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2016.09.28(バイクと戦闘機?・・・)

     ずーっと昔、オレがバイクに乗ってた頃には全く思いも掛けなかったことだが、定年を過ぎて再びバイクに乗り始めて改めて感じたことがある。
   それはバイクの運転と戦闘機の操縦には何か似通ったモノがあるのではないかと思う事だ。
   勿論オレは生まれて此の方、戦闘機に乗ったこともないし、ましてや操縦なんてやった事もないが・・・。
(乗ったこともないのに良く判るのぉ^^;)

   旧日本海軍の歴戦の戦闘機パイロット
「武藤金義」少尉をご存じだろうか、彼は後年「空の宮本武蔵」と言われ熾烈なソロモン航空戦を戦い抜き、
  昭和20年終戦間際には日本海軍最後の戦闘機
「紫電改」に搭乗して雲霞のごとく飛来する米軍機相手に戦い続け、終戦直前の昭和20年7月24日
  豊後水道上空の空中戦で未帰還となられた。無念遣るかたないのだが、その武藤少尉は生前
「戦闘機は感覚で乗る」と言われていたそうだ。

   オレは仕事で良く車にも乗るが、バイクに乗った時の感覚とまるで違う・・・。至極当然と言えば当然なのだが、では何がそんなに違うのか? 。
   クルマの場合も勿論自分でステアリングを握り運転しているのだが、何となくクルマに乗せられている感覚である^^;。自分でクルマを操っている感じ
  ではなくて操られている感覚・・・。目の前の道路ラインを誤ることなくトレースして安全に走行する。
(至極当然である・・・(笑))

   ではバイク
(単車)の場合はどうか・・・。一言でいえばバイクには「身体と感覚で乗っている」

   通常、バイクでのコーナリングはハンドルを切らない。車体をコーナーの内側へ倒しながら身体でバランスを取りスムーズに抜けて行く。
   ではハンドルを切った場合はどうなるのか?・・・、速度が速ければ速いほど僅かでもハンドルを切ればタイヤ自体が抵抗となり、バイクはバランスを
  失い激しく転倒しながら慣性の法則で斜め前方に吹っ飛んで行く。
   
(徐行時等の低速コーナリングではハンドルで曲がることもあるが、低速でのハンドルの切り過ぎは転倒に繋がることもあり、速度に注意が必要)

   これは自転車でも同じ事であり、一度乗れば人は誰でも体得するモノである。但し、速度が速い場合やカーブの曲線半径が小さい場合など状況によ
  って車体を倒す角度と身体との角度を感覚により一瞬に判断して対応しなければならない。
(遅れると怖い目に遭うどぉ・・・)

   オレは戦闘機で空を飛んだ事は無いが、今から20年程前に大空を10年以上飛んでた事がある。
(パラグライダーで・・・一応パイロット^^;)
   
「パラグライダーと戦闘機では全く違うだろう・・・」。そう!!その通りなのだが、空を飛ぶ原理は全く同じなのだよ・・・^^。

   戦闘機も翼が無くては飛べないし、パラグライダーは翼自体を背負って飛んでいる。旋回する操作も同じだ、戦闘機は操縦桿を倒し翼を傾けて旋回
  をする、パラグライダーも旋回する方のブレイクコードを引きながらグライダー自体を傾けて旋回する。更に、これは戦闘機パイロットもパラグライダー
  パイロットも全く同じだと思うが、旋回操作の直前には必ず旋回方向に顔を向けて安全の確認をした上で旋回操作を行う。
(これは常識・・・^^)

   任意の方向に顔を向けることは首を捻るということだ、するとその動きに上半身も付いてくる。これはパラグライダーパイロットに取っては重要な
  動作である。スムーズな旋回を行うためには翼の傾けと同時に旋回方向への体重移動がより一層必要である。
(これが何でバイクに繋がるのか?)

   
「バイクは顔を向けた方に曲がる」、顔を向けると自然に体重移動が発生し車体が傾きバイクは曲がる。バイク乗りには常識である。
   
(パラグライダーと同じだべぇ・・・^^)

   戦闘機とバイクは
「感覚で乗る」という点では似ていると思うが、乗り物としては全く別次元の代物である。旋回中は高G(重力加速度)と戦い、360度
  いわゆる三次元空間を飛び回る戦闘機。そこへ行くとバイクは精々二次元空間を走りまわるだけだぁ・・・。
^^;
   (もしも間違って三次元空間に飛び出したらアウトだべぇ(笑))

   
もう一つ蛇足だが、クルマに付いている速度調節装置(アクセル)の事をバイクと戦闘機ではスロットルと呼ぶ。(溝・穴等の意味・・・)