刀はご存じのとおり日本に於いて千年以上の昔から作刀されてきた究極の芸術品、そして類稀な文化の結晶である。その日本刀の未来が危うい。
刀を一振り完成させる為には刀鍛冶だけではなく研師、鞘師、鍔師、塗師など八つの高度な伝統技術を持つ職人さんが欠かせない。
その刀鍛冶を含む職人さんの数が激減しているという。なぜなのか?、それは食べて行けないからだ。
特に若い刀鍛冶や職人さんは困窮しているとの事だ。玉鋼や良質な炭などの原材料の高騰で現代刀でも安くはない。簡単に買い手は見つからないのだ。
それにもうひとつ困った問題も起きているそうだ。
近年、中国や韓国で形だけまねた日本刀の紛い品が作られ、インターネットなどで安く売られているそうである。
本物の日本刀を知らない欧米人がそれを買っているとの事である。
このままでは益々本物の日本刀が売れなくなり、日本の素晴らしい伝統技術と精神が失われて行く。
政府や文化庁も本気で考えてもらいたいものである。
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