日本海軍
愛知 M6A1 特殊攻撃機 「晴嵐」11型
就 役 昭和20年初旬
エ ンジン ハ「60」32 液冷式熱田32型
離昇出力 1,400馬力
最大速度 437km/5,000m(フロート装着時)
上昇限度 9,900m
航続距離 1,115km
全備重量 4,250kg
武 装 13mm旋回機関銃1門 航空魚雷850s*1又は爆弾800s*1
昭和20年8月14日、特型潜水艦「伊400」及び「伊401」はアメリカ海軍機動部隊根拠地ウルシー近海洋上に浮上していた。搭載された6機の攻撃
機「晴嵐」は出撃準備が完了し、すでに1番機は艦首カタパルト上に繋留され射出直前であった。しかし、そこへ電信が飛び込んできた「戦争終結、攻撃
中止、直ちに帰還せよ」。予期しない命令に司令をはじめ全将兵は唇を噛み締めた。
苦労に苦労を重ね潜水艦や攻撃機を開発し、訓練を積み重ねた年月が全て水泡に帰した瞬間であった。「晴嵐」は魚雷や爆弾を積載し潜水艦から射
出される特殊攻撃機であった。内径3.5mのバンカーチューブ(格納管)に格納できるよう主翼や尾翼、垂直尾翼も折り畳める構造でフロートも取り外し
可能で潜水艦の別場所に格納されていた。
「晴嵐」はフロート付きの水上機にも拘らず急降下爆撃も可能な優れモノで、敵の迎撃戦闘機と遭遇した緊急時にはフロートを機体から切り離し、グラ
マンF6Fの追随を許さない程の高速飛行が可能であった。しかし、潜水空母に帰投後は着水収容が出来ないため、母艦近くに不時着水し搭乗員を収容
後、機体は放棄する事としていた。
第631海軍航空隊 昭和20年 本土




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