佇む彼女が纏う空気



それはなんと表現すればいいのだろう?
皆目見当すら得ない、しかし、彼女を取巻く様に存在する空気には
意かにもその場だけが別世界であるかのような他とは異質な要素が満ちている、
それは気圧なのか湿度なのか、それとも霧のような彩なのか?
しかしそれは彼女だけが身に纏うことを許された
世界でただ一着のオートクチュールのドレスのようなものかもしれない、
目視することはできないが、確実にイメージすることはできる、
それはまるで高純度に精製されたシルクのようだ。





ファインダーというプリズムに
映しだされる
彼女の虚像を凝視する

屈折率の相違なのか、実像と違い
彼女を縁取る光は元来光が粒子
から成ることを再認識させるほど
キラキラと妖しく蠢いている

若しくは彼女が纏うドレスの一端を
極々わづかに
垣間見てしまったのかもしれない...





恍惚な意識の外
無意識にシャッターを連続させる、小気味いいはづのシャッター音、
しかし彼女は自分のリズムを変えることなくスローな “間” を刻む
でも、けしてテンポが合わない訳ではなく、ジャズの即興演奏のように
16小節目にはすべての足並みが揃う、
いや、35mmのパトローネだから36小節と言うべきか?










日も傾く時刻
夕暮れも迫り、薄雲の透き間から挿しこむ夕陽はまさに紅

彼女の褐色の髪はサラサラと初夏の夕暮れに吹く涼風にたなびき
薄羽虫の羽のように夕陽を透かして見せる、
美しい
いや、それ以上の言葉をアキノに教えてほしい...
その光景は刹那の輝き






*この後、夜の分もありますが気が向いたら載せます*


EOS 1NRS EF85mm f1.2  EF200mm f1.8
FUJI REALA

85mm= f1.4 1/125 ND2 + PL
200mm= f2 1/60 PL

大口径レンズを2本、双方ともコントラストの低いレンズです。
この2本は特に絞り開放付近のコントラストは容赦なく低いです、そこに軟調系のリアラを装填、
目も当てられないなんてお思いでしょうが、でも、違うんです、
この組み合わせではコントラストを犠牲にかなり繊細な階調を得ることができます、
自分で言うのも何ですが、このレンズの特性を余すことなく発揮できていると思います。
アキノ的ですねまさに、アキノの人物ポートレート(特に女子)撮影の真骨頂と言うべきは
発色やコントラストよりも、階調ににあります、言いかえるならば、モノクロ写真の発想です、
結局モノクロ写真では色がないので被写体のディテールは階調による表現に終始します、
ではなんでカラー写真で階調なのか、ということになると思いますが、確かに色というのは
被写体のイメージ、ディテールを表現するのに重要な要素だと思います、しかし元来2次元的要素
しか持ち合わせない写真上ではその立体感の表現、奥行きパースフェクトをいかに実物に近い状態に
再現できるかが、通念上の課題と昔からなっています、そして被写体の明暗を表現する階調、
光線の可視範囲で物を見ている人間の目とそれをつかさどる脳の視覚機能野には
最も説得力のあるものが光の明暗、即ち階調だとおもわれ、
これは人間の目が3次元的に物を認識するという特性を大前提とした論理なのですが、
色というのは光の反射率の問題であり副産物であります、それよりも人間は物を見ているのではなく、
ものに反射した光を見ているということを重視すれば、最も視覚的効果の高いものが
その光の強弱、即ち明暗たる階調ということに結論が行き着くと思います。
要するに自分よがりではなく、他人が見てどう映るかが作品づくりの最重要課題であり、
第一歩だと考えています、作品を感じるのは自分意外の“目”なのだから