格納庫
2013.10.22(ちいちゃんのかげおくり)
オレには小学三年生の孫娘が居る。可愛くてなぁ^^。特に女の子は・・・。
その孫娘が毎日学校から宿題を持って帰る。算数の計算ドリルに漢字ドリル、そして音読。
音読ってぇのは国語の教科書の指定されたページ(複数)を声を出して正しく読むことだ。其れを家族の誰かに聞いて貰い評価して貰う。
そして音読カードに記入する。その役目が我が家ではジイジ(オレ)だぁ。(毎日だぜ^^;)
その日も夕方、オレがパソコンでCG作ってるところへ国語の教科書もってやって来た。そして読み始めたのが「ちいちゃんのかげおくり」だった。
最初はナンの話かよく聞き取れなかったが、孫娘が二回目を読んだ時 、不覚にも涙でモニタが見えなくなった。
いくら歳取って涙もろくなったとは言え、孫娘が読む小学校の国語の教科書で涙が出るなんぞ、生まれて初めてだぜ^^;。
その話は十五ページあって、国語の教科書の中では長い方だった。
それは今から六十数年前、太平洋戦争が終わる少し前の話だ。
ちいちゃんはお父さんお母さんとお兄ちゃんの四人で暮らしていた。いくさが段々激しくなって、身体の弱いお父さんまで出征しなければならなくなった。
出征の前の日、家族四人でご先祖様の墓参りに行った帰りに、お父さんが「かげおくりにちょうどいい空だな」と言って、家族四人で手を繋いで
「かげおくり」をした。
その後、ちいちゃんはお兄ちゃんと「かげおくり」をして遊ぶようになったが、段々空襲が激しくなってできなくなった。そしてある夜、ちいちゃんが住ん
でる町にも焼夷弾が沢山落ちて町中が火の海になった。
ちいちゃんはお母さんとお兄ちゃんと三人で逃げたが、途中お兄ちゃんがケガをしてお母さんとはぐれてしまった。ちいちゃんは親切なおじさんに助けら
れて、橋の下で大勢の人達と一緒に一晩過ごしたが、お母さんとお兄ちゃんには会えなかった。
次の日、偶然近所のおばさんと出会い、一緒に手を引かれて焼け落ちた我が家に帰ってみたが、お母さん達は帰ってはいなかった。
その日からちいちゃんは一人ぽっちで、近くのこわれかけた防空壕で次の日もそして次の日も、雑嚢の中の少しのホシイイをかじりながら、お母さんと
お兄ちゃんの帰りを待った・・・。でも二人は戻らなかった。
そして三日目、ちいちゃんは青い空から降ってくるお父さんやお母さん、お兄ちゃんの「みんなでかげおくりをやろう」と言う声に導かれて、笑いながら
青い空へ昇って行った。
こうして一つの小さな命が青い空に消えました・・・。夏のある晴れた日のことでした。
ザッとこんな話だが、悲しい話だぜ・・・。
しかしあの時代、何千何万もの、こんな悲しい話が有ったんだと思うと胸が詰まって言葉にならない。
これからの未来を生きて行く幼い子供達には、どんなことがあっても、こんな辛い思いをさせてはならないと強く思う。
小学三年生の国語の教科書に出てくるお話です。一度みんなに読んで貰いたい。
ちいちゃんのかげおくり あまんきみこ 作

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